《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》175.嫁バトル?

妹にして霊の、マーテル。

に俺の嫁、ダンタリオンを紹介した。

「は? ……お兄様、結婚したんですか? 私以外のと……?」

ぶわ……! と彼から、まあほどほどの量の魔力が吹き荒れる。

「ぐっ……! なんて凄まじい魔力量……まるで嵐だ!」

「え、何ってるんだガイアス。嵐は言い過ぎだろ? まあ前髪がオールバックになるくらい?」

「狀況を察しろよ兄さん! 誰のせいでマーテルがキレてると思ってんだよ!?」

「え、俺ぇ……?」

「そうだよ!!!!!!!!!!!!」

俺、何か起こらせること言っただろうか……?

うーん。

一方マーテルはダンタリオンに近づく。

じろじろ、と嫁の顔……からだ……特に、発達したむねを見て、怨嗟の聲を上げる。

「……か」

「え、え、あの……?」

ダンタリオンは気な格なやつだ。

だからマーテルから敵意を向けられ、困していた。

「お兄様をその下品なしたんでしょう? そうに決まってます。でなければ、私にことわりもなく結婚するはずがありません」

一方ミカエルが首をかしげる。

「まーてる、おかしなやつです。あにうえはちちにきょーみねーです。がいあすにおっぱいねーです?」

「み、ミカくん黙ってようね……」

「えりちゃん、なんで涙目です?」

「なんでもないよっ」

エルフのエリーゼが涙を流しながらミカエルをひっぱっていった。

何を泣いてるんだろう……?

うーん。

「あ、あの……! 初めましてマーテル様。わたくしはダンタリオンと申します。ユリウスさんの……その……お嫁さんにしていただいておりまして……」

「認めない」

マーテルはハッキリとそう言った。

「悪魔が、この世でもっとも尊い勇者神の嫁? はっ、笑わせないで。所詮は悪魔なんて汚い存在なのだから」

「……!」

……ちょーっと、きれそうになった。

おしおきしないと……。

「聞き捨てならないよ、マーテル」

「ガイアスさん!」

ガイアスがマーテルとダンタリオンの間に割ってって、妹を見下ろす。

「悪魔が汚いだなんて、誰が決めたんだい?」

「悪魔とはそういうものなのです」

「くだらないね。君はダンタリオンがどんな人かもしらないで、汚いなんて決めつけて。狹量にもほどがある。彼は優しく、聡明な人。そして何より……兄さんが自分で選んだんだよ、自分の嫁に」

ぎり、とマーテルが悔しそうに歯がみする。

「ダンタリオンが兄さんの嫁にふさわしくないって言うのは勝手だよ。でも彼の人となりも知らずに、彼の人格を否定するようなマネはやめろ。レディに失禮だ」

「が、ガイアス様……すみません、わたくしなんかのために、かばっていただいて」

ふんっ、とガイアスはそっぽを向いて言う。

「勘違いしないでほしいな。別に君をかばったわけじゃあない。ただ……に対してひどいことをいう、そいつが許せなかっただけだ」

が、が、ガイアスーーーーーーーーーーーす!

「おまえええええ!」

「な、なんだよ兄さん! くっつくなよ!」

俺はガイアスを強くだきしめる。

なんて……優しいやつなんだ! うぉおお! 俺はしたぞ!

「ますます好きになっちゃうじゃあないか!」

「やめろこら! ひ、人が見てるだろ!」

「人が居ないならちゅーしていいのか?」

「ぎゅー! やめろぉ!」

「でゅふ……♡ 続けて、どうぞ……でゅふふ♡」

そんな風に俺たちがわきあいあいとしてると……。

「よく理解しましたわ、お兄様」

凍てつくような聲音で、マーテルが言う。

「お兄様をたぶらかす雌が、今この時代には2人もいるのだと」

「ちょっと待て! ボクはじゃあない!」

「お兄様、その二人にされて、正常な判斷ができていないのですね」

「正常な判斷ができてないのは君だからね! ボクは男だから!」「ガイアスは雌です?」「黙ってろミカ!」

びしっ、とマーテルが俺に指を向ける。

「今日はここで引き下がってあげます。ですが、私はお兄様の心を、絶対に取り戻して見せますからね!」

「そっか。まあ、狙うのは俺だけにしておけよな」

「言われるまでもありません」

マーテルはきびすを返すと、煙のように消えてしまった。

周りに迷かけるなって意味だったんだが、伝わってるだろうか。

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