《骸骨魔師のプレイ日記》神敵の最期

掲示板回と同時に投稿しております。

「オォ…オオォォォ…」

エリステルの力は完全になくなり、奴のからは力が抜けていく。しだけ浮遊は軽に浸かり、海面にプカプカと浮かぶのみであった。

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戦闘に勝利しました。

深淵の三大領主、エリステルの討伐に功しました。

全員に報酬と150SPが贈られます。

神敵の討伐に功しました。

稱號(タイトル)、『神敵討伐者』を獲得しました。

職業(ジョブ)レベルが上昇しました。1SP獲得をしました。

【杖】レベルが上昇しました。

【雷撃魔】レベルが上昇しました。

新たに雷(サンダーボディ)の呪文を習得しました。

裂魔】レベルが上昇しました。

新たに囮(ダミーボム)の呪文を習得しました。

【時空魔】レベルが上昇しました。

新たに時間逆行(タイムリバース)の呪文を習得しました。

【虛無魔】レベルが上昇しました。

新たに吸魔盾(アブソーブシールド)の呪文を習得しました。

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【付與】レベルが上昇しました。

【符】レベルが上昇しました。

【指揮】レベルが上昇しました。

従魔カルナグトゥールの種族(レイス)レベルが上昇しました。

従魔カルナグトゥールの職業(ジョブ)レベルが上昇しました。

従魔ヒュリンギアの種族(レイス)レベルが上昇しました。

従魔ヒュリンギアの職業(ジョブ)レベルが上昇しました。

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戦闘終了のアナウンスが鳴り響き、私達が勝利したことが全員に告げられる。ここでようやく、私達はエリステルとの戦いに勝利したと実することが出來た。

「「「う……うおおおおおおおおっ!!!」」」

した瞬間、基地周辺は雄びに包まれた。これまでで最強にして最悪の敵を力を合わせて倒したのだ。発するのも當然と言える。かくいう私もまた、一緒になって喝采を上げそうになったからだ。

ただ、私が騒ぎに加わらなかったのはゴゥ殿のことを気にしていたからである。カルに指示して彼が吹き飛んでいった場所に向かうと、そこにはゴゥ殿のが浮かんでいた。

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ゴゥ殿のが浮かべていた表は微笑みであった。それがエリステルに致命傷を負わせたことの歓喜からのモノなのか、それとも仇を討って同胞の下へ逝けることへの安堵なのか。それを知る機會はきっと訪れないのだろう。

「ゴゥ殿…ありがとう」

満ち足りた表で逝ったゴゥ殿に掛けるべき言葉は、謝罪ではなく謝が相応しい。私はゴゥ殿の冥福をイーファ様に祈りつつ、そのを丁重に抱えあげてカルの背中に乗った。

ゴゥ殿のこともあって冷靜にならざるを得なかった私は、カルの背中の上から遠くを眺める。目的はユラユラちゃんと深淵(アビス)兇狼(イルウルフ)覇王(オーバーロード)の戦闘の経緯を伺うためだ。

「両者共に退いたのか…まあ、千日手だったからなぁ」

するとちょうど深淵の二大領主となったユラユラちゃんと深淵(アビス)兇狼(イルウルフ)覇王(オーバーロード)はお互いを警戒しながら距離を取っていた。直前まで分同士をぶつけ合っていたようだが、深淵(アビス)兇狼(イルウルフ)覇王(オーバーロード)の方がその狀況に飽きたようだ。

戦闘が中斷された理由が理由なのだ。お互いに奧の手は殘っているのは間違いない。ユラユラちゃんはともかく、深淵(アビス)兇狼(イルウルフ)覇王(オーバーロード)と戦うことは普通にあり得るだろう。奧の手はわからずとも、手のをある程度知ることは出來た。その時までに私達もより腕を磨いておかねばなるまい。

安全が確保された所で、私は基地へと帰還する。基地は盾隊や遊撃隊など、外で戦っていた者達が戻ってきていて、治療隊によって傷を癒やしてもらっていた。

「よォ、兄弟ィ。どうしたァ?」

「ああ。この戦いの功労者を連れ帰っただけさ」

當たり前のように生き殘ってミケロによって治療をけていたジゴロウにどこへ行っていたのかを問われる。事実で返しながら、私はゴゥ殿の亡骸を抱き抱えると千足魔(キィラプス)達が集まっている場所へと歩み寄った。

千足魔(キィラプス)達は基本的に海中に潛んで攻撃アイテムを投擲したり怪我人を後方に運んだりしていたので、妖人(フィーンド)と同じく被害は最小限である。死んでも復活する我々プレイヤーとは異なり、今のところ復活させる方法が判明していないNPCなのだから當然の配慮であった。

だが、全く被害が出ていない訳ではない。ゴゥ殿だけでなく、運悪くを出していた時に何らかの攻撃をけてしまって即死した者もいるようなのだ。その場合、の回収すらも難しい。むしろがある程度原形を留めていたのはゴゥ殿くらいのものだったのだ。

し良いだろうか?ゴゥ殿のを回収した。この英雄を君達の流儀で弔ってしい」

「王ヨ、謝シマス」

私は回収したを千足魔(キィラプス)達に預ける。彼らには彼らの弔い方があるだろう。彼らのやり方を尊重することがゴゥ殿へ通すべき義理である。それに彼らの文化を尊重することは私達への人に繋がるはず。我ながらゴゥ殿の死を利用しているようで気分は良くないが、魔王國を盤石とするためには必要なことだった。

実際、ゴゥ殿のけ取った千足魔(キィラプス)達は激して涙を流していた。我々の國民となった千足魔(キィラプス)達にとってゴゥ殿は紛れもなく中心人だ。そのゴゥ殿を失った悲しみは大きくて當然であった。

ゴゥ殿に限らず、この戦いで散った妖人(フィーンド)と千足魔(キィラプス)達の霊碑を作ってもらおう。地上でも霊碑は毎日多くの者達が參拝している。ここでも同じことが起きるはず。アイリスに後で話しておこうか。

「アイリス達は剝ぎ取りか?」

「おう。生産職の連中を引き連れて外に出ていったぞォ」

「そうか」

頼みごとをしようとしていた矢先、肝心のアイリスは外に出ているようだ。私は後回しにしつつ、得られた報酬を確認する。するとそこには魔石や消耗品の他にもエリステルから得られたのであろうアイテムが大量にっていた。

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濁白墮熾天使の黒白羽 品質:優 レア度:T(寶級)

濁白墮熾天使、エリステルの翼に生えていた羽

黒い部分と白い部分がある羽は、墮天を拒んだ証である。

拒もうと拒まざると、深淵は優しく抱擁するように蝕んでいく。

だからこそ彼は抗い、抗ったからこそ狂気に墮ちた。

闇屬を同時に使う際に高い効果を発揮する。

神敵の怨毒趾 品質:優 レア度:T(寶級)

神敵、エリステルの無數の趾。そのの一本。

神敵となったことで神を呪う毒が鉤爪から分泌されている。

エリステルは神を憎み、神を呪った。

その憎悪の深さはかつての敬の深さの裏返しである。

毒は『と秩序の神』アールルと信者、加護をける者達にのみ効果を発揮する。

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この報酬について尋ねると、どうやら黒白羽は全員に配布され、もう一つは三種類に分かれるらしい。私のけ取った『神敵の怨毒趾』はエリステルの猛禽類のような腳なのだが、殘りの二種は『神敵の呪手』という手が束ねられた腳と『神敵の忌獣腕』という関節の多いむくじゃらで獣じみた腕だった。

形狀に差はあれど、その全てが『と秩序の神』アールル関連の者達にのみ効果を発揮するらしい。非常に使いにくい!だが、裏を返せば仮にアールルの関係者と戦闘になる時に使えば一方的に倒せそうだ。

「ん?コンラートからメッセージか…はぁっ!?」

「あァ?どうした、兄弟ィ?」

「い、いや。何でもない」

後はアイリス達が剝ぎ取って來るだろうアイテムだけ。そのアイテムを楽しみに待っていた時、私は戦闘中にコンラートのメッセージが屆いていたことに初めて気が付いた。暇ということもあってそのメッセージを読んだ私は、思わず大聲を出してしまった。

ジゴロウは狼狽える私を困したように見ているが、私はすぐに取り繕う。それはジゴロウに揺を見抜かれたくなかったからではない。戦勝で喜び合っている仲間達に水を差したくなかったからだ。

むしろジゴロウと治療に當たっていたミケロには今のに伝えておこう。私は私に注目している者がいないことを確認してから、二人に近付いて小聲でコンラートのメッセージについて教えた。

「落ち著いて聞いてくれ。コンラートからメッセージが屆いた。屆いたんだが…」

「厄介事になりそうなのですね」

「ヘッへ!教えてくれんだろォ?」

「ああ。実はな、人を…人間(ヒューマン)の住民(NPC)を一人連れて來たらしい。その人に押し切られたようだ」

「ほーん。で?それの何が問題なんだァ?」

「大問題だ。その人の名前はザビーネ・ヘルメスベルガーというのだからな」

ザビーネ・ヘルメスベルガー。侯爵令嬢にして魔道開発の専門家であり…現在開催されているイベント、『王太子婚約者投票戦』の上位ランカー。そんな人が魔プレイヤーが統治する國にやって來た。問題にならない訳がないだろう。喜びの聲に満たされる基地にて、私は頭を抱えずにはいられないのだった。

次回は8月30日に投稿予定です。

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