《問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『霊使いで再起しました。』》

ハルナの言葉に、エレーナはハッとする。

ハルナは、この世界を創り出した創造者の能力を引き継ぎ、ほとんど永遠に近い時間を過ごすことになることを思い出した。

「ハルナ……」

何とかその不安をめようと、エレーナはハルナの名を呼んでみたが、その先の言葉が続かなかった。

どう考えても、特別な力を持つハルナの壽命に、いつまでも自分が付き添えるはずがない。

もし、自分たちの子供にハルナのことをお願いしたとしても、どこまで続けていけるのかがわからない。

「ごめんね……エレーナを困らせるつもりはなかったのよ」

その言葉に、エレーナは自分の眉間に力がっていたことに気付く。そして、そのまま顔を數回橫に振る。

「私こそ……ごめんね。ハルナをこの世界の問題に巻き込んでしまって……それにこんな風な形にさせてしまって」

「ううん、それは違うわ。私だって、右も左もわからないこっちの世界に來て、溶け込めるかどうかもわからなかったのに。そんな私を助けてくれたのは、エレーナなのよ?」

「で、でも。それがきっかけで、あなたを……ハルナをこんな風に……」

そのエレーナの言葉を止めたのは、エレーナの背後にいて肩の上に手を置いたアルベルトだった。

「エレン……もういいじゃないか。互いに遠慮し合っていたら終わらないだろ?」

「で……でも」

「それ以上言い合っても、何の意味もない。お互いが自分を責めているだけで、相手が困る結果しか見えないぞ……エレーナ、ハルナ」

「あ、ステイビルさん……」

アルベルトの背後から、ステイビルがニーナと一緒に部屋に姿を見せる。

ステイビルの後ろには、ステイビルので隠れていたがニーナも一緒だった。

ステイビルやアルベルトが、この狀況に加わってきたことで、エレーナの気持ちもし落ち著きを取り戻したようだった。

そこからは、先程のように自分を責めていた時の表は見せなかったが、まだ納得いかない様子だった。

「エレーナ……もし、自分の行いが間違っていたというのならば、その問題はいまここでどうにかなるような結論が出せるのか?」

「いいえ……」

「だとすれば、その責任や罪を償うのであれば、時間をかけて行うしかあるまい……違うか?」

ステイビルはそう二人に告げると、ハルナとエレーナは顔を合わせて、お互いに一度だけ頷いた。

その様子を見て、ステイビルはハルナの前に椅子を移させ腰を掛ける。

「先ほどエレーナにはあのように言ったが、 実は私もハルナには悪いことをしてしまったと思っている。サヤ様と二人で、この世界を救ってくれたこと……謝する」

ステイビルが座ったままだが頭を下げると、ソフィーネを始めとした他の者たちも、同じようにハルナに向かってそれぞれが頭を下げた。

「え?ちょ……ちょっと!?みんな、頭をあげて!ね?ね?」

その言葉を聞き、頭を上げていく。とにかく、お禮をちゃんと伝えたかったということは達できたため、これ以上はハルナを困らせてしまうためにすぐにやめた。

「だから、我々……東の王國もグラキアラムに住む者たちも、ハルナのことをこれからも見守っていくことで、その禮を盡くしたいと思うのだが……どうだろうか?」

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