《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》
の子として、初めての授業をけることになったアンナ。
なぜか単位が認められて……2年生という扱い。
全部、宗像先生が仕組んだものだ。
「どうせ、中は一緒なんだから、単位も一緒でいい」
すごく適當なやり方。
じゃあ、十年以上も通っている妻子持ちでアラフォーの夜臼先輩にも、単位をあげてしいものだ。
そんなことを考えていると、一時限目の教師がってきた。
「は~い。じゃあ數學Ⅰを始めますよぉ~」
若い男教師で、前年度にけていた教科と同じ人だ。
ちなみに、今年度から『數學Ⅰ』になる。
園レベルの高校なので、去年けていた教科は『數學Ⅰ門編』だ。
Ⅰの前があることに、驚きはしたが……。
「なんかドキドキしてきたよ。アンナ、お勉強が苦手だし……」
と弱音を吐くアンナ。
中は、あのミハイルだからな。苦労するだろう。
「まあ、そんなに構えなくて良いと思うぞ? この高校はレベルが低いし」
「それはタッくんが頭良いからでしょ。アンナには無理だよ」
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あの……褒められているのに、全然嬉しくないんですけど。
※
男教師がマジックを使って、ホワイトボードに數式を書いてみせる。
そして「この問題をノートに書いて。解けたら僕のところまで持って來て」と生徒たちに指示する。
自力で問題を解き、教師のところまで持って行く……という行為は、一ツ橋高校の生徒からすると、ハードルが高いらしい。
みんな困していた。
アンナも同様だ。
「え、えぇ……どうしよう? あんな問題、解けないよぉ~」
「別に間違えても良いから、提出すればいい。怒られることはないさ」
「でもぉ~」
と頬を膨らませるアンナ。
カワイイ……俺が教えてあげたい。
~20分後~
數學Ⅰと言っても、昨年習った門編の延長だ。
小學生レベルが、中學生へ進級したようなもの。
天才の俺はサクッと問題を解いて、教師に提出。
全問正解したので、あとはのんびりと授業が終わるのを待つ。
俺以外に問題を解けたのは、おかっぱ頭の雙子。日田兄弟。
それと床で、勉強するトマトさんぐらいだ。
あとの生徒たちは、みんなノートと睨めっこ。
唸り聲をあげてフリーズしている。
「ダメだよ……わかんない」
アンナのノートを覗いたが、まだ一問も解けていない。
俺が教えるわけにもいかないし、ここは黙って見守ろう。
そう考えていると……。
何やら辺りから、子の笑い聲が聞こえてくる。
「あ、そっか~♪ 簡単だぁ!」
「でしょ? 次の問題もね、こうして……」
教師が生徒にヒントでも教えている。と思ったのだが。
鼻の下をばして、嬉しそうに子生徒の肩にれる。
「ここはこう」
「すご~い、先生!」
忘れていた。
この教師、昨年の期末試験で子にだけ、堂々と解答を教えていたゲス野郎だ。
男子は放っておいて、子限定で答えを教えまくる。
當然、アンナの番になると……。
「あ、きみ。全然解けてないじゃ~ん。ハーフで可いのにねぇ~」
いやらしい目つきで、アンナを上から下まで眺める。
舌なめずりをしながら。
「す、すみません……私、數學とか英語は苦手で」
別に意識していないと思うが。アンナは座っているため、自ずと上目遣いになる。
あのしいエメラルドグリーンの瞳で。
これには、教師も興してしまう。
「ふふ……そんなに気にしなくてもいいよ。僕は君みたいな子に教えるのが楽しいから、教師をやっているんだ♪」
何を思ったのか、アンナの頭をで回す。
「ぐっ!」
怒りのあまり、シャーペンの芯を折ってしまった。
このまま立ち上がって、ゲス野郎を毆ろうかと思ったが。
後ろの席にいた、ここあにづかれ、肩を摑まれる。
(オタッキー。気持ちはわかるけど、ダメだよ。正がバレちゃう)
(りょ、了解……)
「アンナちゃんって言うんだぁ。きみ2年生なの? こんな可い子なら、覚えているけどなぁ♪」
左手で彼の頭をで回し、右手で一緒にペンを持つ。
完全に、著狀態。
あ~、ぶっ殺してやりてぇ!
しかし、アンナの単位がかかっている。ここは堪えよう……。
※
結局、その後も數學の教師は、終始アンナにべったりで。
他の子生徒でさえ、放置。
完全にえこひいきした狀態で、授業は終わってしまった。
アンナ自は、答えを教えてくれたことに謝していたが。
俺は今からでもあのゲス野郎を、窓から突き落としてやりたかった。
それから午前中の授業を、々とけたが。
やはり、アンナだけ異常に優しく。特別な待遇をけていた。
特に男の教師からは……。
ミハイルが裝しただけなのに、こんなにも態度が変わるもんかね?
なんか、とても複雑な気分だった……。
俺のカノジョ役が可いのは知っているし、たくさんの生徒や教師から、優しくされるのも嫌ではない。
でも……それだけの人たちから、視線を集めるということは。常に俺が気を張っていないとダメだ。
男のミハイルだったら、こんなことはなかったのに。
そうか。アイツなら、俺だけを見ていてくれて。
他の人間が、寄ってくることもなかったのか……。
晝休みにり、アンナへ「お晝を一緒に食べないか?」とったが。
「ちょ、ちょっと……お手洗いに」
と3階へ行ってしまった。
そうか。宗像先生がアンナ用に、3階の職員用トイレを貸してくれたんだ。
なるほどね。というか、裝している時は、個室なのだろうか?
座ってするのかな……。
いかん、想像したら興してきた。
※
20分経っても、教室に戻ってこない。
これはさすがにおかしいだろうと、俺は心配になって、3階へと上がる。
職員用トイレの前で、數人の男子生徒が誰かを囲んでいた。
制服を著ているから全日制コース、三ツ橋高校の生徒だろう。
「ねぇ~ いいじゃ~ん。L●NEぐらい教えてよ~」
「そんなフリフリの服って、どこで売ってんの?」
「ハァハァ……きみさ。モデルのMALIAに似てない? だとしとら、許せないんだぶ~! よくも男とラブホテルへ行ったな! 貢いだ金を返せだぶ~!」
最後の奴、んな意味でヤバいよ。
しかもマリアに貢いだって……レディースファッションを購したのか?
「イヤッ!? 離して! アンナはタッくんとしか、L●NEしないの!」
よく見れば、捕まっているのは伝説のヤンキーこと、金のミハイルじゃないか。
本當に裝したら、みんなからの子として見られるんだね……。
設定が悪いんだよな……。
俺のために、非力な子を演じているため、自慢の馬鹿力で対応できない。
重が激減した俺ひとりで、あの3人相手に勝てるかな……。
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