《【書籍化・コミカライズ】無自覚な天才は気付かない~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました~》2

「っ……グレゴリー……」

そこに立っていたのはお父様の執事のグレゴリーだった。ドアレバーに手をかけたままいぶかしげな顔をしていたが、私の聲を聞くとはっとしたような顔になった。當然、私だと気付いたのだろう。

しまった、ニナを連れ出す事に手間取って、勘付かれてしまったみたいだ。

「ちょ、っと待ってニナ何を……!」

「何で邪魔するのよ⁈」

「お願い、この場は私に任せて。何もしないで」

どう頼んだら、私達をこのまま見送ってもらえるだろうか。數度まばたきをするほどの時間考えていた私は、ニナが握り込んだ手の中が何やら発しているのに気付いて慌てて飛びついてそれを止めた。

え、この子、グレゴリーに目潰ししようとした? 狩猟會で私にしたみたいに……?

グレゴリーの年齢であんな攻撃をけては、視力に影響が殘るかもしれない。自分が逃げられればいいって思ったの? やっぱりちょっと、ニナとは相いれないな……と改めて認識した。

グレゴリーは、いさかいを起こしている私達を目にしても誰かを呼ぶわけでもなく、騒ぎ立てる事もなく。靜かに部屋の中にってきてドアを閉めた。

「リリアーヌ様……」

「グレゴリー、お願い! 私がニナをここから連れ出すのを、何も言わずに見逃してしいの……!」

私は、グレゴリーが何かを言う前に遮って言葉を発した。聞いてしまったら……子供の頃から付き合いのある、お父様の執事のグレゴリーに頼まれたら、私は……自分で決めた事なのに揺らいでしまいそうだなって思ったから。

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使用人という立場だけど、グレゴリーは家族のように近い存在だった。元々アジェット家の分家の三男出で、お父様とは子供の頃からの友人で……私にとっても、親戚のおじさんのような人だったから。

でも、蟲のいい事を言ってるのは分かってる。こっそり連れ出すのに功していた所で、家族が全員不在の今は……何かが起きたら、それはグレゴリーの責任になってしまう。見つかった上でこう頼むなんて、とても図々しい事だ。でも、こうしてニナを連れ出そうとしているのが知られてしまった以上、騒ぎにせず切り抜けるにはグレゴリーの恩に縋るしか思いつかなかった。

「リリアーヌ様は、ニナ嬢を助けに來たのですか?」

「私はただ……このままでは必要以上に重い刑が與えられそうだったのが嫌で……」

だからこれは「助ける」という行為ではない。そう説明した私を見て、グレゴリーは寂しそうにふっと笑った。

「そうですね……リリアーヌ様は、こういう方でした。功名心で人を危険に曬すなんて事は……いえ、もう、それは終わった事です。違和を抱きつつも止められなかった私も同罪ですから……」

小さくそう呟くと、ドアを背にしたままうつむいた。

きっと、狩猟會の事を言っているのだろう。最初、私は「自分の績のために、立場の弱い養子のニナを無理矢理危険な狩猟會に連れて行った」という事になっていた。

アンナ以外にも、私が……「そんな事はしない」と考えてくれた人が近にいたんだって思うとし救われた気持ちになった。

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「……リリアーヌ様は、これからあの外の所へ行くのですか?」

「ええ。お母様の……歌劇場近くの邸宅にいるんでしょう?」

「そこまで把握されていたのですね……」

私の返事を聞いたグレゴリーは、ふっと何か決心したように私をまっすぐ見ると、思いもよらなかった事を口にした。

「リリアーヌ様、アジェット家が監している方を邸宅から救い出してください。車を手配しますが、他にも私が手を貸せることがあれば何なりとお申し付けください」

「そんな……そこまでしてもらっては、グレゴリーが後でお父様にお叱りをけてしまうのでは……」

思わず躊躇するような言葉を発した私だが、グレゴリーは譲らなかった。

「ミドガランドの皇族関係者を冤罪で拘留したと公になっては、アジェット家は進退に関わります」

「グレゴリー……」

「コーネリアス様の間違った決斷を諫めるのも、臣下の定めです。今更……遅いかもしれませんが」

「ううん、ありがとう」

忍び込んでニナを連れ出そうとした私だったが、グレゴリーの有難い提案に素直に頼る事にした。

私を連れ戻すためにって盲目的になって、ミドガランドに対してアジェット家が取り返しのつかない態度を取る前に解決したい。

今ならまだ、フレドさんを連れ戻せば……國際問題にはならずに、々で収束させることが出來る。公になってしまったら、フレドさんにも不名譽な疑がついてしまう。まったく事実無なのに……。

「……話、終わった?」

一人會話の外に置かれていたニナが、聲をかけてきた。不機嫌そうな聲だが、こうして話がひと段落つくまで口を挾まずに待っててくれた。自分に影響がある時はこうしてその場で必要な行が判斷出來てるし、むしろ人の顔を窺うのは私よりずっと上手いと思う。やっぱり狩猟會以外の……私をちょっと悪者にするような言も全部わざとだったんだろうな、と気付いてしまった。

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「ニナ君。私は君にあまり良いを抱いていない。ただ、アジェット家の確執について、全ての責任を押し付けられて罰をける程の事はしていないと私も思う」

「…………」

「だからこれは、私の罪滅ぼしだ。中に……メイドに見繕わせた旅支度と、贅沢をしなければしばらく暮らせるだけのお金……それに一部事を伏せて説明したが、君のを寄せられそうな心當たりをいくつか書いてある」

なるほど、グレゴリーは最初からニナの事を逃がすつもりでこの部屋に來たのか。私が見つかってしまったという訳ではなくてホッとする。

恐る恐る、差し出された鞄をけ取ったニナは、それをの前でギュッと抱きしめると小さく「ありがとうございます」と呟いていた。

「じゃあ、グレゴリー……また、合えるかは正直私も分からないけど。もしかしたら、またここに訪れる未來もあるかもしれないから……その、」

「ここはリリアーヌ様のご実家じゃありませんか。私はいつでもお待ちしていますよ」

「うん……ありがとう」

家族との確執について。私の返事から、家族が使用人達に命じたようにここに戻って來る気はなさそうだと察した上で、「いつでも待ってる」と言ってもらえて私は気持ちが軽くなった。

……このまま、家族とも……いつか分かり合えそうだな、って思える結果になると良いな。

私達はその後すぐに、使用人の服に著替えたニナと一緒に「グレゴリーさんに命じられたおつかい」という名目で、他の人には気取られる事なくアジェット邸からニナを連れ出せたのだった。

を離せる人がないし、ニナを一人にさせてもおけないので、この後フレドさんが監されている場所にはニナも連れて行く事になる。

「……何であたしを先に助けに來たの?」

沈黙に耐えかねたのか、グレゴリーが手配してくれた魔導車の中でニナが私にそう尋ねてきた。

この魔導車とその運転手は、ほぼ私専屬で、學園へ通う時などにお世話になっていた。グレゴリーが前もって言い含めてくれたらしく、私だと気付いても何も詮索せずに目的地へと向かってくれている。

「貴を助け出すって事は決めてたけど、分かってて先に助けた訳じゃないの。二人が違う場所にいるのは分かってたから……もしこれが発覚した場合、二か所目の警備がより厳重にされてしまう。だから、どっちがいるとしてもアジェット邸にいる方を先に助け出す必要があった。それだけよ」

私はその魔導車の中、変裝でに著けていたカツラを取って、アジェット家の使用人の制服に似せて作ったワンピースをぎながら答えていた。

には、運転席と後部座席の間に仕切りがあるが、そもそも冒険者活時の服を下に著ているので運転手に見られたとしても問題はないのだが。

いだものをさっと畳んで拡張鞄の中に仕舞って顔を上げると、ニナは顔を俯かせて何もない所を睨んでいた。……あ、今の……「ニナを助けたかったからよ」とか言えば良かったかな。自分の行いを見つめ直すきっかけに……。

そんな事を一瞬悩んだけど、慣れない事をするのはやめておいた。

「これからもう一人助けにいくのに、どうして変裝解いてるのよ」

「別邸の警備をしているのもアジェット家の兵と使用人だろうから、私の顔を知っているでしょ?」

家出中とはいえ、仕えている家の娘に危害を加える訳にいかないだろう。もちろん慎重にくつもりだけど、萬が一フレドさんを助け出す前に見つかったら自分の分で強引に解決するつもりだった。

あと単純に、丈の長いスカートで隠は難しいというのもある。

「ニナは車の中で待ってて……テッド、巻き込んでしまってごめんなさい。絶対にこの恩は返しますから」

「いいえぇ。私はグレゴリーさんに頼まれた事をしているだけですよ」

何て事ない、というような聲で返事が返ってきて、私は思わず涙ぐみそうになってしまった。お禮は言い足りない……けど、また時間をかけるわけにはいかない。

路地裏に停めた魔導車から降りると、私は目的地であるアジェット家の別邸に忍び込むべく行を開始した。

この屋敷は、主にお母様が使っている。歌姫として活するために、お母様が劇場にほど近いここに、こじんまりした屋敷を建てたのだ。

普段はここを管理する夫婦しかいなかったはずだが、今はもう數人の気配がする。拐されていた子供を助けた時のように、わずかな時間も惜しんで正面から切り込む必要はない。理想は、発覚させずにフレドさんだけ助け出す事……なので、今回はそれを心がけて行しなければならない。

フレドさんが捕らえられてる可能のある部屋は限られている。お母様のお弟子さんがここに宿泊する時にも使う客間、それか歌や楽の練習に使う広い防音室、このどちらかにいるはず。あとはお母様が使う寢室と管理人夫婦の部屋……それを除けばリビングやキッチン、バスルームなどしかない。公爵夫人であるお母様の覚に合わせて一部屋が広く取られているから、部屋數はこれだけ。本當に、歌姫として出演を控えるお母様がを休めるためだけの場所なのだ。

防音室だった場合、正直かなり厄介だ。この建の中央にある、窓もない壁の厚い部屋だから。

でも、候補にしておいてなんだけど、多分そこではないと思う。お母様は、音楽を特別神聖なものとして向かい合っていたから、楽のある部屋に人を監したりしないだろう。

なのでフレドさんがいるのはこの屋敷の二階にある客間で間違いない。そう確信した私は、庭で周囲を警戒しているアジェット家の私兵を避けて、後から痕跡を発見されるなんて承知の上で全力で認識阻害式を展開すると、隣の屋敷の塀と屋を経由して慎重に別邸の中に忍び込んだ。

「……思った通り、この部屋には誰もいない」

警戒しているとはいえ、家族は私の事を下に評価しているから、公爵夫人が寢泊まりする部屋に警備の人員を置かないだろうと考えた通り。

主寢室のバスルームの窓から忍び込んだ私は慎重に屋敷の中の人の気配を探りながら進んでいく。見張りはいるようだが外に居た人と一階に一人しかいないみたいで、二階の廊下には人の目はない。

私ははやる気持ちを抑えながら、客間の扉に後から取り付けられた、結界が組み込まれた複雑な鍵を開錠しにかかった。

幸い、コーネリアお姉様の工房で見た覚えのある構造によく似ていて、それほど時間をかけずに解除が出來た。

「……フレドさん、中にいますか?」

「⁈ リア、」

そっと扉を開けた先、薄暗い室の長椅子の上で俯くフレドさんがまず目にる。

私を目にしてパッと顔を上げたが、何かびそうになって慌てて自分の手の平で口を塞いでいた。

「う……噓、リアナちゃん? 俺が都合の良い幻覚見てるんじゃないよね……?」

「大丈夫です、本ですよ。すいません、私の家族がこんな事をしてしまって……助けに來ました。すぐにここを出ましょう」

音を立てないように部屋の中にった私は、靜かに扉を閉めると無事を確認しようとフレドさんの姿に目を向ける。

「⁈ 足、どうかしたんですか? もしかして、逃げられないようにって怪我を……⁈」

「いや、違う違う……! ニナって子の盜難が発覚してごたついた時、割ってろうとしてしもみ合いになって……俺が、自分で転んでちょっとひねっただけなんだよ」

ちょっと、と言うがフレドさんの右足首は、一目見て分かる程にはれ上がっていた。靴下も履けないようで、右だけ素足で室履きをに著けている。

「だからごめん……俺が自分でここを出出來てたら一番スマートに解決出來たんだけどね。荷も沒収されて、この捻挫も治せなかったし」

「そんな、怪我してるのに無理しないでください」

ああそうか。フレドさんが一人で逃げられないって分かってたから、警戒が甘かったんだ。

私はフレドさんに怪我をさせてしまったって認識して、とても申し訳なくなってしまって。いつもいつも迷かけてばっかりで、そう思ったら目の奧が熱くなっていた。

「あ~~ほんと、ごめん! せっかくこうして助けに來てくれたのに……俺、この足じゃ逃げられそうにないから。今からポーション使って治るまで待つのも難しいし……いや、我ながらかっこ悪いなー」

「……ごめんなさい。私と家族の問題に巻き込んで、こうして怪我までさせてしまって……」

「いやぁ、運が悪かっただけだよ。この怪我については誰も悪くない……もちろんリアナちゃんも、リアナちゃんの家族も」

私が泣いたりなんてしたら、フレドさんは絶対そう言うって分かってるのに。私は謝るしか出來なくて。

長椅子に座ったフレドさんが慌てる目の前で、自分でも涙が止められなくなっていた。

「えーと、あ、そうだ。思い切り騒ぎを起こして、俺はどこかに隠れてて……逃げ出したって思わせる手はどうかな?」

「ごめ……ごめんなさ、」

「大丈夫、大丈夫だよ。だから……ああ、俺こそごめんね。俺、リアナちゃんが泣いてると、ほんとどうしたらいいか分からなくなっちゃうな……」

涙で滲む視界の中、手がびてきて私の頭を優しくでた。

その手の平の暖かさが心地良過ぎて。私はつい、そのぬくもりを自分からしがるように頭を傾けていた。

本當に、無意識で。

「へ、あ⁈ ご、ごめんなさ……こんな、甘えるみたいな真似……っ」

バッと慌ててを起こすと、フレドさんも私の頭をでていた手を引いた。

「いや、いやいやいや。問題ないというかむしろ……じゃない。それはいいんだ。えっと、リアナちゃんもびっくりして涙も引いたみたいだね? じゃあ作戦を……騒ぎを起こすには……流石に火事はやめておこうか。そうだ、煙幕用の煙玉はどうかな? 前にもしもの時の逃走用にってリアナちゃんが作ってたやつ」

焦ったように、フレドさんの口數が多くなる。そうか、急に泣き出した私のために無理をして元気づけようとしてくれてるんだ。

さらに申し訳なさが湧き上がってきた私は、しかし「これ以上フレドさんを困らせてはいけない」とを噛み締めると、顔を上げた。

「フレドさん……ここから出ましょう。もちろん、フレドさんも一緒にです」

「……うーん、まぁそうだね。痛み止め使ってしだけ頑張った方が確実で早いかな」

「いえ、怪我してるフレドさんを歩かせるなんてとんでもない!」

じゃあどうするの? と言いたそうなフレドさんが私を見上げる。

「痛み止めは今出します……けど、フレドさんは怪我した足を使わなくて良いので。その代わり、私にしっかり捕まっててくださいね」

「へ?」

鞄から剤を取り出し、それをフレドさんに渡す。フレドさんはその瓶の中をラベルも見ずに飲み干すと、私がなんでこんな事を言ってるのか考えるように、首を傾げたままし固まっていた。

私はそんなフレドさんを置いておいて、窓際に近づき、閉まっていた雨戸の鍵も取り外してしそこを押し開ける。

萬が一の場合も高さは問題ないな。強化をかけているから十分に耐えられる。

薄く開けた窓からこの別邸の庭が見える。その空中に六カ所。塀を越える位置まで「見えない足場」を魔で展開させた。

「えっと、つまり……リアナちゃんが俺の事を持ち上げて、この窓から塀を越える……って事⁈」

「そうなりますね。ではフレドさん、行きますよ。痛み止めは効いてきました?」

「うん、分かっ……え、そっち?!」

覚悟を決めて、おんぶを求める子のように両手を突き出したフレドさん。

長椅子に座ったままそんなポーズをとってたの下に自分の両腕を差しれると、強化をかけた私は一気にフレドさんのを持ち上げた。

フレドさんは橫向きに抱き上げられてびっくりした顔をしてるが、私にとってはまだまだ軽いくらいだった。戦闘訓練の時はいつも使っていたし。フルプレートアーマーに大剣を使った行軍訓練もしたもの。

「お、お姫様抱っこ……」

「……何か問題がありました?」

「いや……あの、特に意図がないなら、おんぶにしとかない? まだそっちの方が、リアナちゃんが一瞬片手自由にしたりとかできるし……」

……背負うって発想はなかった。

確かにフレドさんのいう事は一理あるかも。

「……いえ! 背中に重心があるとのこなしに影響がでてしまうので……!!」

いや、ダメ。が接する面積が今より大幅に増えてしまう‼︎ 今はこう、私が自分の意思でフレドさんを抱き上げてるけど、フレドさんに背中から抱き付かれるのはちょっと……心の準備がかなりいると言うか……。

だって、フレドさんを抱き上げているだけで私は心こんなに大変なことになってるのに。おんぶなんてしたらどうなっちゃうのか……!!

やや不自然になったが、私はその場を誤魔化した。フレドさんを抱えたまま、庭に面した窓から距離を取って正面に立つ。フレドさんを抱き上げてる、腕の中のとか……なるべく意識しないうちに、さっさとここから出ないとならない。

「フレドさん、なるべくかさずに小さく……私にを預けててくださいね」

「わ、分かった」

私がやろうとしてる事は、人質の救出にしてはかなり派手な一手だ。

囚われていた人質を抱き上げて、空中に作った足場を駆け抜けてここから連れ出すなんて小説でくらいしか見ないんじゃないかな。

でも今はその「小説みたい」な、現実では思いもしない方法でここから抜け出すのが、警備の目を出し抜いて逃げるための最善手だから。

「ごめんなさい、穏便に出するならもっと相応しい方法はあるんですけど……」

「いやー、荒っぽい手を使わなくて済む方が良いよ」

……正直、屋敷ではない、ここにいる見張りだけなら私一人でも何とか切り抜ける事は出來た。でもお父様に命じられただけの彼らに武を向けるのはどうしても嫌だったから。こんな派手な出劇になってしまうと謝罪した私を、フレドさんは笑って許してくれた。

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