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駆部とエネルギー供給部を潰されて以降、ブラックアウトしていた景が、強カンデラので塗り潰された。

抵抗する間もなく網を焼かれてもくしかない男のを、鋭い蹴りが襲う。

機力と耐久力に富んでいたはずの機械の鎧は、その両方を奪われたことで堅牢な拘束と化していた。こんな場合に使用すべき急出機構も潰滅していてまるで作用しない。

「よぉ、待たしたな。そんじゃ、お話しよぉや」

殘像で白飛びした景の向こうから、男をここまで運んできた者の聲が聞こえる。

「屈託なく死ねるよぉにちゃんと喋ってくれよ」

夜間作戦用のものだろう照明を直で顔に向けられたままだが、強いの向こう側に聲の主以外にも何人かいることが男にもわかった。それらが誰なのかも、心當たりがある。

「テンタクルスのガキどもか」

余りにもガラガラな自の聲に男が驚いていると、聲の主がホースで水をかけてきた。それでを潤した所で、聲の主が男の前に椅子を置いて腰掛ける。

「変な味する水で悪ぃな。自白剤混ぜっとどぉしても味が変わっちまう」

それは、もはや何でもありの尋問が始まる宣言であり、男を生かして返す気はないという意志の表明だった。

～2176年12月26日AM4:07

日本國 芝浦埠頭〜

赤外線センサーで緑に浮かび上がっていた風景の端に、予想通り南雲記者の単車が停まった。

ガントリークレーンの類稀なる高さのおで、今ギルバートの視界を遮るは殆どない。學迷彩カメレオンを纏って特殊なフィルターがない限り誰にも気取られない位置に陣取った仮面の男は、事前に破っておいたフェンスに近づいていくスポーティーな格好をした記者を注視した。

恐らく南雲は、ここにくる前に飼い主・・・に報告したはずだ。蟲の息のT.T.S.にトドメを刺せるかもしれない報を手にれた、と。

南雲自の考えはわからないが、彼の飼い主・・・には間違いなくT.T.S.の消滅をんでいる。

だからこそ、貢獻に逸る南雲の手綱を握る飼い主・・・には、ギルバート同様、今この瞬間に目をらせていることだろう。

さもないと、もしT.T.S.に手綱を手繰られた場合、握り手に跡・・・・・が殘ってしまう・・・・・・・。

例えば、今ギルバートの真下で側から発するように吹き飛んだコンテナから無數のナノマシンとなった紗琥耶が南雲に襲いかかった場合、飼い主・・・はどうするか。

《ギル、來た……真後ろ》

アグネスの報告に振り返ると、確かに來ていた。

ただし−−

「おやおや、これはまた、隨分と気合のったのが來たな」

それが巡航ミサイルだったのだから事が大きい。