裝した途端、可いの子としてチヤホヤされるアンナ。いや、ミハイル。

今も目の前で全日制コースの男子高校生から、ナンパされている……。

困ったものだ。

しかし、どう出るか？

きっと部活の練習に來ているような、活発な男子たちだ。

やせ細った俺では、３人も相手に出來るだろうか……。

助けるのを、躊躇していると。

「イヤッ！　やめて！」

と悲鳴が上がる。

これには俺も咄嗟にが反応し、間にり込む。

「お前らっ！　いい加減にしろ！　この子は俺の大事な連れだ！」

格好つけて、彼の前に現れたのはいいが……。

やはり３人相手は、無理がありそうだ。

改めて見ると、アンナを囲んでいる男子生徒は全員が高長。

１８０センチ以上はある。

上から睨みつけられて、恐怖からこまってしまう。

「は？　誰、お前……ちょっとこの子に聞きたいことがあるんだけど？」

「そうだよ。質問ぐらい良いだろが！？」

「本當にラブホテルへ行ったのか、知りたいんだぶ～！」

と、とりあえず、最後の方にだけ答えます。

真実は、両方のヒロインと行きました。

でも、一線は越えてないので、セーフです。

なんて、考えていると。

アンナが俺の背中に隠れる。

「タッくん……この人たちが、アンナのをろうとしたの」

それを聞いた俺は、先ほどまでの恐怖なぞ吹き飛ぶ。

「貴様らっ！　やって良い事と悪い事があるだろ！？　同意なく、の子のにれるのは犯罪だっ！」

俺だってあんまりれてないのに……。

「は？　ろうとしたんじゃなくて、見たかったんだよ。そのワンピースのブランド」

「え、ブランド？」

「おお……妹が最近、失してよ。そういう可いブランドでも著たら、今度は功するのかと思ってよ」

と頭をかいてみせるお兄ちゃん。

なんだ……ただのシスコンか。

※

妹想いのお兄さんに話を聞くと。

ずっと片想いをしていた妹さんが、中學を卒業するまで勇気を持てず。

告白できないまま、相手が海外へ旅立ってしまったらしい。

でも、１年間の留學を終えたら、戻って來るようだ……。

そこで、アンナの可らしいファッションを目にしたお兄さんは、ブランド名が知りたくなったそうだ。

帰國した際に、妹がその服を著たら、勇気が出るかもと。

恥ずかしくて、ちゃんとアンナへ伝えられなかったそうだ。

それを知ったアンナは、安心する。

スマホでブランドを検索して、お兄さんに々と教えていた。

なんだったんだ……この茶番は？

ただ俺が現れてから、お兄さんの視線は、ずっとこちらへ向けられていた。

まさか、シスコンでゲイなのか？

アンナから々と教わって、恥ずかしそうに頭を下げるお兄さん。

去り際に「二人だけで話そう」と腕を摑まれ、し離れた場所へ向かう。

口説かれるのかな、と構えていたら……。

「あのさ、お前って。今わずらいしていないか？」

「なっ！？」

「やっぱり……そうなんだな。一目で分かったよ。うちの妹と同じだからな」

「え……？」

お兄さんから事を聞くと、妹さんは大好きな彼がいなくなってから。

一切の食事をけつけず……１０キロ近く痩せたそうだ。

正に、今の俺じゃん。

「悪いことは言わない。相手がいるうちに、想いは伝えた方がいいぜ？　妹はなんでか、“白うさぎ”しか食えなくなってよ……見てられねぇよ」

「……」

なんか、俺が乙みたいじゃん。

相手なら、目の前にいるんだけどなぁ……。

※

そのあと、無事に解放された俺たちは、教室に戻り。

アンナが作ってくれた弁當を仲良く食べた……というか、食べさせてもらった。

俺がまだフラつくからと心配した彼が、わざわざお箸でおかずを「あ～ん」してくれる神対応。

正直、浮いていた。

急にアンナというが、俺のカノジョ役として現れたこと。

そして、俺にベタ惚れだということも。

他の男子生徒たちはイチャつく俺たちを見て、舌打ちをしたり、睨みつけたり……。

居心地が悪いったら、ありゃしない。

晝休みにって、２０分ぐらい経ったあと。

アンナが教室の掛け時計を見て、慌て始める。

「っけない！　次の授業、育だった！」

「へ？」

「ごめん、タッくん。アンナ、ちょっと先に著替えないと。お弁當、全部食べて來てね！」

「おお……」

そうか。宗像先生が更室の時間をずらすと言っていたな。

まったく、不憫だな。

男のミハイルなら、一緒に著替えられたのに……。

アンナに言われた通り、しっかりと妻弁當を殘さず食べ終えた。

急にたくさんのおかずと白米を、胃袋に放り込んだから。

ちょっと、お腹はビックリしていたが……。

しかし、じるぞ。

みなぎるの力を……。

チャイムが鳴る前に、俺も校舎を出て、武道館へと向かう。

なんか心配だった。裝した彼は、モテるからな。

それに俺自、早く彼の元へ行きたかった。

武道館へると、地下へ降りる。

更室は左右に分かれて、２つある。

一年前のスクリーングで、全日制コースの子。

赤坂　ひなたが著替えているところを目撃したのが、懐かしい。

今回は、間違いなど起こすまいと、アンナが更室から出て來るのを待つ。

アンナと仲良く育かぁ……。

んな意味で、著できる楽しい授業になりそう。

～１０分後～

子更室の扉が、開く音がした。

俺が想像していた裝いとは、正反対のが現れる。

長い金の髪は、三つ編みのツインテールで子力高め。

トップスは、ピンクのポロシャツで。ボトムスはプリーツのったミニスカート。

シューズも可らしいピンク。

「あ、タッくん。來てたんだ☆」

「おう……ちょっと心配でな。また絡まれてないかって」

「心配してくれたの？　嬉しい☆」

可い……。

ていうか、これで運するのかって服裝だ。

完全に見せる前提で、用意してきたな。

「なあ、アンナ？」

「ん？　なあに、タッくん」

「その……そんな丈の短いスカートで大丈夫か？　今日の授業は何か知らんが、運するんだぞ」

俺がそう言うと、彼はクスクスと笑い始める。

「タッくんたら、心配なんだから☆　大丈夫、中には“ペチコート”を履いているよ」

「ぺち……なんだって？」

聞いたことのない言葉に、首を傾げていると……。

何を思ったのか、アンナがスカートの裾を詰まんで見せた。

「お、おい……」

「大丈夫だって☆」

彼の言う通り、スカートをたくし上げても、パンティーがわになることは無かった。

フリルがふんだんに使われた、薄い生地のズボンを履いている。

いわゆる、見せパンってやつかな？

「ね？　これなら大丈夫でしょ☆」

「ううむ……」

合法的にスカートの中を見られて、嬉しいし可いんだけど。

ブルマを堂々と履いていたミハイルがしいと、思ってしまうのは何故だろう。