《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》164 お仕事をいつまで続けられますか?

「ひーくん、先に帰るね」

「お先に失禮します」

場所は株式會社フォーレス、浜山セールスオフィス。

定時が過ぎて、仕事を終えた一葉と葵の二人が事務所から出て帰っていく。

殘ってたのは俺と姉さん兼所長である作凜音。

今日はちゃんとしたお仕事をしているのだ。

「さ、飛鷹。昨日の続きをしましょうか」

「所長、お願いします」

公私は分けるということで家では姉さんと呼び、會社ではちゃんと所長と呼ぶ。

本人はずっと姉さんでもいいのにと言うがそれはちょっと恥ずかしい。

ちなみに家で所長と呼ぶと何でそんな他人行儀なのっと噓泣きされるのである意味面倒くさい。

「いよいよ4月のスタートまでもうしね」

2月下旬の平日。寒さでコートが手放せない季節。

事務所の中は暖房の溫かさで満たされているのでとても快適である。

「ええ、來週にはしっかり決めておきたいですね」

「そうね。始まりが大事だわ。他の部署にも広めていくんだから」

「はい。俺主導で進める保守メンテナンス……。絶対功させたいです」

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俺が今、メインでいているY社様向けの案件。

フォ―レスは機製造メーカーであり、機械の設計開発だけでなく、當然メンテナンスも業務容にっている。

Y社の淺川葵さんの部署に提案したのが保守メンテナンス。

そもそも機械が壊れた時はどうしているかというと本社に返送し、本社のリペアチームが対応するのが今までの流れだったのだが……

修理の大小関わらず、本社に返送は非常に効率が悪く、お客様からも不評の聲があった。

それで今回、小規模のトラブルなら現地で直せるようにする。さらに不合をなるべく発生させないような保守メンテを行うことを葵さんの部署と話をして契約をしたのだ。

今はその最後の大詰め。

1年間デモンストレーションを行い、果があったら長期契約も視野にれるという話もある。

こちらとしてもかなり利益が見込めるので是非ともトライしたい。

功した際は他の部署やS社にも売り込もうと思っているので所長と二人で進めてきた。

「うん、資料も揃ったし……これで來週の打ち合わせも萬全ね」

「葵さんとその上の方々にアポ取りと資料は送付してます。あとはちゃんと喋れるかどうかですね……」

「ま、山は越えてるから気楽でいいと思うわ。今更ひっくり返されることもないでしょう」

よっぽど大恐慌でもない限りは大丈夫だろう。

このセールスオフィスに來て約1年。忙しさは増しているが充実もしているようにも思う。

今日は金曜日だし、のんびりして……明日の副業に備えるか。

最近、副業の方がボリューミィなのがつらい。

「そうだ。もうすぐ3月ですけど、人事から何か連絡あったりしたんですか?」

「ん?」

4月は言えば人事異の時期である。

俺も去年のこの時期に異してきたし、浜山は全國トップレベルの売り上げを誇っている。

人が足りてない所もあるので異してくる可能は高い。

なら葵が外に出るのでそのフォロー。男なら俺のフォローにまわってもらうじになるだろうか。

今年社の新人も研修を終えた後にってくるかもしれないな。

「殘念ながらなんに~も」

「そうですか」

人が増えないのか。

まぁ仕方ないか。どこの部署も人手不足でから出るほどしいもの。

人はいても知識や技がある人はなかなかいないもの。

俺がれる自社製品テスモ-1000Xだって部設定が頭にっている人間なんて世界で十數人にも満たない。

そいつらみんな辭めたら終わりだ。そういう意味で技や知識ってのは貴重なんだよ。

「正確には無くなったというべきかしら」

「え、それってどういうことですか」

「私が兼任になる予定だったの。名古屋と浜山の兼任所長ね」

「マジっすか! それって中部地方のトップみたいなものじゃないですか」

そこまでいくと部長の一歩下、課長クラスである。

俺の同期の笠松さんというおかしな出世をした奴がいるから覚バグるけど、所長の出世速度も凄い。

「でも無くなったなんてどうして」

「知ってるでしょ、年末の仁科の件。ちょっとやりすぎたみたいね」

「そんな……」

年末年始で起こしたあの騒

結果的には大勝利だったんだが、全て丸くおさまらないのが現実である。

その中で割を食らってしまったのが所長だったのか。

……會社に楯突いてしまった影響が出ている。

「すみません。俺がもっと上手くやれば」

「何言ってんの。あなたのおかげで仁科は無事だったわけだし、ムカツク奴を退職に追い込めた。ま、飛鷹を仁科に盜られたのだけは殘念だけど」

所長はすっきりした笑顔を浮かべていた。本當に気にしているわけではないようだ。

「ま、あの事件で結構會社に対しての不信が強くてね。笠松部長が取りなしてくれたけど、一度ついた不信は拭えない」

「それは……」

「飛鷹、あの件であなたも同じ事思ったんじゃない」

所長の言うとおりだった。

一葉の心を追い込んだ奴らを増長させたのは間違いなく會社が悪い。

俺だってあの時辭めようかって本當に思ったくらいだ。

絶対定年までこの會社に骨を埋めますなんてとても言えない。

「私って優秀だから會社辭めてもやっていけるのよね」

優秀な人間こそ潰れゆく會社を早々に辭めて、転職しやすい。

所長は頭もいいし、人で知識も喋りも上手く、行力もある。

「茜さんにわれてるからS社に行ってもし、會社立ち上げるのもいい。そうだ。お米炊子を法人化しましょうか、私がいろいろやってあげる!」

それもありな気がしてきた。

ますます増える副業に本業の収が10%切った気がする。

俺のやりたいことはいつまで続けられるのだろう。

一葉と結婚したらきっと一葉はこの會社を辭めるだろうし、葵も最近俺の副業のお手伝いを本格的にしてくれている。

本業を家事代行にするのを考えているとか。

所長も俺もいずれは……。

「どちらにしろ。先は考えないといけませんね」

「ま、明日すぐ辭めるってわけじゃないからしずつ先を考えていきましょうか」

今はこの前助けて暮れた岸山さんや茜さん、葵さんに報いるためにちゃんと仕事しないとな。

信用を臺無しにしてはいけない。

でもいつかは先を考えていかない。

「ところで全然話変わるけど」

「はい?」

「飛鷹ってオフィスラブコメ書かないわよね。なんで」

今回、新作として

『學校一のと親友同士のの応援をしていたらいつのまにか彼が誰よりも近い存在になってた件 ~ただの共闘ってはずなのに、彼の方がメロメロになってポンコツ曬してんですが~』

王道ラブコメを投稿しました。もし良ければ読んで応援頂けると嬉しいです。

https://ncode.syosetu.com/n5018if/

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