《【書籍化】左遷された無能王子は実力を隠したい~二度転生した最強賢者、今世では楽したいので手を抜いてたら、王家を追放された。今更帰ってこいと言われても遅い、領民に実力がバレて、実家に帰してくれないから…》エピローグ
これにて、本編終了です!
《ロウリィSide》
第七王子ノアが、神リスタルテを宇宙の彼方へ葬り去ってから……。
遙か、未來の話。
地上に、1匹の白い竜が舞い降りる。
彼の名前は魔神ロウリィ。
ノアの【元】従者だ……。
ロウリィは人間の姿になると、地上を改めて見やる。
「なんか、しばらく見ないうちに、まーた発展してるっすねー」
ロウリィがいるのは、かつて大ダーク帝國の首都が【あった】場所。
現在は新ゲータ・ニィガ王國の王都となっている。
そり立つ巨大な外壁に包まれた、巨大都市を前に、ロウリィがつぶやく。
「隨分まあ立派になったっすなぁ……」
「やはり、貴様か」
「あ! ナベたん! おひさーっす!」
黒髪の、ナベリウスが、ため息をつきながら、ロウリィのそばへとやってきた。
「まじでひさしぶりっすね~。前回から、50年ぶりっすか?」
「ああ、も50年も経ってるのか……時間が経つのは早いもんだ……」
神リスタルテの戦いから、もう気が遠くなるくらい、年月が経過している。
Advertisement
あのときの戦いを知っているものは、もう完全にいない。
「帝國、消滅したっすからね」
「まあ、妥當な判斷だろう。【頭】がいなくなったんだから……」
さみしそうに、ナベリウスが言う。
かつて栄華を(?)極めた(?)大ダーク帝國は、現在、六つの大國に分かれてしまっている。
そのうちの一つ、新ゲータ・ニィガ王國は、現在……。
「まさかのナベたんが、まさかの王っすからねえ」
「言うな……オレ様だってやりたくてやってるわけじゃあない」
大ダーク帝國は、それぞれ、
サラ、ナベリウス、ダーヴァ、
ヒルデ、ユリアン、ガルシアの六人をトップにし、六つの國をそれぞれ作った。
といっても、連合國家という形を取っている。
それぞれ違う國ではあるものの、六つの國は仲良くやってるのだ。
ロウリィはナベリウスと一緒に王都の中を歩く。
人種問わず、年齢問わず、みなが仲良く暮らしているようだ。
「お? なんすかあれ、炊出しっすかね?」
「ああ、天導教會の聖たちが、ただでメシを配ってんだ」
Advertisement
「貧富の差はなくならないんすねえ……」
「こればかりは仕方ない」
大ダーク帝國の時は、富を國民全員に分配し、生活水準をそろえていたのだが……。
『それ、やめろ。頑張ったやつがかわいそうだ』
と、【神】の一言によってみんな平等な主義を廃止。
元々あった、頑張った人が頑張った分、報われる世界になったのだ。
ぐぅ……。
「ちょっち腹減ったっす。並んできても?」
「いいんじゃあないか」
ロウリィが、炊出しの列に加わる。
ほどなくして、ロウリィの番になる。
大鍋の前には、一人のの子が立っていた。
茶髪の髪をしただ。
彼はスープをすくってにそそぎ、無言で突き出してくる。
「あざっす~♡」
「…………」にこっ。
は笑った後、手を振っていった。
「あの聖の子、想いいのに、しゃべらんかったっすね」
「どうやら事故でしゃべれなくなったらしい」
「はえー……かわいそうっすね」
でも、そのしゃべれないの子も笑っていた。
そう……今この世界は笑顔であふれている。
もちろん、大ダーク帝國時代のような、強制的な世界平和はなくなったけど……。
それでも、だ。
☆
ほどなくして、ロウリィは王都の中央へとやってきた。
【星を守りし守護神ノアール】
「ノアール? ノア様?」
「ああ。解明したそうだ。ゴッドノアははずいからって」
「ふーん……」
ノアは、神をぶっ飛ばしたことで、歴史的英雄であり、神となった。
全國各地には、ノアの像が建ってるという。
「ノアールねぇ……大賢者時代の名前じゃあないっすか」
「まあゴッドノアよりはかっこいいかってさ」
「ふーん……」
ノアールの像の前には、観客が集まっている。
昔のように、全員が、盲目的にノアを信じてるわけではない。
「イカレタ國民達も、目を覚ましたんすね」
「まあ、運命の神の干渉がなくなったからな」
運命の神リスタルテは、ノアを英雄にまつりあげるため、運命を作し、幸運を招いていた。
神の力は人々の心に作用し、ノアのすることを全て好意的に捕らえるようになっていた。
……でも、神がいなくなったことで、その力は消えた。
その結果、ノアの影響力が下がった。
ノアを盲目的に信じていた人たちの數が減ったのだ。
だからこそ、國を六つにばらばらにしたのだという。
「あんなのがトップの統一國家とか、いやな人はいやだろうっすからねえ」
「早晩、クーデターが起きてただろうからな」
神が消え、ノアの影響力が下がった。世界は統一國家ではなく、それぞれの轢死を歩み出した……。
それでも、だ。
りーん……ごーん……。
12時の鐘。
「さぁ、偉大なるノアール様に、お祈りを捧げましょう!」
天導協會の連中が、ノアール像の前で祈りを捧げる。
さっきのも、目を閉じて祈っていた。
ロウリィはそんな人々の様子を見て、微笑む。
「世界は、平和になりましたね」
「ああ。今日も平和そのものだ」
☆
地上の視察を終えたロウリィは、王都の外へと戻ってきた。
白竜姿になっている。
「もう帰るのか?」
『うっす。視察終わったんで』
「もっと長居してもいいのに」
『わたしが帰らないと、あの人、さみしがるんで~♡』
「相変わらずラブラブなのな」
『ええ!』
ナベリウスが苦笑しながら言う。
「ノア様は、天界で元気にやってるようだな」
天界……。
元々神のいた世界。しかし神リスタルテのせいで、元々いた古き神たちは皆消滅。
神のなくなった世界で……。
「まじで、あの人が神やるとはなぁ……」
『人生何があるかわっかんねえもんすね』
神なき世界を治めることになった、新しき神。
それが……ノアールこと、ノア・カーターだ。
リスタルテを倒した後、ノアはロウリィと共に、天界に殘ったのである。
地上をのこと全てナベリウスを含めた、部下達に任せて。
いなくなった神は、ノアとロウリィの手によって、次々と生み出されている……らしい。
『今や神は100を越えたっす!』
「やりすぎだろ!?」
『ぬへへへ~♡ こだくさーん♡』
「はぁ……まあ、おまえらが幸せそうで何よりだよ」
『うぃっす。んじゃ、また何年後かに』
「ああ、またな。あの馬鹿神さまに、よろしく伝えておいてくれ」
ロウリィはうなずくと、翼を広げて、天へと昇っていったのだった……。
☆
さて。
天界へと帰ってきたロウリィは、天の門(黃泉の國へのり口)へと到著する。
「あー! ロウリィちゃーん!」
「り、リスコス……」
ノアとリスタの子供(※リスタが想像妊娠で人錬した)、リスコス。
「おっかえり~!」
地上に返しても大丈夫なモンスターは地上へ、そして地上にいるとやべえモンスターは、こうしてノアがこき使っているのだ。
「地上はどうだった?」
「いつも通り平和っす。死者の管理ごくろーさんっす」
天界は古き神がいなくなったあとも、ロウリィとノアが生み出した神、そしてモンスターたちの力で、通常通り運用されている。
リスコスは死者達が、迷わずに天の門をくぐれるよう、案人をしてるのだ。
「あ、そうそう! さっきね、來たよ」
「は? 來た……? 一帯何が……?」
そのときだった。
「あぎゃぁあああああああああああああああああああああああ!」
どこからか、男の悲鳴が聞こえてきた。
ロウリィは「またか……」と苦笑する。
「また、っすか」
「うん! また」
「あの人も、すごいっすね。まじもんの化っすわ」
苦笑しながら、ロウリィは悲鳴のする方へと向かう。
そこはかつて、神の住んでいたの塔。
そこに死者の魂達が列をなしてる。
塔にり、階段を上る。
そして、ひときわ高いところにある部屋のドアを開けると……。
「あ! ロウリィ様! おひさしぶりです!」
そこにいたのは、銀髪の……。
見覚えのない顔のはずなのに、どこか懐かしい雰囲気をまとっていた。
「リスタ?」
「はい!」
元は金髪のメイドだった、リスタ。
しかし今は銀髪のとなっている。
「うわーーん! ろりえもーーーーーーーーーーーーーーーん!」
涙を流しながら、黒髪の青年……ノア(現ノアール)が、ロウリィに抱きついてきた。
「はいはい、どしたのノア太くん?」
「まーたリスタのやつが転生してやがるんだよぉおおおおおおおおおおうう!」
……銀髪のが、ニコニコ笑いながら、たたずんでいる。
「ああ、またっすか……」
「もう何回めだよ! おまえさぁ、もうとっくの昔に、死んだでしょぉ!?」
リスタルテの戦いから、もう長い年月が経過してる。
人間だったリスタは老衰した……はずだった。
「死んだ人間の魂は! 記憶と人格をあらって、また地上に戻す! はずなのに! なーんでリスタの自我と記憶はなくなんねええの!? もう何度も転生繰り返してるんですけど君ぃ!?」
そう……リスタが生きていた時代から、何世紀も経った今も、リスタの魂はこうして、廻転生を繰り返しているのだ。
「それはもう! ノア様のことが忘れられないから!」
「忘れて!? ねえもう忘れて! つーかもう何度も何度も転生してこなくていいからマジで!」
「わかりました!」
「そうかわかったか!」
「照れ隠しですね」
「ちっげええええええええええええええええええよ!」
ノアは神となり、時にさぼりながら、時に真面目に働きながら、なんだかんだ、ここ天界で神として働いてる……。
けど。
「神になった今でも、リスタのことが怖いんすねぇ」
「うぇええええええん! ろりえもーん! たすけてよぉう! このイカレタ化の魂、消滅させてよぉう!」
「それはむりっすねー。やったところで、またゾンビみたいに復活してくるだろうし」
「ひぃいいいいいいいいいい!」
……とまあ、一部おかしなところもあるけれど、ノアはなんだかんだ幸せに生きている。
これまでも、これからも、ずっと。
たとえ運命の神がいなくなろうと……。
彼のいる世界は、いつだって、馬鹿馬鹿しくも、でも……賑やかなのだった。
「それにしても、転生したわたしにいち早く気づくだなんて! ああやっぱり……ああやっぱり!」
リスタは、最高の笑顔で言う。
「さすがです……! ノア様!」
「「いや、ウェブ版もおまえで、しめるんかーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!」」
《おわり》
【あとがき】
これにて、無能王子、本編終了となります。
読了、ありがとうございました!
ウェブ本編は終わったのですが、外伝(サブエピソード)をちょこちょこ投稿していく予定です。
また、漫畫版はまだまだ続きます。
コミックス最新3巻が、十二月に発売しますので、そちらもぜひ!
それでは、今後ともノア様をよろしくお願いします!!!!!
【書籍化】誰にも愛されないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話【コミカライズ】
両親の愛も、侯爵家の娘としての立場も、神から與えられるスキルも、何も與えられなかったステラ。 ただひとつ、婚約者の存在を心の支えにして耐えていたけれど、ある日全てを持っている“準聖女”の妹に婚約者の心まで持っていかれてしまった。 私の存在は、誰も幸せにしない。 そう思って駆け込んだ修道院で掃除の楽しさに目覚め、埃を落とし、壁や床を磨いたりしていたらいつの間にか“浄化”のスキルを身に付けていた。
8 69【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】
書籍化が決定しました。 レーベルはカドカワBOOKS様、10月8日発売です! 28歳のOL・哀川圭は通勤中にとある広告を目にする。若者を中心に人気を集めるVRMMOジェネシス・オメガ・オンラインと、子供の頃から大好きだったアニメ《バチモン》がコラボすることを知った。 「え、VRってことは、ゲームの世界でバチモンと觸れ合えるってことよね!? 買いだわ!」 大好きなバチモンと遊んで日々の疲れを癒すため、召喚師を選んでいざスタート! だが初心者のままコラボイベントを遊びつくした圭は原作愛が強すぎるが為に、最恐裝備の入手條件を満たしてしまう……。 「ステータスポイント? 振ったことないですけど?」「ギルド?なんですかそれ?」「え、私の姿が公式動畫に……やめて!?」 本人は初心者のままゲームをエンジョイしていたつもりが、いつの間にかトッププレイヤー達に一目置かれる存在に? これはゲーム経験ゼロのOLさんが【自分を初心者だと思い込んでいるラスボス】と呼ばれるプレイヤーになっていく物語。
8 175裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚
親友に裏切られて死んだと思った主人公が目を覚ますとそこは異世界だった。 生きるために冒険者となり、裏切られることを恐れてソロでの活動を始めるが、すぐにソロでの限界を感じる。 そんなとき、奴隷商に裏切れない奴隷を勧められ、とりあえず見てみることにして、ついて行った先で出會ったのは傷だらけの幼女。 そこから主人公と奴隷たちの冒険が始まった。 主人公の性格がぶっ飛んでいると感じる方がいるようなので、閲覧注意! プロローグは長いので流し読み推奨。 ※ロリハー期待してる方はたぶん望んでいるものとは違うので注意 この作品は『小説家になろう』で上げている作品です。あとマグネットとカクヨムにも投稿始めました。 略稱は『裏魔奴(うらまぬ)』でよろしくお願いします!
8 188異世界転移〜チートすぎました!〜
いつもの日常が退屈だった主人公 八雲 禪(やくも ぜん)、いつも通り授業を聞いていつも通り終わると思っていた退屈な日常から一変、なんと!クラス全員で異世界転移してしまったのだ‥‥‥ そこで新たに知ることとなるのは‥‥‥‥ この続きは本編で、とりあえず不定期すぎですね 頑張ります
8 192お姉ちゃんが欲しいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。
最低賃金以下で働く社畜である啓一君。彼はいつも通り激務と心労によりネガティブになっていた。それこそ人生とはと考え込んでしまうほどに。こんな辛い時に癒してくれるお姉ちゃんがいれば……ギブミーお姉ちゃんみ!! しかしそんなお姉ちゃんを欲しがっていた啓一君が何故かお姉ちゃんに?!どういうこと?!!お姉ちゃんができないなら仕方ない!俺が理想のお姉ちゃんになってやんぜ!! これは元お兄ちゃんだった啓一君が、理想のお姉ちゃんを目指して奮闘する物語である。 ****************** ちょっと色々忙しくなってしまったので、クールダウンも含め 曜日ごと更新と致します。 毎日更新を楽しみにしてらっしゃった方申し訳ございません! 更新曜日は『水』とさせて頂きます。 ノベルバでの挿絵投稿が不明なため、こちらではしれっと作品表紙を変えるだけにします。 知っている方いらっしゃいましたら教えて頂けるとありがたいです! またTwitterも行っています! よろしければ遊びに來てくださいね! @Ren_ch_1207
8 62遙か夢こうのデウス・エクス・マキナ
各國で様々な技術が発展し銀河系開発にも手を伸ばす中、貧富の差もより如実に表れている世の中で地球のスラム街に住む主人公イゼ、イゼはとある事件の発生よりスラム街の地下奧に眠っていたある存在を知ることとなる。
8 89