《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》確認、そしてなんとなく

…………帰ってくれたか。

『天眼』と『魔眼』で文字が遠ざかって行くのを確認する。

距離が開いた所で『ウォーミル』と『水流作』で生み出した氷の蛇と氷柱を解除する。

なんとなくでやってみたが案外出來るもんだな。

ただ水儒核がなかったので地面に広がっているを利用したから、大きさや見た目とかがぐちゃぐちゃだ。

あと最後の方は焦った。

氷の蛇はバッキバキに壊される。は土で拘束される。そして危うく殺されかける。

とっさにからを抜いて、前方百八十度に氷柱をばしたからなんとかなったけど。

それでも諦めてくれなかったらもう打つ手はほとんどなかった。

そういえばなんで引いたんだ? 相手の方が有利にけていたはずだけど。

すると『天眼』の端に人影が映る。

あれは……來る時に通った門の警備員たちか。

まあ、あれだけ騒ぎを起こせば來るか。ただそのおであいつらは逃げてくれた訳だ。

なら今のうちに回復を──って、そうだった。治癒核は今、家だ。

治療を優先にしたからまだ回収していなかった。

あー、じゃあゲートで取り寄せるか。

首をかすのも無理なので舌でゲートリングを探す。

……あれ? ないな。確かに口の中にれたはずだけど。

あ、もしかして舌も最初の一撃で痺れてて覚がないとか? でもそれって狀態異常にはならないのか?

考えるのは後にしよう。とりあえず『天眼』と『魔眼』で口の中を確認すればそれで良い。

「うぅあぁ」

その様子に思わず聲が出る。音はちゃんと出なかったが。

舌や口が裂けてが溜まっている。

それに吐しゃの殘りと白い塊……げっ、これ歯か!

その破片が見える。そんな中にゲートリングの姿は見えない。

もしかして能力で歯みたいに壊れたか? それとも意図せず呑み込んだか?

だとしたら詰んでるな。この怪我どうするか……

『天眼』の範囲を戻し、警備員たちの場所を再度確認する。

まだ距離はあるけど十分もすれば著きそうだな。

手當してくれるかも不明だし、何よりこの出だと十分も待っていられるか怪しい。

マジでどうするか……

「っ!」

ついに聲が出なくなる。「あ!」という音さえ途中で詰まって出ない。

思い出した。まだ一つだけ殘ってた。

腕はかせないから地面に広がるを『水流作』でる。

腰に著けていた寶庫にそのばす。

服や寶庫なんかは襲撃者の最初の能力で破損していない。あったのは人や馬車、それと地面くらいか。

あー、そういえば観ていたじ全員が能力持ちだったな。

土がいたり、剣が赤、いや赫くなったり、槍が急に形を変えたり。

それに氷の蛇をバッキバキにしたのも能力だよな。多分。

あれ? 一人分足りない?

ま、良いか。それより目當てのを寶庫から取り出す。

を凍らせて刃折れの剣を出す。

古竜の素材から作ってもらい、エルフの里で金髪との戦闘で折れた剣。

これの柄の部分にはダンジョン攻略の記念として、五核ゴーレムの核をそれぞれ一つずつはめ込んでもらっている。

なんとなくでやったことだったけど、まさかこんな所で役に立つとは。

こういう『なんとなく』という覚には昔から助かっていたから従ったのだが、それが功をした訳だ。

あとは治療すれば、とりあえず命の危機はせられるはずだ。

欠片の大きさは飾り程度なので小さいが臓の傷くらいは塞ぐことが出來るだろう。

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