《ひざまずけ、禮》第3章83話 消滅と代償

比影「はぁ・・・はぁ・・・」

レア「あ、あ、あぁぁぁ!!」

佐和「や、やった!やったのね!」

オネ「えぇ、えぇ!やりました!」

イザレアは悶えはじめ、2人は喜んでいた。僕はイザレアに近づく。

レア「あぁぁぁ・・・嫌だ、嫌だ!!まだあたしには、やるべき事が・・・!」

比影「もう諦めろ。こうなった以上、誰にも止められない。お前は消えるんだ、ここから。」

レア「嫌だよぉ、助けて・・・!」

比影「そうやって助けを懇願した人々を、お前はどうした?直接はやっていないとしても、見〇しにしただろうが。」

レア「こんなはずじゃ・・・あたしはただ、比影と・・・」

比影「・・・無理だ、君の思いには答えられない。僕には佐和さんとナーテアさんがいる。あなたには悪いけど・・・僕は2人が好きなんだ。」

レア「うぅ、うぅぅ・・・そんな・・・」

比影「もうそろそろだな・・・っぐっ!!?」

突然の痛みに、僕はその場にうずくまった。無茶したせいだろう、放った方の腕が火傷したように赤く腫れていた。しばらくは使いにならなそうだな、こりゃ・・・。

まぁ、背に腹はかけられないからな。腕がふきとばなかっただけ、マシだと思おう。

佐和「比影くん!?大丈夫!?無茶しすぎよ!」

オネ「師の力を持たないあなたが、あれほどの力を使ったんです。反は半端ないでしょう。・・・そもそもなぜ使えたのかも不明ですが。」

比影「はは・・・それはまたあとで話すよ。説明すると結構長くなるからさ。」

佐和「もう・・・心配させないでよ。」

比影「ごめんごめん、もうしないさ。多分、もう出來ないと思うし。それに・・・する必要もなくなるんじゃないかな?そうだろ、イザレア。」

レア「・・・せやな。統括者であるあたしが力を持たなくなれば、紅き街は自然消滅するやろな。もともと朽ち果てる寸前やったし・・・」

比影「それは、この世界が統括者の魔力を糧にしてるから、だな?」

レア「あぁ、その通りや。・・・はぁ、まさか負けるとは思わなかったな。絶対自分らに勝ち目は無いと思ってたのに。」

比影「なかったさ、実際。力の差は歴然だった。勝てたのは・・・偶然と奇跡かな。」

レア「なんや、そんな非科學的なものに負けたんか、あたしは。」

比影「存在自が非科學的なやつに言われたくないかな。」

レア「はは・・・と、もうそろそろか。」

イザレアはほとんど原型が無くなっていた。既にのほとんどがの粒子として空に舞っていた。

レア「次會うときは、絶対君を振り向かせてやるからな、比影。」

比影「もう會うことは無いだろ。・・・でもまぁ、元気でな。もう悪さするなよな。」

レア「・・・最後の最後で優しくすんなや。後悔殘っちまうやないか。・・・じゃあな、皆。」

その言葉を最後に、イザレアという存在はこの世界から消えた。ラスボスとは思えないほど、安らかな最後だった。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください