《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》165 オフィスラブコメとは

「飛鷹の著書って異世界系抜いたらほぼラブコメよね。ラブコメは學校を舞臺ばっかりだしなんでかなって」

所長の言うとおりで俺が書くラブコメはほぼ主人公が高校生である。

需要が一番あって、読者がイメージしやすいってのが大きい。

學生はほとんどが経験しているからな。學生だからできるって描寫が非常に多い。

オフィスラブコメ。つまり社會人ラブコメ。

學生の読者にとっては未知の領域となるわけで、ワクワクもあればイメージしにくいってのもある。

キャラが人していることである程度させるところができ、飲み會という大人だからできるという要素もある。

大人と言っても20歳そこそこだったら10代の延長線上にあるので案外そこまで大人でなかったりする。

俺とか10代後半から何一つ変わってないし。

「俺がオフィスラブコメを書かないのは一つ。オフィスラブコメに嫉妬してるからですね」

「嫉妬?」

「正直な所、オフィスラブコメは大好きですよ。漫畫連載もツイッター漫畫もカクヨムで連載されて書籍化した小説も全部好きです」

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「分かる分かる。いいわよねぇ! 主人公がいて、理解ある先輩がいて、教育対象の後輩がいて、同僚とのなんてのもいい」

「でもそれは俺からすれば幻想なんですよ! オフィスラブコメなんてファンタジーなんだ!」

「え」

その熱意ある言葉に所長がちょっと引いていたが気にせず続けることにした。

「どの作品もイチャイチャラブコメ系って営業職か事務職じゃないですか! 人の先輩とか慕ってくれる後輩とか趣味に理解がある同期とかからかってくるアルバイトのの子とかファンタジーなんですよ!」

「飛鷹の今がそれじゃないの?」

「だからですよ。俺がこの浜山に來たおかげでその恩恵をけたわけで……。古巣の設計・開発の時はもうほんと酷かった」

部署には全2,30人くらいいるのに全部男。

優しく指導してくれる先輩も男。

先輩と慕ってくれる後輩も男。

趣味に理解がある同期も男。

派遣、契約社員全部男

そして客先も全部男

「理系の部署を舐めるなよぉぉぉ!」

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「あ、そう」

同じフロアにも客先もはごくわずかにしか存在しない。

部署の9割が男で事務のはだいたい結婚していて子持ちの年上ばかり。

「俺はあの部署にいた頃、は希種だと思っていました。この世は男9割、1割の世界だと」

「じゃあ1割を狙えば良かったんじゃ無いの」

「それは理系職のキャ共が奪っていくんですよ、モテない理系オタクが選りすぐりの1割を狙えるわけないでしょ。それができるならとっくに學生時代に貞捨ててますよ」

ただし、風俗以外で。

いや、俺は違うよ。俺はあばあばばばっばばばば。

まぁ今は一葉という激カワの人がいるので過去は忘れよう。

「そんなわけで元理系人間として営業職や事務職の偽キャ共が許せないわけです。だから俺はオフィスラブを書かない」

「想像以上にくだらなくてびっくりしたわ」

「本人には言えないですけど、一葉と仲良くなれたのだって今の部署に來てからですし。前の部署だったら接點なさすぎて絶対付き合えなかったと思いますよ」

一葉を含む子社員は全員事務職だったから本當に関わりがなかった。

理系職はラブコメにとって闇です。同期のの子とれ合うことも許されない。

一部の理系上位陣は関係なくいけるけどね。笠松くんみたいな優秀イケメン理系男子は特に。

そしての子達もキラキラしてる男にしかいかないので理系職の中のキャ達は一生闇の中から出ることはできません。

俺と同じようなキャ共は社なんて諦めてさっさとマッチングアプリでもしとけ。

「飛鷹、今もの凄く失禮なこと考えてない?」

「救われた者が思うアドバイスみたいなものです」

そういう意味では営業職萬歳といえる。

「理系男子のラブコメがいっぱい増えたら起こしてください。その時はお米炊子解の時です」

「まぁ……でも確かに私の好きなラブコメも理系職ないわね」

「ラブコメじゃなきゃ一杯あるんですけどね。男9割の世界なんて何の需要があるのか。向けで主人公ならありだと思うけど」

「今流行の貞概念逆転させればいいじゃない?」

「それだったらありっすね。全員ヒロインをリケジョにしましょうか」

俺の前の部署にいた人達を全員に変えてみて……。

そこで俺はあることを思い出しがっくりと項垂れる

「どういつもこいつもパチンコ、競馬、風俗しか頭になかった」

「そんなヒロインはちょっとねぇ」

「そういう意味で俺はここに來れて良かったと思います。所長や一葉、葵と會えて仕事して、楽しいです」

古巣は古巣で楽しかったけど、やはりと仕事して得られる分はたくさんある。

「ところでさ」

所長はし離れて、冬服のカーディガンをいで、段差のある付臺に飛び乗る。

レディスーツのスカートの中がちらりと見えた気がした。

「オフィスラブコメってさ、會社勤めしてると思えない格好してる時ない?」

そう言って所長はシャツのボタンをしずつ外していき、の谷間がしずつわになっていく。

小柄でありながら圧倒的な貌を持つ上司、作凜音。

Eカップ強のバストは魅力的で決して小柄さをじさせない。

以前までの俺だったら赤くなって照れてしまったが強者となった今はわりとそのまま見てしまう。

「そ、そうすね。特にの谷間を出してるキャラが多いっすね」

「あれで客先に行くのかしらね。だから今の私が行けばどうなるのかしら」

「いやぁ……みんな視線が集中すると思いますよ」

「飛鷹も?」

両手を広げ、ってくる所長の香にわされそうになる。

やっぱりしい。彼を抱きしめて思いっきり甘えたい気持ちにさせられる。

「甘えさせてあげるわよ」

「でも……一葉に悪いし」

「あらっ、姉さんに甘えるのはおかしくないことでしょ」

「確かに!」

作凜音は馴染のお姉さん。

の頃、彼の引っ越しがなければずっと俺の側にいてくれた可能が高い。

なので今日くらいはお姉さんに甘えてもいいんじゃないだろうか。

ふらふらぁと姉さんの側に寄ったその時だった。

「はぁい、ご主人様。それ以上は止です」

いきなり葵の聲がして俺と姉さんはぎょっとする。

聲のした方向を見ると……見覚えの無いネットワークカメラがいていた。

ネットワークカメラとは遠隔でこの事務所の様子を監視することができる防犯用のものだ。

雙方向通信により聲を屆け合うこともできる。

これは撮られている……。

「今、奧様をお呼びしますね」

「ちょ、ちょ、いや、これは!」

「あら~。一本取られたわねぇ」

「二人きりにしたら何されるか心配だったので設置して正解でしたね」

まさかここまでされているなんて思わなかった。

ってことは今日の會話、全部撮られていたのか。

「ひーくん」

「ひっ!」

人の聲がとても怖いっ!

「浮気は絶対駄目だよ。ねっ?」

「は、はい」

「あとひーくんのオフィスラブは終わりましたのでこれ以上は不要です。ねっ」

「そのとおりでございます」

「ねぇ、飛鷹。重も重い彼なんて放って飲みにいかない? 奢るわよ」

「所長っ! そんなこと言わなくていいです。あと重は重くない!」

は重い自覚はあるのね。

そんなことでする人の言葉には逆らえず渋々と帰るしかないのだ。

俺のオフィスラブは続かない。

『學校一のと親友同士のの応援をしていたらいつのまにか彼が誰よりも近い存在になってた件 ~ただの共闘ってはずなのに、彼の方がメロメロになってポンコツ曬してんですが~』

王道ラブコメを投稿しました。もし良ければ読んで応援頂けると嬉しいです。

https://ncode.syosetu.com/n5018if/

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