「……ハァ、ハァ」

サヤの肩は、呼吸がれたために上下に揺れている。

狀況に関してはきが無く……いや、見た目の有利不利は、何時間にも及ぶ対立のわりには変わっていないように見えていた。

だが、サヤの力と魔素はそろそろ限界に近付いてきていると本人も認識している。

もちろん、距離を保たれている盾の創造者から見ても、サヤの疲労が限界に近いことはラファエルから見ても明らかだった。

ラファエルはまだまだける狀態ではあるが、サヤを助けようとすると”――ラファエル！！”と強く拒否されることが數回あった。そのため、それ以降は何度か援助への行が自然と出てきた場面でも、ラファエルはぐっと堪えて狀況を見守っているだけだった。

『……サヤ様』

心配をしてその名を呼ぶと同時に、この狀況に飽き飽きしている盾の創造者が不機嫌そうにラファエルのつぶやきに重ねてきた。

『はぁ……なんでさっきから同じことばかりしかしないの？私には何のダメージもないのよ？それに引き換え、あなたは自分の中にある魔素を隨分減らしていっているじゃないの』

『……それにさっきから”コレ”は外すようにしてるけど……前の話し、まだひきずっているのかしら？』

そう言って盾の創造者は、近くにいた小さな人型を一つ摑み、サヤに向かってゆっくりと放線を描くように投げた。

――ドン

「――あ！」

盾の創造者は特にサヤを攻撃するためではなく、今の狀況に対して無意味な発を起こしたことに対し、サヤは鋭い視線で睨みつけた。

その視線をけて、盾の創造者はサヤのをかせたことに満足しながら、さらにサヤのを煽ろうとした。

『……この発を利用すれば、私を倒せるんじゃないのかしら？だったら積極的に、コレを狙うべきでしょ！？何をしているの！？』

そう言って、近くに寄せた小さな人型を次々に頬り投げていった。

「やめろ！！やめろ！！」

サヤはこれ以上、小さな存在が意味もなく消されてしまわないようにと、殘りない小石を握りその存在達を別な空間へと送っていった。

しかし、その行は何の意味も持たなかった。先ほどと同じように、小石は次々と発していった。

「――っ！？」

その破片がサヤの額に當たり、サヤの頭からはが流れていった。

『……まさか、あなた”コレ”を本気で助けようとしてたの？』

煽るつもりだけだったが、その行の結果自分自のにまでダメージをけたサヤの姿を見て、盾の創造者は本気で理解ができないと驚いた。

『バカね……こんなのはただの”つくりもの”なのよ……こんなを助けようとするなんて理解できないわ？その結果あなたは、傷まで追っているじゃないの。こんな道の存在に自分のを掛けてまで助けるなんて、本當に信じられないわ！？』

サヤはが流れる場所を手で押さえながら、盾の創造者を睨みつける。

自分の行が誤っていると言っている相手に対して、全ての怒りのをぶつけながら。

だが今のサヤを見て盾の創造者の中では、依然じていた脅威をじらることは無かった。