《僕の姉的存在の馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜》
楓と一緒に登校する時、學校が違うせいか私からう場合が多い。
楓は私に気を遣って1人で登校することが多いので、先に楓の家に行って待つ事が正解だったりする。
「はやくしてよ、弟くん」
「うん。今行く」
そう言って、楓は鞄を持って玄関先まで向かってくる。
私が玄関先で待っているのをわかっているじだし、これ以上はなにも言わない。
季節はもう秋だ。
私たちの進路のこともありバンド活も控えめになっている。
まったくやらないというわけではないが、勉強の方も大事だという事で意見がまとまったのだ。
私が通っている子校はかなり有名なところだから、進路もそれなりには考えないといけない。
教師からは、かなりランクの高い子大を勧められたが、それはやめておいた。
楓と離れるのは、これ以上は限界とじたのだ。
いくら近くに共學の高校がないからって、大學まで子大に決めてしまうのはちょっと──
それにしても。
高校生活もあとしで終わりか。
Advertisement
この可い制服姿も、あとしで最後になってしまうな。
その間に、どれだけ楓にアプローチできるか。
「お待たせ。さぁ、行こうか?」
「うん」
私は、そう返事をして楓と一緒に家から出る。
楓が玄関のドアに鍵をかけたのを確認した後、私は著ている制服のチェックをする。
校則違反をするほどひどいものではないが、やはり制服のスカートが短めなのがちょっと恥ずかしかったりする。
これ以上はどうにもならないので、仕方がないといえば仕方がないのだが……。
初めて著た時は、そんなはなかったんだけどな。
今さらながら、子校の制服がここまで恥ずかしい気持ちになるものとは思わなかった。
楓はどう思っているんだろう。
「ところで弟くん。今日の私はどうかな? 変なところはない?」
「変なところって言われても……。いつもの香奈姉ちゃんみたいだけど……」
「そういう意味じゃないんだけどなぁ……。まぁ、いっか。弟くんがそれでもいいのなら──」
どうやら楓には、私の質問の意味がわかっていないみたいだ。
それとも子校の制服姿が當たり前すぎて、頭の中がバグっているとか?
どちらにしても、ちょっとはしゃぐだけでスカートの中が丸見えになっちゃうのは心しないかも。
「香奈姉ちゃんがいつもどおりだから、どこを褒めればいいのかわからなくて……。可いのはたしかなんだけど……」
楓は、どこか悩みを覚えたようなじでそう言ってくる。
そんな顔をされてもな。
私としては、いつもの楓であってほしいんだけど。
こうして普通に歩いているだけでも意識しちゃうとか、やっぱり張してるのかな?
「お姉ちゃんに『可い』って言うのは、ちょっと心しないな。せめて『綺麗だよ』とかの言葉がほしいな」
「あ、うん。ごめん……」
「謝らなくていいよ。弟くんの言い分もよくわかるから」
「えっ」
「奈緒ちゃんとか、仕草が可いんだよね。私たち、とてもお姉ちゃんっぽくないから、どうしても変なところを見てしまうんだよね?」
変なところというのは、もはや語るまでもない。
ちょっとした仕草だ。
制服姿でそんなことをしたら、どうなるかなんてすぐにわかってしまう。
私自も、人のことは言えないからなんとも──
「そんなことは……。香奈姉ちゃんはいつもどおり綺麗だし」
楓は、どこか含みのある表現をする。
本音では可いって言いたいのかな。
「ホントは可いって言いたいんでしょ?」
「そんなことは……」
楓は、そう言って私のことをまじまじと見てくる。
そんな視線で見つめられたら、なんの説得力もないんだけどな。
途端、悪戯な風が吹き抜ける。
「きゃっ」
風は勢いよく吹き抜けていき、穿いているスカートが捲れた。
中の下著が一瞬だけだが丸見えになる。
ちなみに、下著のはピンクだ。
見せるためにそんなのを穿いているわけではない。
私は、咄嗟にスカートを押さえる。
今さらなじがするが、まわりの目もあるため一応そうしておく。
「見た? 見たよね? 今の絶対に見たよね?」
私は、いかにも不満げな視線を楓に向けてそう訊いていた。
「なにを?」
楓は、なぜか思案げにそう聞き返してくる。
あきらかに見たくせに、その反応はさすがに……。
でも楓からは、とぼけたような表は見えない。
ホントに見なかったのかな。
「ん~。見てないのなら、別に気にしなくていいけど……」
私からは、そんな風にしか言えなかった。
はっきりと『見た』だなんて言えないだろうし。
もしかしたら、ホントに見てなかったかもしれないから。
「うん。ちょっと目にゴミがってしまって、それどころじゃなかったかも……」
「そっか。それなら仕方ないね」
ちょっとだけ惜しい気もしたが、そんな本心は言わないことにする。
見なかったのなら、それはそれで良かったのかもしれない。でも──
「うん。仕方ないかも……」
楓は、どこか殘念そうな顔をする。
私のスカートの中を見れなかったのが、そんなにショックなことだったのか。なるほど。
「もしかして、見たかったりする?」
「なにを?」
「いや、その……。たとえばスカートの中とか……」
「そこはさすがに……。見せるようなところじゃないでしょ」
「うん。まぁ……。そうなんだけど……」
私は、自分に言い聞かせるようにそう言ったが、正直迷っていた。
楓には、素直に見せた方がいいのかなって思ったのだ。
でも狙ってやることでもないし、どうしたら……。
「そんな顔しないでよ。香奈姉ちゃんは、普段から綺麗なんだから、もうし自然でいてもいいと思うよ」
「うん、ありがとう。弟くんがそう言うのなら、そうしてみようかな──」
「お禮を言う場面じゃないと思うんだけど……」
楓は、急に恥ずかしくなったのか顔を赤らめさせてポリポリと頬を掻く。
やっぱり制服姿の私を見て、目のやり場に困っているのかな?
ちょっとした微風でもスカートが揺らいでいるくらいだから、そうなんだろう。私自も気にしてしまうくらいだし。
思い切ってスパッツでも穿いてみようかな。
と、思ったがやっぱりやめておこう。
せっかくの可さを演出できない。
「弟くんになら、見せてあげてもいいかなって──」
私は、楓に聞こえないようにボソリとそんなことを呟いていた。
楓の方はというと、なぜだか思案げな表で私のことを見ている。
「おはよう、香奈。楓君も──」
しばらく歩いていたら、向こうから奈緒ちゃんがやってきて聲をかけてきた。
「おはよう、奈緒ちゃん」
「おはよう、奈緒さん」
私と楓は、一様にして挨拶をする。
これもいつもどおりって言われたらそうなんだけど、いつもと違うのは、楓に対するアプローチのやり方だ。
奈緒ちゃんは、わざわざ楓の隣にやってきて腕を摑んだかと思えば、何事もなかったかのように歩きだす。
奈緒ちゃんにとっては、それが自然なんだろう。
私も、いちいちそれを指摘するのもどうなんだろうと思い、なにも言わなかったが……。
「今日の楓君は、いつもと違うみたいだけど……。なにかあった?」
「ん? そうかな? いつもどおりだと思うけど」
やっぱり楓は、そう言いながらも奈緒ちゃんの制服姿までチェックしていた。
奈緒ちゃんの制服のスカートも、やはり短めなじだ。
私よりか、ややだらしなく著こなしているあたり、ファッションの意味合いも兼ねているみたいである。
その証拠に、著ているブラウスの元辺りのボタンを緩めているし……。
これは、狙ってやってるなと思わずにはいられない。
奈緒ちゃんの元を覗けばブラジャーがチラリと見えてしまう。
いつもはそんなことしないのに……。
奈緒ちゃんは、微笑を浮かべて言う。
「楓君は、わかりやすいね。あたしのこともしっかりと見てくれているから、これ以上だらしない格好はできないや」
「奈緒さんは、いつもクールでしっかりしているからね。その格好は、かえってあざとく見えてしまうかも……」
楓は、奈緒ちゃんの制服姿を見て、率直な想を言っていた。
たしかに奈緒ちゃんをギャルっぽくしたら、あざとく見えてしまうかもしれない。
普段から、クールなイメージがある奈緒ちゃんにとっては、それは逆に似合わない。
「あたし的には、良いと思うんだけどな」
奈緒ちゃんは、ちょっとだけムキになったのかムッとした表をする。
そう言われてもな。
まぁ、決して似合わないわけではないけど……。
奈緒ちゃんの場合は、元の素材がいいから、無理に制服を著崩してしまわなくてもいいと思う。
私自も、そこまでファッションに対して詳しいわけではないから、なんとも言えないけど……。
あくまでも制服だから、そこまでファッションの意味合いを兼ねなくてもいいと、個人的には思っている。
「うん。それも良く似合っているよ」
「そうだよね? 香奈には、やっぱりわかるんだね」
「もちろん!」
私は、そう言ってグッドサインをだす。
楓はなにか言いたそうな顔をしていたが、異論は許さない。
「弟くんにも、わかるよね?」
「えっ。その……」
「わかるよね?」
「う、うん。わかってるよ」
「さすが弟くん!」
私だって、そういう格好がしたい時があるんだから、奈緒ちゃんのことを悪くは言えない。
せっかくだから、今日くらいは──
そうとも考えたが、楓の隣を歩く以上、軽はずみなことはできない。
私くらいは、清楚なじでいかないと。
そんなこんなで歩いていると、いつもの2人に出會す。
相変わらず、沙ちゃんと理恵ちゃんは仲がいい。
「おはよう」
私は、そんな2人に挨拶をしていた。
売れ殘り同士、結婚します!
高校の卒業式の日、売り言葉に買い言葉でとある約束をした。 それは、三十歳になってもお互いフリーだったら、売れ殘り同士結婚すること。 あんなのただの口約束で、まさか本気だなんて思っていなかったのに。 十二年後。三十歳を迎えた私が再會した彼は。 「あの時の約束、実現してみねぇ?」 ──そう言って、私にキスをした。
8 171身代わり婚約者は生真面目社長に甘く愛される
ごく普通のOL本條あやめ(26)は、縁談前に逃げ出した本家令嬢の代わりに、デザイン會社社長の香月悠馬(31)との見合いの席に出ることになってしまう。 このまま解散かと思っていたのに、まさかの「婚約しましょう」と言われてしまい…!? 自分を偽ったまま悠馬のそばにいるうちに、彼のことが好きになってしまうあやめ。 そんな矢先、隠していた傷を見られて…。 身代わり婚約者になってしまった平凡なOL×生真面目でちょっと抜けている社長のヒミツの戀愛。
8 59俺の隣の席の人が毎日違うのですが?
俺の隣の席の女子は何故か毎日違う人がくる。 青髪ポニーテール、緋色ショート、金髪ロング×2黒髪の本人 そして月曜になったらまた最初に戻るを繰り返している。なのに誰にも気がつかれていない彼女達 これはそんな彼女達と俺との日常
8 174脇役転生の筈だった
乙女ゲーム『エデンの花園』に出てくる主人公……の、友人海野咲夜。 前世の記憶というものを取り戻した咲夜はある未來のために奮闘する。 だって、だってですよ? この友人役、必ず死ぬんですよ? 主人公を庇って死んじゃうんですよ? ……折角の2度目の人生、そうそうに死んでたまるかぁぁぁ!! という思いから行動した結果、何故か私を嫌っている筈だった兄が重度のシスコンと化したり…。 何故か面倒事に巻き込まれていたり? (特にシスコン兄の暴走のせいですが) 攻略対象者とは近付かないと決めていたのに何故か友人になって…。 しかもシナリオとは違って同じクラスになってるし…!
8 119いじめられっ子の陰キャJKは自分を変えるため、ダンジョンに挑む〜底辺弱者は枕とレベルアップで強者へと駆け上がる〜
七瀬世羅、彼女の人生は後悔の連続。一度選択肢した人生は巻き戻す事の出來ない現実。 何度だってやり直したいと願い夢見た。その度に砕けそうになる思い。 この世界にはダンジョンと呼ばれるモノが存在し、全ての人間にレベルシステムとスキルシステムが適応される。 まだ謎が多いシステム達、世羅はとある日に〇〇を獲得する。 日頃の生活で培った耐性スキル以外に一つだけ、スキルが増えていた。 それをきっかけに、家の前にあるダンジョンに挑戦する。 ただの高校生だったのに、小さなきっかけでダンジョンに挑む。 そこで見た光景は、想像を超え、そして再び後悔する光景。 なんで來てしまったのか、どうしてこうなったのか、焦る思考の中考える。當然答えは無い。 足はすくみ、腰は抜け、動けないでいた。 恐怖の塊が近づいて來る。自分の彼女達と同じ経験をする──そう感じた時、颯爽と空を飛び恐怖の塊と戦おうとする勇敢な───枕が居た。 彼女の人生は【枕】から始まる。 いじめられっ子からの脫卻、毒親からの脫卻、貧乏からの脫卻。 この世界はレベルシステムにより簡単に強さの優劣が決まる。 分かりやすい世界だ。 あとは、運と実力と、最高の相棒(枕)が居れば十分だ。
8 111戀した魔法少女~生まれ変わった魔法少女が、15年ぶりに仲間と再會する~
「あの時死んだ魔法使い、佐倉町子は私だよ!」 二〇世紀も殘り僅かとなった時代。 大魔女から力を授かり、魔法使いになった五人の少年少女が居た。 最初こそテレビのヒーローのように、敵を倒して意気揚々としていたが、楽しいことばかりは続かない。 ある日、魔法少女の一人・町子は、不可解な行動をする仲間を追って戦闘になり、この世を去る。その魂が蘇った15年後の世界で、彼女は仲間だった魔法使い達に再會して-ー。 仲間との年齢差・約16歳の、記憶と戀が求める未來は? ※過去に新人賞用で書いていたものです。以前カクヨムにアップしていました。 完結済み作品なので、毎日更新していけたらと思っています。 よろしくお願いします。
8 57