《凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ〜TIPS€ 俺だけダンジョン攻略のヒントが聞こえるのに難易度がハードモード過ぎる件について〜【書籍化決定 2023年】》8話 VSシエラチーム その1
「ぎゃ!!??」
悲鳴が響く。
シエラチームの超常の力が味山只人、耳男に向かう。
空中にぬいとどめられる味山。
ごききき。その腕が歪に捻じ曲がる。
「……ごめんなさい、味山只人さん……! でも、私、優先があるの! 大切なものと、そうじゃないものの!」
ガスマスクの1人。
雪代長音の道は、一度味山只人と差した事がある。
貴崎凜を縁とした、ほんのしの接點。
だが、もうそんなの関係ない。
守りたいものがある、永らえてもらいたいものがある。
「海原さんの、邪魔はさせない」
ごききき。ばききき。
古いに宿る超常の力。
それが、耳の男の四肢を捻って。
TIPS€ 雪代長音・8月31日死因、神種"アレス"により、撲殺。念力を無理やり解除され、接近戦に持ち込まれ、そのまま毆られ続けて死亡
ぎぎ!!
なんの音だ、捻じ曲がった空間が、単純な膂力で再度折り曲げられる音だ。
「レッスン1、カラテを信じろ」
「えっ」
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ごき、ごき、ごきん。
雪代はすぐにけなかった。
目の前の景、何が起きたのかを脳みそが理解出來なかった。
捻じ曲げた四肢、右腕で左腕を捻り、足を踏み締め。
捻じ曲げられたままの狀態で、耳の男が雪代の至近へ。
「ユキシロオサネ! 逃げっーー」
「ガードしろ、死ぬ気で」
「あ、がっーー」
ドゴッッッ!!!!
シエラチームの1人、ガスマスクのの腹に耳男の前蹴りがクリーンヒット。
念で歪んだ空間ごと、蹴りをけて吹き飛ぶ。
「…………」
ぐらり。
壁に激突したシエラチームの1人が、そのまま崩れ落ちる。
気絶したようだ。
「これで1人死んだ」
べきき。
もう耳男の再生を拒む力はない。
「あなた、何した?」
死すら凍り付かせる冷気。時間すら止めてしまう冬の霜が、味山を包んで。
TIPS€ 雪代継音、8月31日・死因。神種"ヘパイストス"の異界により焼死。凍結の業も、異界"鍛治神の火仕事"により熱量負けし、焼け死んだ
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「レッスン2、氷を扱うんなら最低限、炎を凍らせるくらいはしてくれ。こういう屬系の力は弱點対策必須でしょ」
「は?」
「ジャワ、燃やせ、弱火でな」
ぼおう。
耳男が、右手の指をくんっと上げる。
それだけで、シエラチームのガスマスクの、そのに火が燃え移り。
「あ、あ、ああああああーー!?」
「氷で冷やせ!! 火の熱にビビんな!! 神的な長に期待!!」
「あっ」
かくん。
耳男が、火に揺するそのガスマスクのの顎を指先で弾く。
それだけで、膝から崩れ落ち、もうかない。
火は、消えていた。
「これで、2人死んだ」
「テメエ」
ガスマスクの男が、味山に飛び掛かる。
TIPS€ 田井中 誠 8月31日死因、複數の神種を前にして能力の覚醒に至る、しかし、単騎で、孤立。そのまま、量により敗北。最後は、神種"カーミラ"により全のを奪われて失死
「へえ、骨のある奴もいるな」
迸る赤い閃き。
シエラチーム、田井中誠の異能。
ホット・アイアンズ。
鉄を溶かし、好きな形に形するその力。
神種との生存競爭の中で磨かれ、ついには中の鉄をり、そのものを変質、作する能力へ。
だがーー。
ぽきん、ぽきん、ぽきんぽきん。
「おっと。お前強いな」
「なっ……」
必殺の間合い、タイミング。
自分のを混ぜた鉄芯の変形、作。
自分の意思でく長い杭の出。
田井中が放てる最高の不意打ちはしかし、雑に振るわれる耳の男の右腕により全て防がれる。
「なん、で……」
「いや、発想もタイミングも度も何も悪くない。お前が今んとこ1番良いよ」
ぼろろろ。
右腕、厚い切り包丁のような形に変わったソレをぶらぶら振りながら耳男が答える。
「だがあえてのレッスン3を伝えるなら、そうだな。戦いにおける適正と役割の違いだ。お前は誰かと組む事でポテンシャルを100%発揮するタイプだろ」
「は、はは……ご指導ご鞭撻どうも、見た目と違ってアンタ、かー!?」
軽口を返そうとした田井中、言葉が詰まる。
なんの脈絡もなく、耳男が彼の腹を毆り抜こうとしたからだ。
がぎん!!
「が、あ!? ……はっ、似てんなァ、その唐突もねえ攻撃、うちの大將そっくりだわ!
味山の拳は、田井中の腹にけ止められる。
妙な。
見れば、が鎧のように腹を覆って。
TIPS€ いずれ神に辿り著くやもしれない超常の力だ
「……いいよなあ、なんか、そういう能力バトル出來そうな力し憧れるよ」
「……ははっ、ほんと、世の中広いな」
ぼごん!! ぼごん!!
ぱき。
だが、その鎧は耳の大力に対して何度も耐えれるようなものではなかった。
「前衛と組め。お前の能力は遊撃と不意打ちに向いてる。そう、例えばーー」
腹への低空アッパー。
芝生の地面ごと吹き飛ばす毆打が、田井中誠を毆り飛ばす。
「な……」
「そこで突っ立ってるデクの棒みたいな黒鎧とかな」
「……く、そ」
ぼろろ。
ぼいん、ぼいん。
ゴム毬のように地面を転がり、倒れ伏す田井中。
ソレを黙って見る事しか出來ない黒鎧。
もう、シエラチームは1人しか殘っていない。
TIPS€ シエラゼロ 4月20日・死因。マルスによる海原善人への過保護。戦の失敗と、"アビス・ウォーカー"の暴走
「あ、ああ……そんな、ユキシロ……マコト……そんな、一瞬で」
「これで3人。黒鎧。死んだぞ、お前の目の前で。……何してんだ? お前」
「え……」
「中にいる奴を出せよ。さっきをかしてた奴なら、まだ3人とも仕留めきれてないぞ。てめえの能なら、3人のフォローは出來たろ?」
シエラゼロは、けなかった。
ある神種との戦いでを失った海原善人の保存と保護。
それが今のマルスと呼ばれる生きの絶対的最優先事項である。
戦闘生である彼の本能はこう判斷した。
「どうした? 俺が邪魔なんだろ?」
ーー勝てない。
「ネガティブ……戦闘効率評価、再計算……ありえない、人類の戦闘限界を、あ、明らかに超えている……危険……です」
あらゆる能力、戦を使っても目の前の存在に通用する気がしない。
「……タダヒト、どうするの?」
「ぱぱ。あさまも戦いたいよ」
「うわ〜……アジヤマ、アイツなんか無法に強いね……」
「あの怪モード、反則っすよね。……ちょっと戦ってみたいっすね」
恐るべきは、未だ4人も背後に戦力が控えている事。
「悪いな、諸君。ノリノリでいてくれたとこ申し訳ないんだが、俺だけで充分だ。でも、そろそろサキモリの連中が來るだろ。そいつらの相手を頼むよ」
ーー勝てない。
勝てなければどうなる。
死、敗北、敗北、喪失、死。
恐れていた。畏れていた。
マルスの生としての本能、その答え。
ーー目の前のコレと戦えば、海原善人の生存が確立出來ない。
だが、逃げる事も出來ない。
「あ、ユキシロ……オサネ、ツグネ……」
その宇宙から飛來した生きは、短い間ではあったが、人を知ってしまった。
「タイナカ……マコト……」
善きものに囲まれて生存した彼。
見捨てる、その選択肢すら選べない。
TIPS€ "アビス・ウォーカー"は宿主の恐怖に反応する。臆せば、その力は宿主を食い破る事になるだろう
「また扱いにくいモン飼ってんな、お前らも」
ザッ。
「……っ」
ズッ。
耳男が、前へ。
倍以上巨大な、黒鎧が、後ろへ。
「どうした、來ないのか? 仲間を殺した敵が、お前の生存を脅かそうとしてんだぜ」
「……あ、ああ」
殺される。みんな死ぬ。
本來ならば己の生存のみに固執する筈のマルスという名前の生命は恐れる。
「……」
「……」
「……」
一瞬で戦闘不能に追い詰められた仲間。
神と呼ばれる星の脅威との戦いにより死にかけた己の宿主。
數多のストレス、危険がシエラゼロを追い詰める。
ーー貴はきっと、喪うでしょう。奪う事しか出來ないその手は大切なものを摑んでおくことなんて、でっきないんだよねえええええええ
海原善人の犠牲で仕留めた古い神の最期の言葉が、シエラゼロから離れない。
「ーー戦え。見せてみろ、お前達の力を」
「あ、あああああ」
勝てない相手が、やってくる。
何度も何度も何度も何度も、この生命溢れる星で繰り広げられてきた競爭。
終わりなき戦いの渦。
生命の本務が戦うことにあるのならば。
「い、いやだ、いやです、喪いたくない……誰も、何も、私が得た新しい場所を、意義を」
「いいや、このままじゃ全て無くなる。この世界はクソだ。お前が持ってるモンをいつも、いつも取り上げようとしてくるぞ」
「ネガティブ、認められない、そんな事……」
「同だ、黒鎧。じゃあ、自分が何をすればいいのか、分かるよな?」
耳の男の歩みは止まらず。
生命の進化とはいつも死の隣にある。
排除ーー。
どんな方法を用いてもーー。
例え、踏みれてならぬ忌の場所に行くとしても。
「『HELLO アビス』」
TIPS€ 警告 複數の怪種の反応を確認、來るぞ
TIPS€ アビス・ウォーカー(奈落の申し子)だ
どろろろろ。
ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゅに。
じゃららららららら。
るるるるるるるるる。
ぷぼぼぼびぼ。
ぞ、ぞぞぞぞぞぞぞぞぞ。
異形。
黒鎧のの至る所から生えるのは、手、翼、腕、腳、口、牙。
そのどれもが、怪種のもの。
の側から怪種を生み出す、それはまるで極小のバベルの大そのもの。
「アビス・ウォーカー……! 戦闘プログラムを、怪種の力を加味した特殊プログラムに変更……!」
「ギャハハハハハハハ!! 悪くねえ!! いいぜ! 教育してやるよ!!」
化けの部位をいくつも生やした異形の黒鎧。奈落の申し子、青いの苗床。
お耳を生やした只の化け。
「化けバトルのいろはをよお!!!!」
奈落の申し子が最強の化けに、挑む。
読んで頂きありがとうございます!ブクマして是非続きをご覧ください!
2023年12月6日、次にくるライトノベル大賞の〆切です。
良ければ、凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ、現代ダンジョンライフの続きは異世界オープンワールドで! への投票頂ければ幸いです。
つぎラノ投票↓
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