増した頭による突進を各々で対処する。

しかし中には対応が遅れて私のように攻撃をけた者が二名。

私が対処すると言ったためにし遅れたのだろう。

狀況把握が甘かったのが悔やまれる。

そんな魔獣は首を落とされ、途中で首をへし折られて頭をもぎ取られ、頭を割られ、砕かれ、僅かに顎を削られ、右眼部分を掠める様にして貫かれる。

が、またしても頭を生やし、傷を新たなで覆って元の狀態に戻る。

そんな魔獣の頭を対処した三人はその勢いのまま子供に迫る。そこに遅れて二人が詰める。

「（任務完りょ、おっ　︎）」

終えるかと思えたその一連に、しかしどういう訳か魔獣が子供の元へ移し再度頭部をばして攻撃してくる。

その様はまるであの子供守っているかのようだ。

しかし同じ手なため五人は難なくその頭部を対処する。

やはり弱い。

から六つの頭を出すその魔獣はヒュドラに似ているが、あれはの先から三から六つの首を生やしている。

対して目の前の魔獣は切斷された首の橫、右のから三つ、左真ん中から一つ、尾と思われる所から一つ。

とても不気味な生え方をしている。

再生持ちでこちらの人數に合わせて頭部を増やす。攻撃力や防力こそないが、頭部を失っても生きていられる。

つまりそこは弱點ではないという事。

そうなるとの中に核がある可能が高い。それを壊せば再生も出來ないだろう。

そして狀況から考えて恐らくあの子供は能力持ち。

それも使役系の能力。

バジル様同様の珍しい能力者か。であるなら捕える方が良いか？

いや、それはリーダーが判斷するから私は変わらずあの魔獣の相手だ。

弱點もおおよそ見當が付いているのだから問題ない。

「シン、ウ！　魔獣の核を狙うのを手伝ってくれ！」

一番遅れながら魔獣を討つべく仲間の二人に協力を仰ぐ。

ランクから考えれば一人でも問題ないのだが、あれはあくまで私の考察からだ。

それに再生持ちである以上數で攻めた方が効率が良い。

耐久と使役という珍しい能力持ちとはいえ相手は子供だ。

攻撃の要となっている魔獣を私達で抑え込めば、三人でも十分だろう。

「俺は左頭を」

「ワシは右頭部を」

私の要請に応えてくれた二人がどの部位を援護してくれるかを伝えて來る。

その聲の位置からして既に近くまで來ているらしい。

核はヒュドラと同じで考えるなら首本、、のいずれか。

故にあれを真っ直ぐに斷ち切れば終わる。

主人を守るために頭部を切り落とされようとずっと頭部による攻撃を続ける蛇魔獣。

その魔獣の弱點に狙いを定め、一気に詰め寄る。