《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》

の子として、初めての授業をけることになったアンナ。

なぜか単位が認められて……2年生という扱い。

全部、宗像先生が仕組んだものだ。

「どうせ、中は一緒なんだから、単位も一緒でいい」

すごく適當なやり方。

じゃあ、十年以上も通っている妻子持ちでアラフォーの夜臼先輩にも、単位をあげてしいものだ。

そんなことを考えていると、一時限目の教師がってきた。

「は~い。じゃあ數學Ⅰを始めますよぉ~」

若い男教師で、前年度にけていた教科と同じ人だ。

ちなみに、今年度から『數學Ⅰ』になる。

園レベルの高校なので、去年けていた教科は『數學Ⅰ門編』だ。

Ⅰの前があることに、驚きはしたが……。

「なんかドキドキしてきたよ。アンナ、お勉強が苦手だし……」

と弱音を吐くアンナ。

は、あのミハイルだからな。苦労するだろう。

「まあ、そんなに構えなくて良いと思うぞ? この高校はレベルが低いし」

「それはタッくんが頭良いからでしょ。アンナには無理だよ」

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あの……褒められているのに、全然嬉しくないんですけど。

教師がマジックを使って、ホワイトボードに數式を書いてみせる。

そして「この問題をノートに書いて。解けたら僕のところまで持って來て」と生徒たちに指示する。

自力で問題を解き、教師のところまで持って行く……という行為は、一ツ橋高校の生徒からすると、ハードルが高いらしい。

みんな困していた。

アンナも同様だ。

「え、えぇ……どうしよう? あんな問題、解けないよぉ~」

「別に間違えても良いから、提出すればいい。怒られることはないさ」

「でもぉ~」

と頬を膨らませるアンナ。

カワイイ……俺が教えてあげたい。

~20分後~

數學Ⅰと言っても、昨年習った門編の延長だ。

小學生レベルが、中學生へ進級したようなもの。

天才の俺はサクッと問題を解いて、教師に提出。

全問正解したので、あとはのんびりと授業が終わるのを待つ。

俺以外に問題を解けたのは、おかっぱ頭の雙子。日田兄弟。

それと床で、勉強するトマトさんぐらいだ。

あとの生徒たちは、みんなノートと睨めっこ。

唸り聲をあげてフリーズしている。

「ダメだよ……わかんない」

アンナのノートを覗いたが、まだ一問も解けていない。

俺が教えるわけにもいかないし、ここは黙って見守ろう。

そう考えていると……。

何やら辺りから、子の笑い聲が聞こえてくる。

「あ、そっか~♪ 簡単だぁ!」

「でしょ? 次の問題もね、こうして……」

教師が生徒にヒントでも教えている。と思ったのだが。

鼻の下をばして、嬉しそうに子生徒の肩にれる。

「ここはこう」

「すご~い、先生!」

忘れていた。

この教師、昨年の期末試験で子にだけ、堂々と解答を教えていたゲス野郎だ。

男子は放っておいて、子限定で答えを教えまくる。

當然、アンナの番になると……。

「あ、きみ。全然解けてないじゃ~ん。ハーフで可いのにねぇ~」

いやらしい目つきで、アンナを上から下まで眺める。

舌なめずりをしながら。

「す、すみません……私、數學とか英語は苦手で」

別に意識していないと思うが。アンナは座っているため、自ずと上目遣いになる。

あのしいエメラルドグリーンの瞳で。

これには、教師も興してしまう。

「ふふ……そんなに気にしなくてもいいよ。僕は君みたいな子に教えるのが楽しいから、教師をやっているんだ♪」

何を思ったのか、アンナの頭をで回す。

「ぐっ!」

怒りのあまり、シャーペンの芯を折ってしまった。

このまま立ち上がって、ゲス野郎を毆ろうかと思ったが。

後ろの席にいた、ここあにづかれ、肩を摑まれる。

(オタッキー。気持ちはわかるけど、ダメだよ。正がバレちゃう)

(りょ、了解……)

「アンナちゃんって言うんだぁ。きみ2年生なの? こんな可い子なら、覚えているけどなぁ♪」

左手で彼の頭をで回し、右手で一緒にペンを持つ。

完全に、著狀態。

あ~、ぶっ殺してやりてぇ!

しかし、アンナの単位がかかっている。ここは堪えよう……。

結局、その後も數學の教師は、終始アンナにべったりで。

他の子生徒でさえ、放置。

完全にえこひいきした狀態で、授業は終わってしまった。

アンナ自は、答えを教えてくれたことに謝していたが。

俺は今からでもあのゲス野郎を、窓から突き落としてやりたかった。

それから午前中の授業を、々とけたが。

やはり、アンナだけ異常に優しく。特別な待遇をけていた。

特に男の教師からは……。

ミハイルが裝しただけなのに、こんなにも態度が変わるもんかね?

なんか、とても複雑な気分だった……。

俺のカノジョ役が可いのは知っているし、たくさんの生徒や教師から、優しくされるのも嫌ではない。

でも……それだけの人たちから、視線を集めるということは。常に俺が気を張っていないとダメだ。

男のミハイルだったら、こんなことはなかったのに。

そうか。アイツなら、俺だけを見ていてくれて。

他の人間が、寄ってくることもなかったのか……。

晝休みにり、アンナへ「お晝を一緒に食べないか?」とったが。

「ちょ、ちょっと……お手洗いに」

と3階へ行ってしまった。

そうか。宗像先生がアンナ用に、3階の職員用トイレを貸してくれたんだ。

なるほどね。というか、裝している時は、個室なのだろうか?

座ってするのかな……。

いかん、想像したら興してきた。

20分経っても、教室に戻ってこない。

これはさすがにおかしいだろうと、俺は心配になって、3階へと上がる。

職員用トイレの前で、數人の男子生徒が誰かを囲んでいた。

制服を著ているから全日制コース、三ツ橋高校の生徒だろう。

「ねぇ~ いいじゃ~ん。L●NEぐらい教えてよ~」

「そんなフリフリの服って、どこで売ってんの?」

「ハァハァ……きみさ。モデルのMALIAに似てない? だとしとら、許せないんだぶ~! よくも男とラブホテルへ行ったな! 貢いだ金を返せだぶ~!」

最後の奴、んな意味でヤバいよ。

しかもマリアに貢いだって……レディースファッションを購したのか?

「イヤッ!? 離して! アンナはタッくんとしか、L●NEしないの!」

よく見れば、捕まっているのは伝説のヤンキーこと、金のミハイルじゃないか。

本當に裝したら、みんなからの子として見られるんだね……。

設定が悪いんだよな……。

俺のために、非力な子を演じているため、自慢の馬鹿力で対応できない。

重が激減した俺ひとりで、あの3人相手に勝てるかな……。

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