《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》452 食(♂)

「でもな、新宮。冗談じゃないが……シンデレラってのはさ。午前零時で魔法がとけちまう、お姫様だよな?」

「はぁ……」

「結局のところ、お前が作り上げた幻想だろ? 古賀 アンナっていうは」

「そ、それは……」

言葉につまる俺に対し、宗像先生はそっと肩にれる。

「私は心配なんだ。急に痩せちまう新宮と、自分をだと言い張る古賀がな」

先生の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。

「宗像先生……」

「お前がかけた魔法だろ? なら王子様の新宮が、古賀を解き放ってやれ」

「解き放つって……どうやってするんですか?」

「そんなものは簡単だ! スカートをめくって男だということを、クラスのみんなに教えてやれ。そして、そのままお前が襲えばいいだろ♪」

「……」

できるわけないだろ、そんなこと。

聞いた俺が、バカだった。

とりあえず宗像先生から事を聞いて、ホッとしたいうか。

ミハイルの考えを、理解できた気がする。

要は、であるアンナだけを見てしいってことだろう。

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事務所を出て、廊下を歩いていると。

二年生の教室が何やら騒がしい。

窓から中を覗くと、たくさんの男子生徒がアンナを囲んでいる。

みんな別人だと思い込んでいるようだ。

「アンナちゃん。この前はマジでサンキューな! おかげでほのかちゃんとイブを過ごせたよ。でも一ツ橋高校へ來るなんて、奇遇だね」

と話しかけるのは、スキンヘッドの千鳥 力だ。

なじみだと気がついてない。

「ううん☆ ほのかちゃんと仲良くなれて、アンナも嬉しいよ。取材の効果が出たみたいだね☆」

「おお! 取材もバリバリやってるぜ! この前なんか、ネコ好きおじさんと出會いのバーに行ってきてさ……」

ちょっと、リキ先輩たら。どんどん界隈の深いところまで、取材しているじゃない。

とりあえず放っておこう。

教室の扉を開こうとした瞬間。

ガラっと中から、開けられてしまう。

目の前に立つのは、ギャルのここあ。

腕を組んで、俺を睨んでいる。

「あんさぁ……ちょっと、廊下で話そうよ」

「お、おう」

きっとアンナのことだろう。

とりあえず、教室にるのは諦めて、彼の話を聞くことに。

「ねぇ、どうして。ミーシャじゃなくて、裝したアンナが學校へ來たの?」

「いや……この前も話したが、俺が抱きしめたり……々とあって。裝した姿を見てほしいみたいだ。ミハイルは」

「は? 言っている意味が分かんないんだけど?」

「まあ、そうだろな……」

俺は宗像先生が話してくれた容を、ここあにも説明した。

すると、ここあは難しい顔で考えこむ。

「え? マジで頭が混するんだけど……役だから、カワイイ自分を見てってこと?」

「そんなところだ」

「ふぅ~ん。でもさ、それって元はと言えば、オタッキーのせいじゃん!」

と俺のに人差し指を突き刺す。

「うっ……」

何も言い返せない。

「オタッキーさ。わがままだよ! ミーシャもしがって、役までしいなんて! ミーシャがかわいそう!」

気がつくと、ここあの瞳は涙でいっぱいだった。

一日に二人もを泣かすなんて……最低だ。

「わ、悪い……」

とここあをなだめようとした瞬間。

廊下の奧から、誰かがこちらへ近づいてきた。

「え? ケンカ?」

眼鏡子の北神 ほのかだ。

えらく怯えた顔をしている。

「あ、ほのか。違うぞ! こ、これは……」

上手く言い訳できない俺を見かねて、ここあが代弁してくれた。

「違うんよ。ほのかちゃん……オタッキーにミーシャの相談をしてたの。急に引っ越したていうじゃん? だから寂しくてさ」

アホなここあにしては、ナイスなフォローだ。

これで裝の話やアンナの正を隠せる。

「ミーシャって……ミハイルくんのことでしょ? 引っ越してなんか、してないでしょ」

これには、俺とここあも驚きを隠せない。

「「え?」」

「今も教室の中で、リキくんと仲良く話しているじゃん。なんかアンナとかいう、謎の設定で先生に紹介された時は、ビックリしたけど……」

まさか……バレているの?

「な、なにを言っているんだ、ほのか。あの子はミハイルのいとこだぞ。紛れもないの子だ」

ここあも俺の話に合わせる。

「そうそう! 雙子ってぐらい似ているけど、全然違うって!」

俺たちの話を聞いて、ほのかは真顔で答える。

「いや、どう考えてもミハイルくんでしょ? 裝しているけど……」

「「……」」

よりにもよって、腐子のほのかにバレてしまった。

擔當編集の白金にこれ以上、関係者を増やすなと言われていたのに……。

もうバレてしまったことは、仕方ないので。

ほのかにも、ミハイルが裝をする理由を簡単に説明した。

そのうえで協力してほしいと、ここあと頭を下げる。

「そっかぁ。なるほどねぇ……そんな趣味があったんだぁ~ うーん、琢人くんってけだと思ってたのに、バリバリ攻めだったとは」

そう言うと、眼鏡を怪しくらせる。

「あ、あの……ほのか? なんか勘違いしていないか?」

「私のことなら大丈夫よっ! ミハイルくんの裝も黙っておくわ。二人で好きにヤッちゃっていいわ! 校でも無理やりするんでしょ!?」

「……」

やっぱり言わなければ、良かった。

子のネタにされちゃう。

「いやぁ~ 琢人くんが弱みを握って、裝させる鬼畜プレイが好きとか……盲點だったわ! 忘れないうちにペンタブで漫畫にしよっと♪」

もう勝手にしてくれ……。

とりあえず、三人の中で話はついたので。

教室へ戻ることに。

相変わらず、たくさんの男子生徒がアンナを囲んでいた。

裝した途端、ミハイルを見る目が違う。

なんというか……いやらしい目つきにじる。

俺は強い憤りをじていた。

「あ、タッくん~☆ 戻ってきたんだ☆」

アンナの聲がなかったら、こいつらをぶっ飛ばしているところだ。

「ああ……待たせたな」

自分の席に座り、次の授業。數學の準備をしようとした瞬間。

思い出す。なにも教科書を持って來ていないことに。

「タッくん、どうしたの?」

「その……今日の教科書を、全部忘れて……」

「なら、アンナと一緒に読もうよ☆」

そう言うと彼は、機をピッタリとくっつけて、教科書を広げる。

「これで一日、一緒にいられるね☆」

「あ、ああ……」

無意識にやっていると思うが、肘と肘がくっつく距離

間接的とはいえ、久しぶりにアンナのれられて、嬉しかった。

その証拠に……最近、無反応だった間が、ギンギンに盛り上がってしまう。

これで一日を過ごすのか……本當に持つかな?

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