《【書籍化】その亀、地上最強【コミカライズ】》武技
魔法使いは、魔法という形で己の中にある魔力を使うことができる。
では戦士は、魔力を使うことができないのか?
――答えは否だ。
戦士達はそのに偏在する魔力を、己のや武に乗せて戦う。
と武に魔力を乗せ発させる技の総稱を、武技という。
武技の威力は技それ自の練度に己のや武のグレードによっても変わる。
そのため魔法使いと異なり、前衛職の武技は人によって練度がまるで違う。
ランパルドの放った武技である大破斷は、破斷(ブレイク)をより強力にした一撃である。 破斷を何十何百と使い、極めた先にようやく放てるようになる必殺の一撃。
その威力は、傷を負ったマーマンキングを見れば明らかだ。
二等級魔――つまり本來なら、二等級のパーティーで戦わなければ挑めないようマーマンキングに、有効打を與えることができた。
大破斷こそランパルドが放つことのできる最高の一撃であり、彼のソロでの活を支えてきた武技だった。
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だが……。
「チッ、流石に一発ってわけにゃあいかねぇか!」
一撃は淺かったとはいえ、確かにった。
その衝撃はに通り、皮は裂けが流れた……しかし、それだけ。
その攻撃は致命傷には程遠く、マーマンキングのきにりはまったく見られない。
「グラアアアッッ!!」
マーマンキングは手に持った杖を、棒のように振り回した。
風を切り、空間を絶つような勢いの一撃。
當たればただでは済まないだろう。
だが武技を放った後の技後直が、ランパルドを襲う。
回避の作にるまでにかかった時間が多すぎる。
このままでは避けられない……。
「ライトニング!」
だがマーマンキングの一撃がランパルドへ當たることはなかった。
一人と一匹の意識の間隙をうように、雷撃が飛來したからだ。
その狙いはマーマンキングの持ち手である右手。
雷撃が命中し、攻撃の勢いが落ちる。
後ろからのグィンバルの援護のおかげで、ランパルドの方に余裕ができた。
故に彼は回避の軌道を変更。
前回りを行いながら、積極的にマーマンキングへと近付いていった。
「おおおおおおおっっ!」
大破斷は威力は高いが、その分だけ隙も大きい。
故にここならば當てられるというタイミングで使うべき大技だ。
故にランパルドは己の魔力量を確認しながら、斧を振った。
マーマンキングは迎撃すべく杖を構える。
けれどそのきは、先ほどまでのものと比べれば明らかに鈍くなっている。
電撃を食らったことで、が麻痺しているのだろう。見ればそのはピクピクと、細かく痙攣していた。
重量武である斧と杖が、激突する。
恐ろしいことに、両者の攻撃の威力はほとんど同じだった。
お互いが相手の一撃を己の一撃ではじき返し、両者の上がのけぞる。
まともにやり合うのは不利だと判斷。
ランパルドは即座に意識を切り替え、更に細かい一撃に切り替えていく。
彼の予想通り、速度であれば自分の方に分があった。
ランパルドは小技を使い、細かな移を多用しながら、速度で相手を翻弄していく。
そして時折、力を込めた一撃を挾む。
「破斷(ブレイク)ッ!」
全重と勢いを乗せた武技でなければ、隙はそこまで大きくない。
その分相手に與えられるダメージもないが、魔との戦いでは忍耐が重要だ。
たとえ一のダメージを與えることしかできなくとも、十度重ねれば十になる。
積み重ねていけば、後になってから効いてくるものだ。
「ライトニングブラストッ!」
ランパルドが手數を重視し相手を翻弄することができるようになったことで、グィンバルの方は大技を放つことができるようになった。
グィンバルの手のを大方知っているランパルドは、魔法攻撃の余波を食らわないよう立ち回ることもできる。
大きな一撃を食らった衝撃が抜けていない好機を活かすため、再度大破斷を放つ。
「ギエエエッ!?」
今度の一撃はしっかりとった。
相手の元が深く抉れ、が噴き出す。
だが魔の強靱な生命力の前では、これでも致命傷には至らない。
しかしながら、怪我を負ったことでマーマンキングのきは更に鈍くなった。
ここまで來れば……と、二人は心で勝利を確信する。
グィンバルが魔力の回復に努めていれば、ランパルドの方が小技を放ち牽制。
グィンバルが大技を放てば、その攻撃を利用する形でランパルドも大技を決めに行く。
互いが互いを補い合いながらの攻撃が続く。
マーマンキングのには火傷や切り傷ができていき、傷の上に傷が重なっていく。
対しマーマンキングの攻撃は、二人には當たらない。
グィンバルは時折り自も前衛として杖を振るいながら、巧みに立ち回っていた。
けれど前衛職と比べれば白兵戦の練度が高くないグィンバルが怪我を負うことがないのは、ランパルドがフォローを重ねてくれているおかげだ。
ダメージは蓄積されていき……そしてとうとう、これ以上ない隙が生まれる。
「グラアアアアアッッ!!」
全をまみれにしたマーマンキングが、きの悪くなった杖を捨て、マーマンお得意の噛みつき攻撃を放ってくる。
接近してくる魚人の王、二人は一瞬のうちに視線をわし、どちらからともなく頷き合った。
「大破斷ッ!」
「ライトニングエクスプロージョン!」
首筋を狙って放たれた斧による致命の一撃と、部を狙って放たれた雷の発。
二人が放つことのできる最大威力の叩き込まれた必殺技を食らったマーマンキングは……。
「ギ、ィ……」
地面に倒れ込み……そのままくことはなかった。
「はあっ、はあっ、はあっ……」
「なんとか……勝てたか……」
二人は眼下に倒れ込むマーマンキングの死を見ながら、拳を打ち合わせる。
魔達は自分達のボスが倒されたことに、明らかに狼狽していた。
周囲の冒険者達は、この好機を逃してなるものかと果敢にアマーマン達に突撃していく。
一手間違えればたたでは済まない……そんな息の詰まる戦闘から解放されたことに、二人はホッと安堵の息を吐く。
そして倒れ込みそうになるに鞭を打ち、ぐぐっと背筋をばした。
「ハイヒール」
幸いそれほど攻撃をもらっていなかったので、治療はヒーラーの中級回復魔法で十分だった。
「さて、もうし頑張らせてもらうとしますかねっ」
「ああ、折角のボーナスタイムを無駄にするわけにゃあいかないからな」
一度下がり小休止を取った二人は、ここからもうひと踏ん張りだと再び戦場へと向かう。 王がやられ及び腰になっていたアマーマン達を狩っていく冒険者達。
だが彼らの勢いは長くは続かなかった。
途中からアマーマン達のきにまとまりができはじめてきたのである。
「おいおい……」
「はは、冗談だろ……?」
冒険者達の先陣を切っていたランパルド達の、表筋が完全に固まる。
そこにあったのは……。
「「「グラアアアアアアアアアッ!!!」」
紫の隊列だ。
アマーマン達を掻き分けてやってきたのは、十を超えるマーマンキングの群れだった。
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