〜？？？〜

私は世界が大嫌いでした。

私は私をしてくれない世界が大嫌いでした。

私は私のことが大嫌いな世界が大嫌いでした。

ーー奇遇だなァ、俺もなんだ。もうさ、こんな世界なら死んでもいいんじゃねえかなァ

だから、死のうと思ってました。

ーーあ？　何言ってんだ、〇〇さん。死ぬのはアンタでも俺でもねえよ

でも、貴方はこう言ってくれました。

ーー死ぬのは世界の方だろ。どう考えてもよお。

貴方は私をあの狹い部屋から無理やり連れ出してくれた。

しわくちゃの笑顔。

貴方は自分の笑顔を汚いっていつも言ってたけど、私にとっては太そのものです。

全てを焼き盡くす黒い太……

嫌い、嫌い。

この國が嫌い。

汚くて悍ましくて下らない癖に、皆笑顔の下に噓ばっかりな癖に。

さもそれが當たり前であると、押し付けてくるこの國が嫌い。

皆の當たり前が出來ないのなら人間として扱わなくてもいい。

そんな人間ばかりのこの國が嫌い。

ああ、嫌い、嫌い、嫌い。

私は私を嫌う全てがーー。

ーー俺は〇〇さん好きですよ？　怒ると怖いし、たまにスイッチると何言ってるかわかんねえけどさ。

私の何が好きなんですか？

ーー顔と格。あ、まって、今のナシ。流石にデリカシーなさすぎました。こんなおっさんが若い子に何言ってんだマジで

好き。

好き。

顔の皺も、日焼けしたも、笑うと目に皺がよるのも。スイッチがると本當にバカみたいになるのも。

全部好き。

ーーぎ(・)ゃ(・)は(・)は(・)は(・)は(・)は(・)は(・)は(・)は(・)は(・)！(・)！(・)　レディースアンドジェントルメン！！　世界を滅ぼす準備はいいかァ！？

貴方は私の嫌いなものを嫌いでいてくれた。

ーーあ〜わかるわかる、腹立つっすよね〜。あの社會生活出來て當たり前ムーブ。それぞれ必死で生きてんのに、ある一定のラインを超えねえと努力とすら認めてくれねえあのじ、島國の悪い所だよ、うんうん。

貴方は私の嫌いを肯定してくれた。

ーーでも、〇〇さんはそのままでいんじゃないすか。だって、あんたは、ーーアンタもまた只の人だ。

味山さん。

味山さん、味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん味山さん。

好きです。

例え貴方が世界を終わらせても、例え貴方が世界を殺しても。

私はきっと、貴方をまた見つけます。

ーーああ、はは。あ〜すみません、っぽくなる権利なんかもうねえのに。……昔のチームメイトだったんですよ。貴崎凜

いやだ。

貴方がたまに語る、私の知らない貴方の探索の語。

貴崎凜、雨霧、アレフチームのソフィ・M・クラーク、グレン・ウォーカー。

バベル島の日々の話をする貴方は、いやだ。

そして。

ーーああ、あと1人、いたはずなんですけどね。忘れちまったんです。絶対忘れちゃいけないはずなのに。

いやだ。

貴方がその話をする時、貴方は私の知らない顔で、遠くを見るから。

ーーきっと俺は間違えたんです。そうだなァ、何かが足りなかったのか。何かを見落としたのか、あるいは間に合わなかったのか、それとも、負けちゃいけない所で負けたのか

ヤダ、ヤダ。

そっちを見ないで、私を見て。

私を見つけてくれた味山さん。

貴方は私の太、いや、主人、ううん、違う、貴方は私の。

ーー〇〇　〇〇。汝、我が腕の業を腑分け、悍ましき業の尖兵となる事を誓うか

はい、誓います。私は貴方の奴隷、私はあなたの虜です。

ーー宜しい、ならば汝、我が腕を取り、世界の敵として我が敵を狩れ。素晴らしき樹冠として普く世界にび、我が敵を殺せ

はい、貴方の為ならば。

ーー〇〇さん、ありがとう

ああ、ああ……味山さん。

私は、貴方は、私のーー。

◇◇◇◇

「ぎゃはははははははははは、ぎゃーはっはっはっはっはっはっは！　できたァ！　出來ちまったァ！！　クソ耳でも使えねえ！　俺の俺だけの力ァ！　真のIQ３０００の味山スペシャル！！」

ーーァ。

見つけた、いた。

ーー思い出した。完全に。

樹冠(クラウンチーム)

ああ、私は貴方の樹冠。

見つけた、見つけた。

「私の、神様……」

約定を、ここに。

サプライズ更新。

明日は本編。

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次にくるライトノベル大賞に凡人探索者、ダンワル両方ノミネートされました。

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