「まぁいいか。どうせアンタはいまから消えるんだ……アイツも待ってるから、そろそろ”そっち”に行った方がよくない？」

『何を言ってるのかわからないけれど、あなた方がこの期に及んで、まだ私をどうにかできると思っていることが、どうにも気にらないわね』

「――！？」

盾の創造者が認識している敵対の範囲が、自分自も含まれていることにハルナとラファエルは一瞬戸う。

だが、ここまでの狀況からサヤと共同して行を起こしている狀況を見れば、二人は盾の創造者と敵対していることは確実だった。

「……ハルナ。いいかい、これで決めるよ？」

「う、うん！」

「ラファエル、アンタたちは下がってな。前に言った通り、狀況を見て手を出してくれればいいから」

『……かしまりました』

「……よし。それじゃ、そろそろ仕上げにかかるとするかね」

そういうと、サヤの手の中には一本の高度の瘴気で造られた剣が現れた。

ハルナなの背中には、先程と同じようなの塊が浮かび上がる。

『……そうはさせないわ』

盾の創造者の背後には、ハルナの攻撃を防ぐための黒い塊が浮かび上がる。

しかし、先程と違うのは、その數は一つだけだった。

「アンタももう、ギリギリなんじゃないの。まぁ、一気に終わらせるから怖くないよ！」

そう言ってサヤは盾の創造者に向かって跳躍し、両手で握る剣を頭上から振り下ろす。

盾の創造者は、防を考えていないその攻撃を普通の元素の攻撃でわそうとする。

「サヤちゃん！」

その攻撃を見たハルナは線ではなく、盾の創造者と同じように元素で氷の壁をサヤの前に創り出し、向かっていくサヤのきと合わせる。ハルナも盾の創造者も、今はなるべく負擔のない手段で相手に対して攻撃と防を仕掛けていき、サヤがハルナの手數を増やしていくような形となる。

ハルナの元素による攻撃と、サヤの攻撃がかみ合い始めると、次第に盾の創造者からは反撃してくることすらも無くなり、防だけになってしまっていた。

『……くっ！？』

とうとう攻撃を防ぎ切ることができずに、サヤの振った剣の先が盾の創造者の元に屆いた。

橫に一本の亀裂が走るが、服の下にはも流れない傷だけが見えている。

盾の創造屋は疲労の様子は見えないが、明らかにきが遅くなっているのが判った。

「……そろそろ、元素とかも限界じゃない？おとなしくしておけば、一気に済ませてあげるから苦しまないよ？わかんないけど」

『限界……ですって？私のこと……甘く見ないでしいわね？だけど、あなたの言う通りそろそろ資源もなくなってきたみたい。でもね、こういう時のために用意してあったのよ』

「……あ」

その様子を見て、ハルナの口から思わず聲がれた。

盾の創造者は、自分に似た姿を解除して霧のように消えていく。

「――待て！」

サヤは、瘴気の弾を撃ちダメージを與えようとするが、この狀態では無意味な行となった。

完全に空気となり姿を消してしまった盾の創造者を、ハルナたちは完全に見失ってしまっていた。