《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》467 タクトが選んだ答え
俺の告白を見て「勇気が出た」とぶブラコンの年だが。
もう、居ても立っても居られないそうで。
「今すぐお兄ちゃんへ、この熱い想いを伝えにいってくる!」
と博多駅の中へ走り去ってしまう。
マジで良かったのか、これは……。
そんなことをしている間に、ミハイルの準備が終わったようで。
自稱、容系のお姉さんが俺に聲をかける。
「ちょっと! そこの男子、もう出來上がったわよ。可くね」
振り返ると、ハンサムショートの年が立っていた。
でも、髪型が男ぽいだけで、他はアンナのまま。
ガーリーなファッションだし、メイクもお姉さん達によって、より可くなってしまった。
まつが上げられているので、大きな緑の瞳はより強調されて見える。
そして彼の小さなには、ピンクの口紅が塗ってあり、早くキスしてとわれている気が……。
改めて、ミハイルの顔に見惚れていた。
「さ、私たちは退場するから、続きを始めて」
「え?」
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「告白の続き、あるんでしょ? どうぞ」
「はぁ……」
なんだ、このお姉さんも々と俺に説教したり、ミハイルのことを奇麗にしてくれたけど。
結局、野次馬の一人なんだな。
お姉さんと部下たちが、ギャラリーの中に戻ったところで。
俺は恥ずかしさを紛らわすため、咳払いをする。
「ごほんっ! その……ミハイル」
「う、うん。なぁに?」
彼も俺の言葉を待っているようで、ぐっと距離を詰める。
上目遣いで、俺を見つめるから、理を保つので一杯だ。
「俺はノンケだ。意味は分かるか?」
「え? のんけってなに?」
「まあ、同を好きにならないってことだ」
そう答えると、なぜかしゅんと落ち込むミハイル。
「そうなんだ……」
「だが、同時に俺は面食いでもある。顔にうるさい、かなり厳しい人間だ」
「それがどうしたの?」
首を傾げるミハイルを見て、俺は確信した。
やはり、こいつしかいない。
なんてカワイイんだ。
早く抱きしめたい。
「その俺が一番カワイイと思ったのは、ミハイル。お前だけだ」
「え? オレが?」
「ああ……この世の誰より、世界で一番カワイイ! この想いは一目見た時から変わらない! だから、これをけ取ってくれないか?」
俺はその場で片膝をつき、事前に用意していた小さなケースを、ジーパンのポケットから取り出す。
そして、パカッと音を立てて開くと。
中には小さな指が輝いていた。
「え、これって……」
驚くミハイルを無視して、俺は自分の想いをぶつける。
「ミハイル。好きだ、している」
「た、タクト……」
突然のプロポーズに揺していたが、嫌がる素振りはない。
「俺と結婚してくれっ!」
「なっ!? け、結婚って、オレとするの!?」
「當たり前だ。お前と一生を共に生きたい! だから、この婚約指をけ取ってくれないか?」
「そんな……オレとタクトは男同士じゃん。結婚なんて出來ないんじゃないの?」
「別に法的な意味で、結婚しなくてもいい。俺とミハイルの間で誓約を立てれば良いんだ。同とか、未だに俺もよく分からない。でも、俺はお前を獨占したいんだ! そう考えたら、こういう答えになっていた……」
俺が全てを吐きだすと、ミハイルは黙ってしまう。
しかし反応としては、悪くないようにじる。
これが俺の考えた計畫。
ミハイルとの結婚だ。
※
數分間、経っただろうか?
沈黙が続く。
俺は片膝をついたまま、リングケースを開いている狀態だ。
ミハイルは地面と睨めっこ。
「で、でも……もし結婚するにしても、オレたちまだ高校生だよ?」
「すまん。その辺は説明不足だった。結婚を前提に付き合ってしい、と言うことだ。まずは高校を卒業しないと。だから、早くても二年後。そのためにもミハイルと一緒に高校へ通ってしい。戻ってしいんだ!」
「そっか……そういうことか。オレも、またタクトと高校へ行きたいな」
その言葉に俺は、思わずを乗り出す。
「な、なら!」
微かな聲だが、確かにミハイルは答えてくれた。
「うん☆」
ニッコリと微笑んで、俺を見つめる。
これはどう考えてもYESだろう!
「じゃあ、良いんだな? 薬指に指をれても……」
「お願い☆」
俺の給料三ヶ月分で購した、ネッキーの婚約指。
リングケースから取り出すと。
既にミハイルが、左手を差し出していた。
彼の細い指にゆっくりと指をはめる。
しっかり、お店で店員のお姉さんと話し合って購したのに。
ミハイルの指が細すぎて、サイズはガバガバだ。
ゆるゆるで格好の悪いプロポーズとなってしまった。
それでも、ミハイルは嬉しそうに手を掲げている。
「うわぁっ! ネッキーのやつだ。ありがとう、タクト!」
「……」
喜んでいる彼には悪いが、もう俺の方が限界だった。
ようやく想いを伝えられて、そしてミハイルが二人の未來をけれてくれた。
気がつけば、俺はミハイルのに飛びついていた。
華奢なを両手で強く抱きしめる。
「ずっと怖かった。寂しくて潰れそうだった……會いたかったよ」
今まで格好をつけていたくせに、張の糸が切れてしまったようで。
弱音を吐いてしまう。
そんな俺でも、ミハイルは優しく包み込んでくれる。
「……ごめんね。寂しかったよね、これからはずっと一緒だから、安心してね。タクト☆」
「約束だからな」
「うん、約束☆」
やっと渇いた心が満たされていく気がした。
に空いた大きなも、ミハイルというで塞がれていく。
去年の誕生日に、そうやってお互い抱きしめた仲だ。
彼も分かった上で、俺の腰に手を回す。
お互いの気持ちが繋がっている……そんな気がする。
「早くこうしかった……」
「今度からタクトが苦しい時、オレが抱きしめてあげるよ☆」
「ミハイル……」
一旦、彼からを離して、じっと瞳を見つめる。
相変わらず、エメラルドグリーンがキラキラと輝いてまぶしい。
「好きだ、ミハイル」
「オレもタクトのことが、大好きだよ☆」
「じゃあ……キスしてもいいか?」
直球の質問に、ミハイルは一瞬固まってしまう。
でも、俺の気持ちに合わせようと必死だ。
「う、うん。いいよ、だってオレたち。け、結婚するんだもん。キスぐらいなんてこと……」
と言いかけている際中だが。
俺は強制的にミハイルの話を止めさせた。
彼のを奪ったのだ。
「んんっ!?」
驚く彼を無視して、ミハイルのぬくもりを味わう。
一度だけ、を重ねるつもりだったが……。
試しにキスすると、その気持ち良さに病みつきになってしまう。
んな角度から、何度も繰り返し、ミハイルのを楽しむ。
最初は戸っていたミハイルだったが、今では靜かに瞼を閉じて、俺のきに合わせてくれる。
自分でも驚いていた。
初めてのキスが男だし、大勢の人間が見守る中、熱い口づけを繰り返す。
何度もくっついては、離れる……を繰り返しているうちに、とあるミスを起こしてしまう。
一瞬だったが、俺の舌先がミハイルのにり込んでしまった。
「ん!?」
これには、さすがのミハイルも怒ると思ったが……。
特に嫌がる素振りはない。
ならばと俺は舌先を、彼の口の中へ突させる。
奧には小さなミハイルの舌が、待っていて。
優しく俺をけれてくれた。
それを良いことに、俺はディープキスを楽しむことにした。
~10分後~
「も、もお~! いい加減にしてよっ! 長すぎるし、こんなところでしなくても良いじゃんか!」
顔を真っ赤にさせて、俺から離れるミハイル。
「悪い……あまりにも味かったら。嫌だったか?」
「嫌とかじゃなくて、場所を考えてよっ!」
そう言うと、ミハイルは周囲で盛り上がっていた野次馬たちを指さす。
「ほぉ~ 最高な二人!」
「すごく尊いわっ!」
「もっとお願いしますっ!」
「あ……」
「べ、別にガッつかなくても、これからは一緒だし」
「ミハイル」
「とりあえず、もうここから離れよっ!」
ミハイルは俺の手を摑むと、野次馬たちを搔き分け、その場から逃げる。
大きな差點を渡り、はかた駅前通りへると。
顔を真っ赤にしたミハイルが、俺にこう言った。
「ホントにいいの?」
「え?」
「アンナのこと、忘れられる? もう裝はいらないの?」
「それは……」
男のミハイルが良い、と宣言しておきながら俺は……。
でも、もう噓はつかないと決めていた。
「悪い。たまにでいいから、裝してくれるとありがたい」
俺の答えにミハイルは怒ると思ったが、クスッと笑ってこう言う。
「もう、タクトはエッチだからな。いいよ、してあげる☆」
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