《やり込んだ乙ゲームの悪役モブですが、斷罪は嫌なので真っ當に生きます【書籍大好評発売中&コミカライズ進行中】》會談の結果
退室後、部屋からし離れた廊下に移。三人で立ち話を始める。
「・・・・・・つまり、我等がアモンの後ろ盾となることで、間接的に狐人族の政に干渉するということか」
「はい、父上。辺境伯家は、帝國の國境を隣國から守る役目があります。ですが、武力だけでは限界があるでしょう。彼を我等の代理とすることで、隣人の意思を導。そして、報を得ることも『守る役目』の範疇になるかと」
「ふむ」と父上が難しい顔を浮かべる中、僕は視線を変える。
「元暗部のカペラはどう思う?」
「恐れながら申し上げますと、現狀では一番有効になると存じますが、危険な一手にもなり得るかと」
「・・・・・・というと?」
僕が聞き返すと、彼は畏まりつつ凄んだ。
「最悪、狐人族でが起きるでしょう。下手をすれば、アモン殿は反逆者として斷罪されたという、グレアス殿と同じ運命を辿る可能があります」
「それは・・・・・・勿論承知の上さ」
あえて、ニコリと微笑んだ。
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「グランドーク家は・・・・・・いや、ガレスとエルバはバルディア家に手を出した。その事を、許すつもりはない。彼等がアモンを殺そうとするなら、支援をするバルディアにも大義名分が生まれるからね。二度目はないさ」
カペラと父上の顔がし引きつった。
「・・・・・・お前とカペラの意見はわかった。だが、グランドーク家の向には怪しさが殘る。彼に、約束を違えないと一筆もらった上で『最後通牒』を出す。メルディとクリスティ商會は、何としても救い出さねばならん」
「畏まりました」
その後、部屋に戻り會談を再開。
父上は、単刀直に廊下でまとめた話をアモンに告げた。
「アモン殿の提案を前向きに検討することは約束しよう。だが、今までの経緯から、申し出を鵜呑みにするは出來ん。従って、貴殿には約束を違えないと一筆書いてもらい、バルディア家からは貴家に『最後通牒』を出させていただく。それで、よろしいかな」
「・・・・・・承知しました」
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彼は頷くと、狐人族の戦士であるリックに視線を向けた。
「約束を違えないという一筆に関しては、すでに我が父ガレスから親書を預かってきております」
アモンがそう言うと、リックが懐からグランドーク家の『四本の斧で円を描いた紋章』がった封筒を取り出し、彼に手渡した。
「親書の容は、先程に私がお伝えした謝罪、解放、賠償金について書かれております。どうか、こちらをこの場にてご確認下さい」
「うむ。では、拝見させてもらおう」
封筒をけ取った父上は、丁寧に封を開けて中の書類に目を通す。
だが、父上は顔を曇らせると、ハッとしてんだ。
「お前達、リッドを守れ!」
「え?」とアモン、シトリーは、意図がわからず呆気に取られてしまう。
まさか、と狐人族の戦士達を見據えた次の瞬間、彼等は殺気を発して獣化した。
「ライナー・バルディア。その命、我が主、ガレス・グランドークの命にて頂戴する」
室にいた戦士四人の、三人が怒號を上げてこちらに襲いかかる。
同時に、ディアナとカペラが暗を取り出し、僕達を守るように前に出た。
「ぐがぁ⁉」
でも、戦士三人の攻撃が僕達に屆くことはなかった。
ダイナスが両腕でラリアットを繰り出し、そのまま戦士二人を首から抱きかかえて拘束。
ルーベンスは、戦士一人の元を片手で押さえて瞬時に拘束したからだ。
「はは、殘念だったな。その程度じゃ、俺を抜けてライナー様は倒せんぞ。ルーベンス、そっちは問題ないか?」
「はい。しかし、団長。『もう一人』はどうしますか」
二人の會話で、一人だけ襲いかからなかった戦士・・・・・・リックに場の視線が注がれた。
「き、君達! これは、どういうことなんだ」
目を見開いたアモンが戦士達を見渡すと、彼等は意味深に笑った。
「リック・・・・・・後は任せたぞ」
戦士三人がリックに目配せをすると、彼は靜かに頷いた。
「・・・・・・何をする気か知らんが、どうにもならんぞ。無闇に命を捨てることはあるまい」
ダイナスは優しく語りかけるが、目は本気であり冷徹だ。
彼がその気なら、いつでも両腕に抱えた戦士達の首を折り、絶命させられるのだろう。
ルーベンスも同様だけど、戦士達は不気味な笑みを崩さない。
すると、アモンがハッとした。
「や、やめろ。君達、止めるんだ。これは、命令だ」
「アモン様。殘念ながら、すでに長より『命令』をけております。どうか、ご自の『信念』を貫いてください」
ルーベンスに首元を抑えられた戦士がそう答えた時、全に悪寒が走った。
なんだろう、この嫌な気配。
彼等から発せられる気配に覚えがある気がする・・・・・・考えを巡らせて、のがよだつ。
この気配は、魔力がで暴走した時のものだ。
「その三人は『自』するつもりだ!」
察した瞬間、僕はんでいた。
「な⁉」と、この場の全員が目を見張った瞬間、ダイナスの両脇に抱えられた戦士達からとんでもない魔力をじて、戦慄が走る。
「させんよ」
ダイナスが腕に力をれて、両脇に抱えていた二人の首を絞めた。
「・・・・・・⁉」
鈍い音が鳴り、戦士二人は音にならない聲を発して力なく項垂れた。
だけどその時、「ぐぁ⁉」とルーベンスのき聲が響き、場の視線がそちらに注がれる。
リックが隙を突き、戦士を拘束していたルーベンスを吹き飛ばしたのだ。
拘束を抜け出した戦士は、「我等の覚悟。刮目しろ」と吐き捨て、魔力暴走をさせつつ、こちらに向かってきていた。
もう、自は防ぎ切れない。
「全員、全力で魔障壁を張れ!」
父上の聲が室に轟く。
その瞬間、シトリーが怯え戦いている姿が目にる。
いま、戦士が自すれば、彼も犠牲になってしまう。
そう思った瞬間、が自然といていた。
「二人とも、伏せるんだ!」
シトリーとアモンを守るように躍り出た僕は、『魔障壁』を全力で展開する。
「ありがとうございます」
目の前に迫った獣化した戦士は、小聲でそう呟いた後、『火人』とんだ。
次の瞬間、戦士が全発したかと思うと、音が鳴り響き、発による炎と衝撃が展開した魔障壁に襲いかかる。
でもそれは、一瞬であり、気付けば発は過ぎ去っていた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
肩で息をしながら、自分が生きていることを実すると、その場で片膝を突いた。
息をするたび、自した戦士の顔が頭に浮かび、辺りから獨特の焦げた匂いが鼻についてくる。
最悪の気分で反吐が出そうだ。
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