《【書籍化】追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。》小さな家のある夜の話(WEBオンリーオマケSS)

ξ˚⊿˚)ξヴィルヘルミーナ書籍化記念、WEB限定SSですわ!

つまり後書きの書籍化宣伝告知が本ともいう。

「……そう言ってマリンは男を挑発するように髪をか……掻き上げた。溶けたキャラメルのような甘い臭が男のび……鼻腔かな。鼻腔を刺激する。そして左腕でたわわにれた果実を持ち上げ……果実? ああ、おっぱいね。……右手は臍のあたりから下腹を優しく円を描くようにで、だんだんと下へ。マリンの指が彼された大切な場所へ……」

「センニ……まだ寢てないの?」

「ひゃ、ひゃい!」

あたしは思わず悲鳴をあげ、寢転がっていた布団の中で飛び跳ねるようにを震わせました。ヴィルヘルミーナ様が二階からそっと足音を忍ばせて階段を降りてきていた様子です。

「おお、奧様!」

「ええ」

「だ、旦那様は……」

「もうお休みになっているわ。わたくしはふと目が覚めたらちょっと階下から怪しい聲が聞こえてきたので気になっただけで」

ふふ、とヴィルヘルミーナ様のしい笑みが、そして夜著にのみ包まれた軀がを絞られた洋燈に照らされて妖艶に浮かび上がります。

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「悩ましい聲、の方が良いかしら?」

「うう……」

あたしは文盲ではなく、ちゃんと文字の読み書きを習ってはいるのですが、見習いのお仕事では基本的に読み書きする機會なんてないですから。

どうしても黙読ができない。聲に出す音読でないと文字が読めないのです。

そんな話をしていると、ヴィルヘルミーナ様があたしの布団の上にのしかかるようにを橫たえ、あたしの手の中の本をとります。

「やっぱり『ドキドキ★マリンちゃんのムチぷり❤️パラダイス』ね。アレクシ様のご本を勝手に読むとはいけない中だわ」

「うっ、すいません……」

「でもわたくしも気になるから読んじゃうのよね!」

そう言って笑われます。ヴィルヘルミーナ様はあたしの橫で妙に機嫌良さそうにパラパラと本を捲りながら、挿絵などを見て「まあ!」と嘆の聲をあげられます。

あたしは扇的な、マリンちゃんの姿が描かれた表紙を指差す。

「でもこういうのって、奧様としてご不快ではないのですか?」

ヴィルヘルミーナ様は表紙を見て首を竦められます。

「確かにわたくしという妻がいる狀態で、こういったものを買い集められているというのであれば、それはあまり気分が良くはないかもしれませんね」

そして悩ましげな溜め息を一つ。

「でも、これをアレクシ様が買われたのは、わたくしと出會うより前のことですもの。そんなものに不快をじるほど狹量ではありませんことよ」

確かにそれはそうかと頷きます。

そしてヴィルヘルミーナ様はにやりと貓のような笑みを浮かべられました。

「まあ、これはこれでいつか來たるべき時のために、アレクシ様の好みを知っておくことは大事なのではないかと思うのよね」

「なるほど」

「アレクシ様の大切な本ですもの」

なるほど。この手のものに限らず、本とは決して安いものではありません。それはもちろん羊皮紙の時代ほど高いわけではありませんが、それでもきちんと製本された挿絵りの本です。

あたしみたいな雑役中の給與では當然手の屆くようなものではありませんし、そもそもこんな本を買うくらいなら何度か娼館に通うのが普通の男というものでしょう。

つまりこの本の存在は旦那様の収が平民としてはかなり高いということと、旦那様がムッツリであるということを示していると言えましょう。

「そうですね!」

あたしも笑ってそう返します。

ヴィルヘルミーナ様はあたしの頭を二、三度軽く叩いておやすみを告げられると寢床を後にされました。

の足音が遠ざかったところで、あたしは本を棚の裏に戻し、洋燈の芯に蓋を被せます。部屋は闇に包まれました。

こうして、このお家や後の邸宅の蔵書には『どきどき☆マリンちゃんのムチぷり❤️パラダイス2〜キケンな制服編』や、『どきどき☆マリンちゃんのムチぷり❤️パラダイス3〜湯けむり旅編』が置かれることとなりました。

それを見つけた旦那様が、「増えてるっ……⁉︎」と悲鳴を上げられたのはまた別の日の話なのです。

というわけで、本作がアーススタールナ・レーベルより6/1に書籍化しますわ!

ξ˚⊿˚)ξてってれー。

なんなら早い店だともう置いているかもしれませんね。

上下巻同時発売で、イラストはこの下を見ていただければ、結川カズノさんのすばらなイラストが見られるはずです!

イラストクリックするとルナの特設ページに移しますので、そちらだと書籍版の試し読みや、すばらな口絵も見ることが可能です!

上巻口絵がオリヴェルとミーナの初対面のシーン。

オリヴェルがイケメンでヤバい。

下巻口絵はミーナ様ごっこですね。

このメイドどもいい空気吸ってやがるなと思っていただければ。あ、ミーナはせっかくの口絵なのに赤面して顔隠しているのが笑いどころです。

ξ˚⊿˚)ξ買って!(圧

ξ˚⊿˚)ξたくさん買って!(圧圧

ちなみにわたくし今回の出版にあたり、紙にサインなどしているので。

どこかの書店でサインプレゼント企畫などやっているはずよ!

アーススタールナが一周年なんですよね。なのでそういった催しをしているらしいっすよ。

ξ˚⊿˚)ξんではよろしくですー。

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