《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》170.霊の妹

俺、ユリウスは新學期、學校へ行くと、全校集會でなんか知らんから、「兄さん」扱いされた。

お兄様だぁ……?

「誰だぁおまえ?」

「…………」

隕石に乗って現れた、金髪の

その子にいっさい、俺は見覚えがなかった。

「に、兄さん。失禮だよ!」

「ラブリー弟ガイアス」

「ラブリーはいらないでしょ……! ば、馬鹿……みんなが見てる前で変なこと言うなよ……」

顔を赤らめる弟。

それを見て義弟と嫁が言う。

「ところ構わずいちゃつくです。あねうえ、あれはよーにんできるです?」

「でゅふ……♡ ご褒だからいいのです、ミカ様……でゅふ♡」

一方、金髪人は冷たいまなざしを俺に向けてくる。

「……お忘れになられたのですか?」

「いやぁ……忘れるもなにも、そもそも知らないし、おまえのこと」

「……そう」

あ、これはいかんな。

俺はだんっ、と足踏みする。

その瞬間……

ぱきぃいいいいいいいいいいいいいいいん!

「なっ!? 何がおきたんだ!?」「急に氷の破片が空から降ってきたぞ!?」「なんだあ……!?」

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全校集會に集まっている、モブ學生達が驚く。

「え、何を言ってるんだい君たち。あのが極大魔法、絶対零度棺《セルシウス・コフィン》を無詠唱で高速展開しようとしてきたから、兄さん反魔法領域《アンチ・マジックフィールド》を高速展開し、魔法をキャンセルしんたんじゃあないか?」

きょとん顔で説明するガイアス。

うんうん、正解だ! よく見えていたなガイアスぅ……。このレベルの戦闘には、普通に付いてけるようになってるな! 兄ちゃんうれしいぜえい。

しかしミカエルが言う。

「がいあす、おまえ、あにうえ化してるです?」

「ほんまや、ユリウスはんみたいやった」

「ガイアス君……今のすごい高度すぎて、ユリウス君以外、誰も今のわからなかったよ……?」

うんうん、とサクラたちが同意するようにうなずく。

ガイアスは頭を抱える。

「そ、そうだった……! うっかりしていた……ボク、化《にいさん》と同類になりかけてるんだった……!!!!!」

『弟君よ、なりかけではなく、もう同類じゃぞ♡』

まあもう霊裝も會得してるし、俺と同じくらいの戦闘はできるんだよなぁ。

やはりガイアスはすごいなぁ……! さすが俺の弟!

「なんでニヤニヤしてるんだよ兄さん……!」

「ガイアスがおしいなぁって」

「い、いちゃつくなばか! そんな狀況じゃあないだろ!」

ふぅむ……狀況ねえ。

つっても、失禮なが、なんかしてきたくらいの認識なんだよなぁ。

「……さすがお兄様、2000年前から、その強さはお変わりないようですね」

が、ひな壇の上から歩いてくる。

しかし……。

「なぁっ!? なんだあの金髪、空を歩いてるぞ!?」「どうなってんだ!?」「まほう!?」

すっすっす、と平然とした顔で、が歩いてくる。

「空くらい普通に歩けるだろなに驚いて……はっ! ぼ、ボクはまた!」

「がいあす諦めるです、おまえはもう主人公と肩を並べる、強ヒロインぽじです?」

「うるさい! ボクは男だと何度言えばいいんだ!?」

のんきにじゃれつく弟たち。

一方、嫁ダンタリオンが張の面持ちで言う。

「……ユリウスさん。あの娘、そうとうやりますね」

「ふぅむ……? そう?」

「ええ、あのかたは魔法も、能力も使ってない。なくとも、わたくしにはそう見えます」

元悪魔のダンタリオンですら、【アレ】を認識できないらしい。

ま、だからって焦ることはない。

「隨分と、きれいな霊だなぁ、あんた」

「! 兄さん今霊って……」

「ああ、この子のことさ。こいつは人間じゃあなくて、霊さ」

しかもしてるところから察するに、かなりの高位な霊……大霊だと思われた。

「さすがです、お兄様」

金髪が、ちょっと嬉しそうに笑っていた。

ふむ、笑うとかわいいじゃあねえか。

「では、わたしのことを……思い出していただけましたか?」

「いやさっぱり思い出せん」

「兄さん……! だから、に失禮だろ!!!!!!!!」

え、でも知らないことを知ってるフリするほうが、失禮じゃあない?

ガイアスが俺と金髪の間に割って言う。

「兄が失禮しました。霊のかた」

すっ、とガイアスが頭を下げる。

ふーむ、霊に敬意を払ってるようだな。

「まずは謝罪いたします。だからどうか、ここで力を使うのはよしてください。ここには、無関係の學生達が大勢います。だからどうか……」

「……人の分際で、霊王に、命令するな」

む?

霊王……霊王……ふうむ……。あ。

「おまえもしかして……?」

「命令ではなく、お願いです。……今は」

ごぉ! と二人の気がぶつかりあう。

だがその余波を周りの連中がじることはない。

「おー、がいあす、周りに結界張ってるです」

『あのが発する強い気を、直で浴びれば周りも失神どころでは済まぬじゃろうからな。それを防ぐ高度な結界を、瞬時に展開するとは。さすが我が主の弟じゃな』

魔王が心してるようだ。俺も魔王と同意だぜ。

「……お兄様との再會を、邪魔するな。人間」

「兄さんはボクの兄さんだ。おまえなんかに渡さない」

が、ガイアス……!

「あれこれ、あにうえをめぐったヒロインによる修羅場です?」

「み、ミカさん……ガイアス様はおなごではありませんよ……?」

「でも対立構図がまさにラブコメのそれです! やれやーです!」

くいっ、とガイアスが親指で外を指す。

「外でやろう。ここじゃ本気を出せないだろ?」

「……いいでしょう」

二人が、その場から転移する。

俺は腕を組んだままだ。

「ユリウスさん、よろしいのですか? 介しなくて」

「ん? ああ、ま、ガイアスならなんとかするべ。さぁて! それより弟の合をみんなで見ようぜ!!!!」

あいつこないだの対抗戦で、結構強くなったからなぁ。

霊相手だと、どれくらいやれるようになってるかな!

「ユリウスはん……敵を完全に、弟の長を図る差しにしてはる……」

「昔からユリウス君、そういうとこあるよね……」

【★あとがき】

なろうで連載してる、有名VTuberの兄、書籍版がいよいよ発売されます!

11/15にGA文庫から発売!

紙も電子も予約始まってます!

よろしくお願いします!

https://www.sbcr.jp/product/4815619374/

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