《俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。》最終章-26【グレーターデーモン】
グレーターデーモン。
長にして2メートルちょっとの筋質な型の悪魔だ。強面の頭部に羊の角が二本生えている。下顎からは太い牙が二本荒々しく生え上がっていた。背中には蝙蝠の翼と、から牛の尾。皮は全が灰だ。
そして、全──。間部分には謎のモザイク処理がされていた。
そのグレーターデーモンが五。Aはグレーターデーモンを五も一度に召喚したのだ。
グレーターデーモンの一が語り出す。
「久々の下界だ。しかも戦爭中か。これは幸運だ。すべての魂を刈り取って良いと言うことなのだな」
ふてぶてしくAが答える。
「ええ、食べていいわよ。魂も片もすべて食べていいわよ。むしろしちゃあ駄目なんだからね」
「亜種もか? ここには人間の他にも様々な亜種が居るが、すべて食らっていいのか?」
グレーターデーモンの述べた通りだ。ここには人間の他にも、エルフ、ドワーフ、ノームと様々いる。グレーターデーモンは、それらをすべて食らっても良いのかと問いかけ、デビルサマナーは、それらすべてを食していいと述べている。
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「ただし、アスランは食べちゃあダメよ。彼は例外よ」
「ぬぬぅ?」
グレーターデーモンは眼前に並ぶ人間たちを見ながら述べた。
「アスランとは、どの者だ?」
「あの一見なよなよしたヘタレっぽい男の子よ」
「あのムッツリスケベそうな変態っぽい人間の男か?」
「そう、その超ムッツリスケベそうなド変態っぽい男の子よ」
嫌な顔を浮かべながらアスランがぼやいた。
「ひでえ言いようだな……」
スカル姉さんが言う。
「でも、悪魔たちの意見は間違って無いじゃないの」
「ここにも悪魔が居やがるぞ……」
ゾディアックが顔を青ざめながら述べる。
「しかし、グレーターデーモンを一度に五も同時に召喚出來るとは……。このデビルサマナー、普通じゃあないぞ。かなりの強者だ……」
アスランがゾディアックに訊く。
「グレーターデーモンって、レッサーデーモンの上位だよな?」
「ああ、そうだよ。レッサーより上だからグレーターなんだ」
「だよね……」
アスランは思い出していた。以前戦ったレッサーデーモンの敵を──。ヒューマンキラーを持ってたオカマな悪魔だ。
あれはあれで強かった。そのデーモンがレッサーだ。魔王城の地下で働いている鍛冶屋のクイジナートもレッサーデーモンのアンデットだ。
要するに、こいつら五は、あのオカマデーモンより強いってことになる。
あのオカマデーモンでも手間取ったのに、それより上位の悪魔が五だ。しかも魔法使いたちはグラビティーバズーカの一撃で半數ほどノックダウンされている。明らかに戦力的にこちらの軍勢のほうが不利だ。
だが、アスランたちが張に固まるなかで、大通りの左側からチンピラが居直るような下品な荒々しい聲が飛んで來た。
「おいおいおい、なんだテメーらぁ~!!」
「ぬぬっ?」
皆が一斉に聲のほうを見た。
左からは土建作業員の格好をしたマッチョエルフたちの集団が、肩を怒らせながら蟹で歩いて來る。
聲を放ったのは若大將の兇介だった。リーゼントに刻まれた剃り込みに青筋が浮かび上がっている。
「テメーら、どこの組の悪魔どもだぁ~。他人の島で勝手こいてんじゃあねえぞぉ~!!」
グレーターデーモンに対して怖い者知らずなマッチョエルフたちは、強面を怒らせながらメンチを切っていた。もう、ただのヤンキーである。
「グレーターデーモンだからって、調子こいてると、絞めるぞ、ゴラァ!!」
「なんだ、こいつらは?」
「エルフなのか?」
「姉さん、こいつらも食らっていいのですか?」
Aが問うグレーターデーモンにサラリと答えた。
「全部殘さずに、すべて食べてよ」
「ならば、私が──」
一匹のグレーターデーモンがいた。フワリと軽く跳ねると一歩の跳躍でマッチョエルフたちの前に立ちはだかる。
「焼き殺してやる。そのごにこんがりを食らってやるぞ」
一言の後にグレーターデーモンの前方に魔法陣が赤々と輝いた。魔法陣からは灼熱の炎がはみ出している。
その炎を見て兇介とマッチョエルフたちが冷や汗を流す。
彼らはじ取っていたのだ。
魔法陣かられでる魔力の総量を……。
途方もない総量を……。
その魔力量は、一撃で我々マッチョエルフたちを焼き払える魔力だとじ取っていた。
「死ね」
次の瞬間である。グレーターデーモンが橫に吹き飛び建の壁を突き破り室のに消えた。
マッチョエルフたちが「おおっ!」っと沸く。
グレーターデーモンを突き飛ばしたのは兇介の妹、兇子だっだ。である。
兇子は金髪の長い髪を靡かせウエイトレス姿で木刀を持っている。その木刀には風林火山とルーン文字が堀困れていた。
兇子が兄に怒った口調で言う。
「にーちゃん、なにしてるん。にーちゃんたちじゃあ敵わない敵だから引っ込んでな」
「でも……」
「一は私が倒すから、任せてね」
「でも兇子、あと四も居るんだぞ!!」
「じゃあ、俺も戦うよ~」
「だれ?」
男の聲だった。聲のほうを見ればフルプレートを纏った人が二人と手を繋いで現れる。メタルキャリアだ。
その左手はガイアと手を繋ぎ、右手はテイアーと手を繋いでいる。両手にだ。
ガイアがメタルキャリアを見上げながら述べた。
「メタルキャリア~。一人で四の悪魔を倒せるのかぁ?」
メタルキャリアは首を傾げながら答えた。
「俺は死なないから勝てなくっても負けないから大丈夫だろ~」
『魔人は呑気だな』
テイアーがツッコンだ。
ガイアが言う。
「じゃあ、ガイアも手伝って上げる。偉いでしょう」
いつものように無表でガイアが述べると隣のテイアーが口を挾んだ。
『ちょっと待ってよガイアちゃん。ズルいわよ。ガイアちゃんが遊ぶんならテイアーも遊ぶわ!』
「じゃあ、一匹だけテイアーちゃんにあげるわ」
『わ~~い、有難うガイアちゃん。テイアー激~♡』
白いワンピースの長髪は満面の笑みで喜んでいた。
「ちょっとまったああああ!!」
突如、空からリボンをに巻いた頭の悪そうなが降って來る。著地と共に地が揺れた。
擬人化しているレッドドラゴンのアンだ。
「アンも遊ぶ、遊ぶ、遊ぶ!!」
アスランとゾディアックを盾に隠れていたスカル姉さんが述べた。
「これで丁度の五対五ね……。これで私たちは生き殘ったかも知れないわ……。何せドラゴンが二匹よ。幾らグレーターデーモンでもドラゴンには勝てないでしょうさ」
次の瞬間である。アンがグレーターデーモンに毆られて吹っ飛んだ。斜め45度に吹っ飛んで、三階の窓を突き破り室に消える。
Aが高笑いながら言った。
「あ~はっはっはっ。グレーターデーモンたちを舐めるなよ。クソガキども。あ~はっはっはっ!!」
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