《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》446 折れた剣

ここあに言われて、ツボッターのアカウントをその場で作

アイコンやヘッダーは、トマトさんが描いてくれたアンナのイラストにしておいた。

まあモデルが目の前にいるギャルのここあだから、巨のハーフギャルになっているが……。

小説の宣伝も兼ねているので、仕方あるまい。

初めての投稿は、俺とここあのツーショット寫真。

だが何を書いて良いか、分からない。

「なあ、寫真はともかく、何を書けばいいんだ?」

「ん? 別になんでもよくね? 呟くところじゃん」

「ま、まあ……そうだが……」

とりあえず『期末試験、2回目に來た』とだけ呟いておく。

今のところ、反応はなし。

「でもさ~ ツボッターだけじゃ、楽しさがなくない?」

「え?」

「インスタもやろうよ♪ 今日スクリーングだから、んな生徒に聲をかけて、寫真を撮りまくるっしょ♪」

「……」

本當に効果があるのだろうか?

今、投稿した寫真も、ここあはいい顔をしているが、俺は青白くて、やつれている。

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楽しそうというより不幸な寫真……。

チャイムが鳴ったので、一旦3階の教室から出て、2階へ降りる。

ホームルームをけた後、すぐに尿意をじた。

きっとコーヒーばかり、飲んでいるからだろう。

教室を出て、廊下を歩いていると。

全日制コースである、三ツ橋高校の制服を著た子高生たちと、すれ違う。

一人は、ボーイッシュなショートカット。

もう一人は、ピンクの髪でお団子頭。

「あ、新宮センパイ!」

聲を掛けられなかったら、気がつかなかっただろう。

まともな食事を取っていないので、意識がもうろうとしている。

「え?」

「私ですよ! ひなたです!」

「ああ……」

の名前を聞いて、なぜか落ちこんでしまう。

ミハイルじゃないのか……って。

「なんですか!? その反応! まさかアンナちゃんが良かったんですか!?」

「い、いや……そのひなた。悪いけど、あまり大きな聲で話すのはやめてくれ。頭に響く」

頭を抱え、廊下の壁にもたれかかる。

これにはひなたも、驚きを隠せない。

「大丈夫ですか!? センパイ!」

「ああ……空腹によるものだから、心配するな……」

「空腹って、一どうしたんですか?」

俺はひなたに、この二週間食事を食べられないことを説明した。

食べても味がしない。何を口にれても、不味くじる。

、なぜこんなことが起きているのか……自分にも分からない。

それを聞いたひなたが、プッと吹き出す。

「何が可笑しい?」

「新宮センパイ。それって、わずらいじゃないですか?」

「は? ウソだろ?」

相手は男だ。

「あるあるじゃないですか~♪ 相手のことを思うだけで、がドキドキ。食事もを通らない。一睡も眠れない日々が続く。めっちゃピュアですね♪」

なんだかバカにされた気がして、イラってしてしまう。

「あ? そんなわけないだろ。だって、俺の場合は相手が……」

「相手がなんですか? もしかして、私ですか?」

グイッと顔を寄せるひなた。

ここで否定すると、怒られそうだから、曖昧に答えよう。

「俺の場合、じゃない。ただのケンカ。ダチとのな」

言いながら、頬が熱くなるのをじた。

それを見逃さないひなた。

「あ~! 顔が赤くなってるぅ~! やっぱりわずらいだぁ~!」

「ち、違うと言っている!」

クソがっ。

とりあえず、俺に今起きている癥狀は置いといて。

ひなたに協力を仰いでみる。

級友のミハイルが休學しているため、SNSを使って呼び戻したいと頼んでみた。

「ふ~ん。あのミハイルくんが退學を考えるなんて、よっぽど酷いことをされたんですかね?」

「うっ……」

傷口に塩をぬられている気分だ。

「まあ、いいですよ。私なんかで良かったら、寫真ぐらい。全然です♪ むしろアカウントを共有しましょう♪」

「そうか、悪いな」

「いえいえ。そうだ、ついでだから、ピーチちゃんに撮影してもらいましょうよ!」

ひなたと會話に夢中になっていたから、忘れていた。

隣りのピンク頭を。

俺の専屬絵師、トマトさんの妹でもあり。コミカライズを擔當している小ギャルのピーチだ。

背が低いせいもあってか、影が薄い。

「ちょりっす、スケベ先生」

元で小さくピースする。

「おお……ちょりっす……」

「マジで瘦せたっすね。あれっすか? ダイエットすか?」

「いや、ちょっと病気だ」

「それは大変っすね。病院で治してもらわないと、執筆活に差し障りますよ」

「うん……」

ピーチに指摘するまで、忘れていた。

俺のもう一つの職業。

小説家。

アンナや他のヒロインたちのおかげで、“気にヤン”は人気だ。かなり売れている。

今月にり、マリアが主役として活躍する4巻も発売した。

発売してまだ2週間ぐらいだが、売り切れが続出しているそうだ。

編集部の白金から、早く次の原稿を書いてしいと頼まれている際中だ。

だが、俺は小説を書くことができなくなっている。

一行も埋めることができない。

理由は分からないけど、ミハイルに振られてから、おかしくなった。

この癥狀も早く治さないと、原稿の締め切りがあるからな。

「じゃあ、撮るっす。ひなたちゃん。スケベ先生ともっとくっついて下さいっす」

「うん♪ 可く撮ってね、ピーチちゃん!」

俺が元気ないことを良いことに、勝手に話を進める二人。

まあ正直、立っているのもやっとだから、ひなたに腕を組まれることは、楽ではある。

「ちょりーっす!」

數枚撮ったあと、ひなたがスマホを確認し、SNSにあげる寫真を選ぶ。

俺のスマホなのに……勝手にいじりまわす。

気がつくと、ツボッターのアプリを開いて、寫真を投稿していた。

「じゃあ、送信っと♪ タグもつけておきましたよ。インスタも上げよっと♪」

「お、おい……」

力がらないので、ひなたの暴走を止められない。

「心配しなくても大丈夫ですよ。どっちのタグも、“人”とか”彼氏彼”ぐらいしか、つけてませんから♪」

「なっ!?」

もはや、楽しいところを見せるのではなく、完全に煽っているじゃないか!?

「あ、早速リプが屆きましたよ♪ ……って、なんなのコイツ!?」

顔を真っ赤にして、興するひなたを無視し、スマホを確認してみる。

『この人、知ってます。梶木かじき浜でパパ活しているJKです』

をたくさん飼って、待する悪です』

『ていうか、男みたいな顔で草』

投稿主の名前は、”ネッキーのピアス大事”。

「クソリプってレベルじゃないですよ! ストーカーじゃないですか!? なんで私の個人報をここまで……」

宗像先生の時とは違うアカウントだが、どうも言っていることが似ているような。

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