《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》437 縛りプレイ

「タクト……あなたったら、いつもいつも。アンナのことしか、考えていないの!?」

文字通り、俺にマウントを取ったマリアが、上から睨みつける。

逃げたいところだが、両手が手錠で拘束されているため、きがとれない。

腳は、自由にかせるようだが……。

この手錠を外さないと、どうにもならない。

「ま、マリア……この手錠を外してくれないか? なんで、こんなことをするんだ?」

「絶対に嫌よ! あなたが……あなたが悪いんじゃない! う、うわぁん!」

怒ったと思ったら、急に泣き出した。

、どうしたんだ?

普段から強気の彼にしては、珍しい。

「ヒック……」

「泣いているのか?」

「私だって……の子なのよ……」

そう言うと、マリアは俺のに飛び込む。

きっと泣いている顔を、見せたくないからだろう。

「マリア。すまんが泣いている……傷ついた理由を教えてくれないか? 説明してくれないと分からん」

「ばかっ! 気がついてよ。私の気持ちに……」

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そんなエスパーじゃないんだから。

分かるかよ……。

しばらく、俺ので泣き続けるマリアだったが。

落ち著きを取り戻したようで、顔を上げると、枕の上にあったティッシュボックスを手に取る。

鼻をチーンとかみ、涙も拭く。

まるで、子供のようだな。

俺は手錠をかけられているから、一切手を貸せないが。

丸めたティッシュをゴミ箱に投げ捨てると、マリアは再び、俺の元へ戻ってきた。

俺の腹にり、ゆっくりと腰を曲げる。

「タクト。私、正直悔しいの」

「へ?」

優しく俺の頬にれるマリア。

両手で大事そうにでる彼は、とても穏やかな顔つきだ。

「あの。アンナよ。私だって、あなたに認めてもらうため。手だって、容だって……それこそ、ペドフィリア型を維持するのには、苦労したわ」

「……」

まだその型を維持しているのか。

あんまり無理すんなよ。

「帰國してタクトが小説家として、デビューしたから。すぐ結婚できると思ったのに。気がついたら、私そっくりのヒロインがあなたを奪った……」

「いや、アンナは、ちょっと違う理由で……」

と言いかけている最中に、マリアがぶ。

「それよ! どう考えてもタクトの中で、特別な存在になっているもの!」

「……」

しまった。ここは黙って彼の考えを聞くべきか。

「悔しい……。うらやましいとも思っているわ。だって……どんなに頑張ってもあんなこと、私にはできないもの」

そう言って、指をさした方向には、先ほどまで著ていたメイド服とスクール水著が。

まあ……マリアの格じゃ、無理だろうね。

「私だって、アンナみたいに素直な格だったら……きっとタクトを夢中にできるんでしょうね」

気がつくと、マリアは自の額を、俺の額に重ねていた。

のおでこから、熱をじる。きっと泣いたからだろう。

目の前に二つ並ぶ、ブルーサファイア。

なんてキレイな瞳だろう。

「絶対、あなたを奪われたくない……私にとって、タクトはヒーローだもの……」

と言いかけたところで、瞼を閉じるマリア。

「おい。マリア?」

「……すーすー」

寢ちゃったよ。

ていうか、このあと俺は一どうしたらいいの?

手錠があるし、マウントを取られた狀態なんだけど。

~3時間後~

あれから、マリアはすぐ俺から離れてくれた。

いや正しくは、転げ落ちたと言うべきか。

なぜならば、マリアの寢相は相當に酷かった。

今も俺の隣りで、ゴロゴロとベッドの上で運會を繰り広げている。

左右に行ったり來たり。

「ぐはっ!」

真ん中で寢ている俺の目掛けて、全でタックルされる。

ミハイルと同等の馬鹿力だから、既に俺のは青あざでいっぱい。

その痛みに耐えるのも、怖いが。

の寢顔も呪いがかかったようで、恐怖しかない。

白目をむいて、口を大きく開けている。

起きているわけじゃないのに、瞼が全開でホラー映畫のようだ。

「すーすー……」

寢息が聞こえてくるので、やはり夢の中だろう。

マジで怖いよ。マリアの寢顔。

一睡も出來なかった。

マリアの寢相によるタックルも痛かったが、何回か腳をバタバタとさせて、かかと落としを食らったから……。

寢ているからわざとじゃないが、間ばかり狙われた。

あまりの激痛に、泡を吹き出すところだったぜ。

ラブホテルでは、プライバシーを守るため? なのか。窓は全て謎の板で覆われている。

そのため、外の景は確認することができない。

だが、きっと夜は明けているだろう。

外から、ゴミ収集車の「グイーン」という機械音と、作業員の聲が聞こえてきた。

隣りで白目を向いているマリアに聲をかける。

「おい、マリア! いい加減、起きろ! もう朝だぞ!」

何度か彼に聲をかけたが……なかなか起きてくれなかった。

憶測だが、マリアも一応、社長だ。

また徹夜で仕事を頑張っていたのかもしれない。

「……う、うぅん」

ようやく気がついたようだ。

しかし、まだ瞼は全開で、白目。

怖すぎ!

「マリア。朝だぞ。そろそろ起きて手錠を外してくれ! トイレにも行きたいし」

「あ、タクト……ごめんなさい。私ったら、寢ていたのね」

ここで、白目がぐりんとブルーサファイアへとれ替わる。

意識を取り戻したマリアだったが、昨晩、取りしたことを今更になって、恥ずかしくなったようだ。

頬を赤くしたと思ったら、枕を抱えて、顔を隠してしまう。

「た、タクト。私の寢顔とか見た? よだれとか垂らしてない?」

そんな可らしいの子じゃなかったよ。

ホラー映畫を見ているようだ……とは言えんな。

「ああ……よだれなんか、垂らしていなかったぞ」

俺がそう言うと、ホッとしたようで、嬉しそうに微笑む。

「良かったぁ。タクトにそんな恥ずかしいところを見られていたら、お嫁にいけないもの」

「……」

結構すごいものを見せてくれたよね。

じゃあ、もうお嫁に行けなくていいのかな?

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