《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

”無駄じゃなかった”

その言葉を口にするサヤの言葉には、強い悔しさが込められていたのがわかった。

だからこそハルナは、そのサヤの気持ちを無駄に終わらせないためにも伝えられた指示を実行しようと強く意識した。

『……何を考えているのか知らないけれど、何か起きてもこちらも対応できるのよ?』

そう言って盾の創造者は、再び先ほどと同じような攻撃を仕掛けてくる。

ハルナは、サヤに言われた通りのことを行に起こした。

ハルナの背中には再びの球が二つ浮かび上がり、二の小さな存在がハルナたちに近付き発のきをみせたその二の線が貫いていく。

すると、二つの存在は砂が崩れ落ちるように元素へと還っていった。サヤは、小さな存在の満足そうな表を見て、自分が立てた仮説の結果に満足していた。

『……!?』

この現象に対し、盾の創造者は自が持つ知識の中から、その対応策を見つけ出そうとしていた。だが、これまでの歴史の中で、ここまで自分たちが創り上げた”理”の枠組みで想定していたものをはみ出した行を取るものを見たことが無かった。

、エラーが生じたとしても、自分たちが直接手を下すことが無くても、その”処理”は容易に行うことができた。

しかし、いま目の前にいる二人は、今までにない事象を次々と起こしてくる。

初めのうちは、何も考えずに自分が持つ能力だけで対応が可能だったが、今はもう優位がほとんどなくなってきている。

それは同じ地位の存在であった剣の創造者の能力が二人に分け與えられたころから、急速にこの世界を創造してきた者という優位が奪われていった。新しい出來事が続いて楽しくもあったが、今では自分の思い通りにいかないことばかりで、不快の方が勝っていた。

サヤには、盾の創造者には何が起きているのかが理解できていない様子が見てとれた。ここまで自分が考えていた作戦がうまくいっていないことと、盾の創造者が新しい出來事に対応できていないこと。その二つの結果にサヤは満足し、ハルナに次の指示を出した。

「ハルナ!次!!」

「……!?うん、わかった!!」

そうしてハルナは、再びの源を創り出した。そこから放たれた線は霊の核を打ち抜き、小さな存在を苦痛を與えることなく再び元素へと還していく。

同時に処理できる線は二つまでで、サヤはそのことにしだけ不満をじ始めた。

「もうし、數を増やせないの?これだとまだまだ時間がかかるんだけど……」

「でも、これ。制が難しいのよ……打ち出す対象も狙いを付けないとダメだし、そうするとこの數が処理の限界なのよ、悪いけど」

その言葉にサヤは、仕方がないと呟きながら盾の創造者の狀況を見つめる。

「――!?」

先ほどまでは、ハルナの線によって攻撃の要である小さな人型の存在達を守るべきところを、ただその様子を見守っていただけだった。そこには対策を検討する意味と、自分自が先ほどの攻撃で、線からダメージをけることが判っていたからだとサヤは判斷していた。

だが、いま盾の創造者の背後にはサヤと同じような魔素の塊が浮かび上がっていた。

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