「あらあら……」

久々に會えた冬の姿に、菜と小夜はその傍を誰にも譲らなかった。

エレーナやマーホンも、そんな菜の姿を優しい笑顔で見守っている。

『じゃあ……私、そろそろ行くね』

「どこに行くの？フーちゃん？」

『他の世界も見て回らないといけないん……こことは関係ない所もあるから、今度はまたいつ會えるかわからないけど……でも、楽しかった。私もハル姉ちゃんたちのように、人として一緒に過ごしてみたかった』

「フーちゃん……」

『えへへへ……でもね、最後にもう一度ハル姉ちゃんと會えて本當に良かったよ！だから……私のこと……忘れないでね……』

「フーちゃんも……私のこと……忘れないでね」

『うん、ハル姉ちゃん……あ、そうだ！』

菜との別れを寂しくじていたフウカは、何かを思いついた。

そして、菜に近付いてのあたりに手を當てると、その間でが発せられる。

そのは痛みや熱もなく、ただ何かがっただけだと菜はじていた。

「フーちゃん、これ……？」

『私のことを忘れないように、ハル姉ちゃんの中にしだけ私の痕跡を殘させてもらったの……きっと生まれ変わったときに一度忘れてしまうかもしれないけど、ここに戻ってきた時にはまた私のこと呼んでね』

「ねぇ、これ……また”死ねない”とかそういうことにならないよね？」

『うん、大丈夫だよ。特別な能力は付與してないから……でも、ハル姉ちゃんが怖い目にあったときには、そのを守れるようにはしてある』

「え！？なにそれ！！」

『えへへへ、いたずら……っていうか、私の謝の気持ち。普通は発しないから、平気よ！……たぶん』

「もう！フーちゃんったら……ありがとね」

そう言ってハルナは、フウカのことを抱き寄せた。

『またね……ハル姉ちゃん』

「……うん、またね。フーちゃん」

そういって二人はお互いの相手のから離れ、その手にれられなくなる。

そしてにっこりと笑ったフウカは、菜の前からゆっくりとの粒となって消えていった。

「それじゃあ……私もそろそろ行くね」

「え？エレーナもいっちゃうの！？」

「うん、結構長い間待ってたんだよ？あなたのことを……ずっとフーちゃんが教えてくれてたから、あなたがこっちに來ることがわかったんだけどね」

「私も、がなまってきているので、エレンと一緒に行きます」

「アルベルトさん……」

「また、付いて來るつもりなの？」

「もちろんだ、そういう”約束”だっただろ？」

「……ん、もう」

そのやり取りに対して、菜は今までも一緒だったのかと聞くと、どうやらハルナがこの世界に戻ってくる前に數回一緒に元の世界へと戻ったことがあるらしい。

向こうの世界で離れていても、いつかは二人は巡り合えていたようだった。

二人の間には強い絆があり、必ずその世界で出會えて、出會った瞬間に”運命の人”だとじているようだった。

これも、フウカの力によって行われているらしいが、二人は菜の大切な友人であるため二人の願いをフウカが葉えてくれたと言っていた。

「ふん、飽きないもんかねぇ」

小夜のその言葉にも、エレーナは笑顔で応えた。

「サヤさまも、いつかそういう方と出會えるといいですね？」

「……ふんっ！」

こうして二人は菜とまた會う約束をして、元の世界へと旅立っていった。