《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》連発、そして愉し気

本當にどいつもバカげた威力の能力を持っている。

私の能力ももうしこういう系のが手にらないものか......

などと仲間の能力に細やかな羨と嫉みを抱くが、すぐに思考を切り替える。

アイスネークの全にヒビが伝わっており、頭部、腹と尾辺りに関しては砕け割れている。

確かに剣で核を切るよりは効率も確実もある。

しかしこんな場所で地形破壊の能力を二回も使えば、そろそろ王都の見張り門の者や警邏がやって來る。

見張りの者は一人か二人程度は始末しても構わないだろう。

そのついでにこの馬車の通過を報せた告者も始末する。

元々始末する事に変わりはない。それが早まるだけだ。

もちろんその前に撤退する方がより良い。

「もう一回も二回も変わらんだろう。ウ、そのまま他の魔獣も能力で壊してくれ」

シンも早く撤退したいらしく殘る全てのレッサー共の討伐をウに任せる。

一々核を探さなくて済む分、能力を多発する方が良い。

こんなに面倒な魔獣だと解っていれば最初から彼に任せていた。

そうすれば私も負傷せず、もっと短時間で任務を終えられた。

「おう! 任せよ!」

魔獣を潰せて気分が高揚しているのかシンの指示に素直に従う。

ウが返事を返した直後に前方にいるレッサーのきが変わる。

それが親分がやられた事でなのか、ウのきに合わせてなのか。

どちらにしろレッサーの相手はもうウだけで事足りるな。頭はそれぞれで対処しているし。

そして──

「おらぁ! もっと抵抗せんかー!!」

愉しそうな聲を上げてレッサーを潰している。

いや、ただの戦闘狂なだけか。

アイスネークとレッサーの計六を相手に連続で能力の使用。

魔力の消費も激しいが、純粋なの強さから起こる衝撃。その衝撃を倍増化。

『ヴァブ・ション』に似ているが、あっちは文字數に比例して威力が上がるのに対して『バン・ボン』は毆った際に起こった衝撃の威力によって変わる。

その威力が弱ければかかる魔力はなくて済む。

と言ってもアイスネークやレッサーの全を潰すにはそれなりの威力で毆らなくてはいけないだろう。

故に消費する魔力も多いはず。はずなのだが......

「ぶっっ潰れろぉ!!」

生き生きと愉しそうに能力を使っているウの姿を見ると消費で疲れているようには見えないな。

一回、一回の消費は相當なはずなのにピンピンしている。

戦闘狂はそんな消耗も愉しみの一つなのだろう。

そして今ので半分が潰された。

なのでウに誰か一人がつけば、殘りの者は自由だ。

「ギュウ! お前はウにつけ!」

「はっ!」

私の考えが正しかったらしく、リーダーがギュウに命じる。

それをけてギュウが了解する。

ギュウの位置は......恐らく真ん中。ちょうどウと同じ位置にいるらしい。

それを見越しているのだとしたらリーダーは全員の位置を把握しているのか?

それは流石にキモ......把握能力が高過ぎる。

しかし誰が討伐(や)るか、どこら辺にいるかが分かったのだ。

そして私の憂いも先程潰された事だし全力で殺しに行ける。

子供を守る魔獣が減ったのだ。攻めるに決まっている。

「行け!」

簡素な指示をけてウとギュウ以外の全員がき出す。

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