《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》438 裏切りの代償
マリアが俺にかけた手錠だが、どうやら前のお客さんが忘れていったらしい。
ハードなプレイがお好みのカップル……。置いていくなよ。
おかげで、ドМプレイを験してしまった。
仕方ないから、俺がフロントに電話して、手錠のことを伝える。
「ごめんなさい……タクト。どうしても、あなたが遠くに行ってしまいそうで。怖かったの……」
かなり罪悪を、じているようだ。
しゅんとしているマリアは、なんだからしい。
「気にするな。別にケガをしたわけじゃないからな」
それよりも、寢相の悪さをどうにかしてしい。
「あ、ありがと……タクト。優しいのね。大好き♪」
好きなら、もうちょっと優しくしてね……。
※
別に悪いことはしていないが、俺とマリアはなりを整えると。
急いで、ラブホテルから出ることにした。
早朝の方が、近隣を歩く人がないと思ったからだ。
ホテルから出たその時だった。
近くの電柱から、人影をじる。
視線はずっとこちらに向けられている……気がした。
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ラブホテルから、出てきた俺たちだ。
自意識過剰だとは、思うが……。
しかし、突き刺すような視線だとじてしまう。
ひょっとして、アンナかと思ったが。
違う。
間違いない。
裝したり、々と用な彼だが、型までは変えられない。
相手は40代ぐらいの中年男。
ぽっちゃりしたおじさん。
サングラスに、白いマスクをつけている。
明らかに不審な男。
もしかして、以前カナルシティで出會った癡漢か?
アンナやマリアに、固執していた変態だもんな。
ここは、俺が注意すべきだろうか。
ふと目と目が合う。
「ひっ!?」
相手は俺の顔を見て、怯んでしまい、慌てて逃げ去ってしまう。
「なんだ、あいつ……」
俺がその場に立ち盡くしていると、マリアが袖を引っ張る。
「タクト。早くここから離れましょうよ! やっぱり……恥ずかしいわ」
頬を赤くして、俯くマリア。
可らしいところもあるんだと思った。
「そうだな……」
3回目のラブホテルへ行ったわけだが、今回も何事もなく終わってしまう。
ただ、今回の宿泊代は、マリアが払ってくれた。
彼の個人的な理由で、利用したから……だそうだ。
せめて半分ぐらい支払わせてしいと言ってみたが、彼は頑なに斷った。
たぶん俺を無理やり連れて行った割には、何も出來なかったことが悔しいのだろう。
どうでもいいけど、何もしないのにラブホテルをご利用って、金がもったないよね?
~それから1週間後~
今回のラブホテルで起きた出來事は、ネタとしては使わないと考えていた。
経費で落ちていないし。
なんかマリアのことが、かわいそうで……。
特に何もない日常を送っていると。
今年、初めてのスクーリングが近づいてきた。
ただの授業じゃない。期末試験だ。
それが連続で、2回も行われる。
アホなミハイルからしたら、苦行だろう。
今もきっと自宅で、試験勉強をしているに違いない。
去年も俺と進級したいがために、必死に頑張っていたものな。
その點、俺は勉強なんて必要ない。
前期も何もせず、オール満點だったしな。
ま、あの學校が稚園児レベルだからね……。
ただ試験當日になるまで、毎日ダラダラ過ごしていれば良いのだ。
その日も、學習デスクの上に置いてある、PCモニターを眺めていた。
去年から撮りためていたアンナのパンチラ寫真。
ウインドウを10個も並べて表示させ、アンナを堪能する。
「ふぅ……」
最近、アンナの新しい寫真。特に出度の高いラッキースケベが起こらないから。
なかなか新鮮なネタが、手にらないな……。
早く次の取材が來ないかな。と思っていた最中。
機の上に置いてあるスマホが、鳴り始めた。
彼だと思い込み、急いでスマホを手に取る。
「もしもし?」
『あ、タクト……もう例の記事を見たかしら?』
その大人びた話し方で、すぐに相手が彼じゃないと分かる。
電話をかけてきたのはマリアだ。
「マリア。記事って……なんのことだ?」
俺が首を傾げると、マリアは深いため息をつく。
『まだ見ていないのね……本當にごめんなさい。私のミスだわ』
「は?」
『この前、二人でラブホテルへ行ったじゃない? あの時に記者が近くにいて、寫真を撮られたのよ……』
「え!? なんで俺たちを撮るんだよ。ただの一般人だろ」
『私がモデルだからよ。こう見えてに人気なの。詳しくはインターネットを見ればわかると思うわ……本當にごめんなさい。でも噓は何も言ってないから』
「マジかよ……」
それからすぐに電話を切って、俺はウェブブラウザで検索をしてみることに。
彼の名前で調べたら、すぐにヒットした。
見出しはこうだ。
『人気モデル、MALIA。帰國してすぐにラブホテルでドッキング!』
「ブフーーッ!!!」
思わず、大量の唾をモニターへぶっかけてしまった。
『お相手は、2歳年上の自稱作家。DO・助兵衛氏、18歳。一般人のため、顔は隠させていただいております』
と記事には書いてあった。
肝心の寫真は、ラブホテルから出て來たマリアと俺。
誰にも見られたくない……とキョロキョロしている二人だから、妙に怪しくじる。
一応、俺だけ目元を黒塗りにされていた。
でも俺を知っている人なら、すぐに分かるだろう……。
ていうか、なんで自稱作家になってんだよ! 俺はプロだ!
記事を読み進めていくと。
後日、記者がマリアへ直撃インタビューを行ったようで。
その際の質疑応答が、載っていた。
記者。
「ラブホテルで一泊を過ごしたということは、DO氏とお付き合いしているのですか?」
マリア氏。
「いいえ。本気で婚約しております。10年前から」
とカメラに向かって、婚約宣言を発表するマリアさん。
記者。
「では、結婚を約束しているのなら、ラブホテルでそういう行為をされたと認めるのですね?」
マリア氏。
「それは斷じて認められません。私たちは婚約しておりますが、らな行為は何一つしておりません。これだけは言わせてください。一線は越えていません!」
と言い訳するマリアさん。
それを聞いていた記者は、信じられないと耳を疑ったそうな……。
一連の記事を読み終えた俺は、揺から右手がガタガタ震え出す。
マウスカーソルがモニターの中で、左右に踴りまくっていた。
「な、なんじゃこりゃ!」
ほぼ認めている回答じゃねーか!?
クソ……俺と一緒で、マリアも噓をつくのが苦手だった。
もうすぐ試験だというのに。
ミハイルに、この記事を知られたら……。
俺はどうなるんだ。
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