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「この格好でづいているようだけど、簡単に自己紹介しよう。私はここで師として活している者だ。君は･･･あぁいや、話す必要は無い。読心は得意でね。」

彼は優しい顔でそう話した。読心･･･ねぇ。嫌な神様を思い出すな。まさか心を読まれるとは。

「ふむ、どうやらこれまでも心を読まれたことがあるようだね。しかも一般人のでありながら、神様に幾度となくあったことがあると･･･本當にすごい経歴の持ち主だ。」

それほどでも･･･なんて言ってる場合じゃないな。どうしてもこの人に聞かなければならないことがあるからな。

「君の悩みなら、答えることが出來る。だがそれは、君自が気づく方がいいだろう。ヒントは與えてあげるからさ、考えてごらん。あぁでも、僕が教えてあげられるのは、その神様を止める方法だ。その過程は何とかしてね。」

さらりときついこと言ってくれるな、この人。その過程も知りたいところだが、仕方ないか。うーむ･･･だが止める方法といってもなぁ。ナーテアさんみたいにポンポン発明できる訳でもないし、佐和さんみたいに『ひざまずけ、禮』ができる訳でもないし･･･。

「･･･佐和さんができるっていう、『ひざまずけ、禮』ってのは、要は『悪霊退散！』みたいなことかな？その力で化け退治をしてきたんだね、君たちは。佐和さんって子の力は、僕の力に似てるね。」

まぁ、あなたの末裔ですし。奧に眠る師としての力を、あの訶不思議手袋を使って一時的に増強して放つのが、『ひざまずけ、禮』だからなぁ。

「あぁ、僕の末裔･･･末裔！？え、じゃあ僕の筋は結構続くじなんだね？君がいつの時代の魂なのかは分からないけどさ。介、っていう意味だと札とかに近いのかな。」

今が何年かは知らないけど、1000年くらい続いてることになるのかな。ま、それはそれとして･･･僕は2人みたいな力はないし、はボロボロだしで、もうどうしようも無いんだよな･･･

「･･･確かに伝ってのはあるかもしれない。親から子へ、子から孫へ継承されるものって、あるだろうからね。だけど、もう1つ。伝とは別に、技が継承されることがあるよね。」

･･･？どういう、ことだ？

「わからない？まぁ無理もないか。じゃあもうしヒントだ。君の今のは、僕の式神の姿。そしてそのは、僕の技を誰よりも近くで見ているんだよ。それもまた、ひとつの技継承の形だと思わない？」

･･･あぁ、なるほどな。そういうことか。

「わかったみたいだね。ただし気をつけて。多分、チャンスは一度きりだ。失敗すれば終わりだろう。」

それは分かっている。そもそも何度も引っかかるようなやつじゃないし、一発勝負をかけるしかない。よーし･･･やってやるぞコラ！

「あとは大丈夫そうだね。･･･君の幸運を祈ろう。さぁ、行きなさい。」

僕は彼にお禮を言って別れを告げ、神の待つ紅き街へと戻るのだった。