《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》反応、そして治した理由

俺の返しに彼はしだけ眉を寄せる。

「その襲撃者に憶えは？　顔は見たか？」

今の問いで、首長の質問の意図が見え始めてきた。

「（やっぱり何か見られたくないものがあって、それを確かめているみたいだ）」

そうなると襲われたと答えたのは失敗だったか？　いや、目的が分からなかったのだからそれでこれを失敗と考えない方が良いか。

ただここから挽回していく必要がある。

まだなんの報も得られていない現狀、首長からしでも報を得る。

「うんーん、突然襲われたほぉぶべんふぉぼはべはからあんまりばはふぁんはひはっきりとはふぁっひふぉあ……」

これで変化があるなら報を小出しにしていくつもりだが、果たして喰いつくか。

全部を正直に伝えてしまえばこっちは何も報を得られない。

しかし出さな過ぎても見限られる。

だから初手は話を濁して伝える。

賭け気味の行にし引き腰になるが訊き出さなくてはいけないので覚悟を決める。

「……何かしらは憶えているだろ。思い出せ」

そして首長が見事に釣れる。

焦っている風にも見えるが態度や表が変わらないので不確かだ。

首長は何が不機嫌なのかと思える程にしかめっ面をこちらに向けている。

いや、聲をかける前からずっとあの顔だったな。

せっかく人なのに話しかけ難い雰囲気だ。

「そう言われてもほぶひはへへふぉ……あばぁー、何かをはひはふぉ被っていたふぁぶっへひへようなひょうは……」

「……それ以外に、何か顔やの特徴は？　男かか、能力の有無は？　何か一つでもないのかっ？」

事実を思い出したかのように伝えたがそれはお気に召してくれず違う催促をされる。

しかしやけに詳しく訊いてくるな。それに最後の方はやや語気が強くなっている。

彼様子から濁しながらの報の小出しは意外にも効力があったことを実する。

もしかしたら俺が子供だから多警戒心が薄れているからかもしれないが、ここまで冷靜を欠いてくれるのは彼の目的を探る上でやりやすくなる。

「顔を見てないふぁおうぉみへはひから別はばはふぇひべふふぁ分からないははふぁはひ」

これも事実だ。姿を消している相手、おまけに最初の攻撃で鼓を破られて聲も聴こえなかったのだから。

……あ、今更だけど耳も治っているな。耳と口だけ治してくれたのか。

どちらも會話に必要な部位。端から報を引き出すつもりだった訳か。

それでも瀕死の狀態から治療と手當をしてくれたんだから謝はしている。

「ただ何人かがふぁんひんはぶぁ能力持ちだったほうひょふふぉひばっは」

ま、だからと言って報を全て渡す訳にはいかない。

確か全員が能力者だったが、敢えてしずつ、多変えながら能力について話す。

これで他に何か反応を示してくれればの字。

反応があってもなくても能力をしゃべり過ぎずに、何度か思い出したようにして探る。

「どんな能力だった？」

やり方をしっかりと定めて、よりこちらの話に興味を引かれた首長に挑む。

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