――ドン！！シュー……

盾の創造者からの線をモイスが避けながら、ハルナは最後の一をロックオンし、線を放つ。それは、別の盾の創造者からの線を避けつつ、目標の小さな存在を貫いた。

霧のように消えていく小さな人型は、ホッとした表でこの世界に別れを告げた。

『……』

「どうしたの？もう諦めちゃった？」

サヤの近くにモイスが降り立ち、ハルナも盾の創造者に警戒をしつつサヤの傍に近付いていった。

その背後にはラファエルも移し、ハルナとサヤはこの場で圧倒的な不利な狀態となった盾の創造者と向かい合った。

盾の創造者は、背後に四つの闇の球を創り出しているが、サヤは用意できるのは二つでハルナも小さな人型への対応が不要となった今では、盾の創造者の線を弾く程度の攻撃は四つまでなら余裕で出せる。

主な攻撃方法の數をこちらと相手の數を比較しても、優位な狀況となっているのがこの場にいる者たちにはわかっていた。

「あんた、もうアタシたちに効く攻撃の手段は持ってないだろ？」

「え？そうなの？」

その言葉に、盾の創造者は何の反応も見せない。ハルナが反応するが、このままその流れに乗り、盾の創造者を追い詰めるために利用する。

「もぅ、ちょっとは、考えなって！？……ったく。あのね、もし、いっぱい出せるんなら、なんでこの狀況で出さないの？」

「エー……っと。それは、もう疲れちゃった……とか？」

ハルナは恐る恐る初めに浮かんだ理由を口にする。だが、それは、誰でも思いつくような容であり、そんな淺い考えに、當然怒られるとドキドキしながら質問に答えた。

だが、サヤから怒られることは無かった。

「まぁ、それはハズレてはないだろうね。あの人型を出すのに、結構な力を使うんだよ。でもあの線はずっと出せるのはって思ってるだろ？」

「う、うん……たしかに。で、でも私たちと同じように、線で反撃してきたじゃない？」

「あれは、この空気中ある素や魔素を”作”してるだけなんだ。あれだって扱い慣れていないなら疲れるだろうけど、コツを摑めばアタシだってずっと出せるんだよ……こうやってさ」

サヤは掌を上に向けて、その上に闇の線の元となる球を作り出したてみせた。

ハルナもほんの先ほどまで、必死になってこの球を維持していたときのサヤの表を思い出す。

今のきは全く苦しさもなく、サヤの対応能力の高さに驚くばかりだった。

「だから、あの線による攻撃はアタシたちくらいだと、そんなに疲れないもんなんだよ。だけど、あのちいさな人型は、自分の中にある資源を使って生み出したものだから、そんなに作り出せるものじゃないんだよ」

『……』

サヤが告げた狀況は、盾の創造者にとって知られたくはない容だった。

それに、何とかまだ手があるように見せかけて、この場の立場を優位にしようという目論見も、このサヤの前には通用しないだろうと悟った。

盾の創造者は、この狀況を何と変えようとしていたがそれは許されなかった。

「さぁ……アイツとの約束もあるし。そろそろアンタにも消えてもらおうか？」