《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》

ミハイルが正気を取り戻したところで……。

俺たちは晴れて、夫婦になれた。

いや、夫婦という表現はちょっと違うか?

まあなんにせよ、これで俺とミハイルは、永遠のパートナーだ。

牧師のロバートが會場のみんなに向かって、宣言する。

「さあ、この二人の新しい門出に、盛大な拍手をくだサイ!」

待っていましたと言わんばかりに、一斉に席から立ち上がると。

力いっぱい手を叩いて、祝ってくれた。

みんな自分のことのように、嬉しそうに笑っている。

「おめでとう、タクオにミハイル!」

「二人とも、素敵です!」

ぶのは、リキと一。

「あのぉ~ 初夜に畫を撮影したいのですが、可能でしょうか!?」

そんなふざけたことをぶのは、俺の腐った職場仲間だ。

普段は真面目で大人しいなのに、BLや同については覚がぶっ壊れている。

全て編集長の倉石さんによる、調教のせい。

誰が営みの録畫を許可するか!?

そういう撮影は、俺だけがして良いの。

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ヤベッ! そう言えば、ビデオカメラを用意してなかったぜ。

式が無事に終わり、新郎新婦は退場することになる。

ゆっくりとヴァージンロードを二人で歩く。

ミハイルは嬉しそうに、級友や家族に手を振っていた。

俺はと言えば、正直誓いのキスをやり過ぎたと後悔していた。

自家発電の直後……賢者タイムみたいな気分。

今になって恥ずかしさが、こみ上げてくる。

そりゃそうだ。

目の前でカメラを向けている、母さんとばーちゃんの前で、あんな濃厚キスとみをしたのだから。

「タクくん! 母さん、したわよ!」

「すごいじゃない、タッちゃん!」

褒めてくれているんだけど。なんか二人とも口から、よだれを垂らしているんだよね。

もちろん、妹のかなでも見逃すわけなく。

「尊い! おにーさまなら、ミーシャちゃんと結婚できると思ってましたわ! 全てかなでの計畫通り。裝させて良かったですわ」

え? 全部、あいつが仕組んだことなの?

怖っ。

一歩進むごとに、俺は出席者へ頭を下げる。

しかし、とある出席者の前で、小さな石ころを投げられた。

「いてっ!」

本當に小さなものだから、頬に當たっても、さほど痛むものではないが。

連続して投げられると、ちょっと痛む。

それに目にもるし……。

「鬼は外~! 鬼は外~っ! BL作家はいらな~い!」

誰だ、季節外れの豆まきをしているのは?

ミハイルにはしないで、俺にだけ投げてきやがる。

しかも、顔面狙い。

何個か石をキャッチすることが出來たので、手の上にのせて確認してみると。

「これは……白米?」

辺りを見回してみると、他の出席者たちも網かごから手に摑み、投げている。

顔面ではなく、足元に優しく落とすレベル。

だが、この出席者には悪意しかじない。

相手の顔をじっくり見つめると、そこには小さなの子が立っていた。

いやアラサーのロリババア。

白金が俺の顔目掛けて、ライスシャワーを投げつける。

「悪霊退散っ! 早くミハイルくんにおを攻められて、痔になっちゃえ!」

「……こんの、ロリババア。お前は最後ぐらい大人になれよっ! ちゃんと祝えないのか?」

「祝うわけないじゃん! このクソウンコ作家! ラブコメなんて、最初から書けなかったんですよ!」

その時、俺の中で何かがブチンと切れる音がした。

「なんだと、貴様! ちゃんと売れただろうが! お前が編集として力不足だったんだ!」

新婦を殘して、白金に飛び掛かる。

どうしても、こいつをぎゃふんと言わせたいから。

そのあと取っ組み合いのケンカになり、宗像先生とヴィッキーちゃんが止めにるまで、俺と白金のケンカは止まらなかった。

みんなから祝福されて、無事に結婚式を挙げることが出來た。

ミハイルと仲良く會場から出ると、一臺のオープンカーが目にる。

かなり派手な車だ。

ピンクの車だし、大きなリボンや白いバラで作られたリースなどで、裝飾されていた。

の後方部には、紐で括られた複數の空き缶が、アスファルトに転がっている。

これは……ブライダルカーってやつか?

「ほら、タクオにミハイル! 早く乗れよ、出発するぜ」

運転席には、なぜかリキが座っている。

「そうだよ。二人が主役なんだからね♪ あ、ちなみにこの車は、私がデザインしたの」

と助手席で笑うのは、腐子のほのかだ。

つまり、彼が普段から乗り回している車なのか。

その証拠に、リボンやリースでは隠し切れない部分が、悪目立ちしている。

頬を赤くしたショタっ子が、おじさんに無理やり襲われているのに……「らめぇ」とれているBLイラスト。

フロントだけじゃなく、全の男たちがプリントされている。

BL痛車とでも、言うのか?

こんな恥ずかしい車には、乗りたくない……。

でも、せっかく用意してくれたブライダルカーだし、我慢して後部座席へ乗ることに。

それに結婚式を企畫、參加してくれたみんなが、わざわざ駐車場まで見送りに來ている。

俺たちの新しい門出を、見守っているのだろう。

後部座席から、二人で手を振る。

「それじゃ、みなさん。本當にありがとうございました!」

「バイバイ~ みんな☆」

運転手を任せられたリキが気を使って、駐車場をぐるりと一周する。

その間、結婚式に參加したたくさんの人々に、挨拶することが出來た。

一ツ橋高校から出発する前に、ミハイルが手にしていたブーケを空に向かって、投げる。

ブーケトスってやつだ。

大勢の子が鼻息を荒くして、ブーケを手にしようと競い合っていたが。

それを見た宗像先生が、強い口調で注意する。

「こらぁ! 今回の花嫁は、男の古賀だ。よってブーケを手に出來るのは、男子のみ!」

先生が考えた謎ルールのせいで、子はため息をついて解散する。

地面に落ちたブーケを拾ったのは……天然パーマのバニーボーイこと、住吉 一。

「あ、僕が次のお嫁さん……?」

よりにもよって、リキに片想いしている一か。

知らねっと……。

~それから、30分後~

學校から離れて、しばらく経ったころ。

俺たちは、大きな國道を走っていた。

このブライダルカーは、ミハイルも知らなかったようで、驚いていた。

オープンカーだから目立つし、風がバシバシ當たって寒い。

でも、不思議と気分は悪くない。

「ところで、リキ。一、どこへ向かっているんだ?」

「え? ああ、実はミハイルにも黙っていたんだけど……なあ、ほのかちゃん?」

恥ずかしそうに、頭をかくリキ。

仕方なく、助手席のほのかが説明してくれた。

「もう、リキくん。こういう時、頼りないんだから。あのね、宗像先生と一ツ橋高校のみんなで、話し合って決めたんだけど……。実は二人に結婚のお祝いがあるの」

「お祝い?」

「うん。今、向かっている場所……ホテルを予約しておいたの。お金も事前に払っているから、心配しないで。ちょっとしたハネムーンだから♪」

「!?」

これには驚いた。

あの借金まみれの宗像先生が、生徒にそこまでしてくれるとは……。

ミハイルもハネムーンと聞いて、していた。

「ハネムーンなんて考えていなかったよ。ありがとう、ほのか。それにリキも……」

目に涙を浮かべて、禮を言う。

「はは! 気にすんなよ、ハネムーンと言っても福岡市だぜ? お、もうすぐ著くぞ」

ん? ハネムーンなのに、福岡市だと?

おかしくないか。

福岡県で旅行するとしたら、ビルや商業施設が並ぶ市より、自然の多い場所を選ぶと思うが。

首を傾げていると……リキが運転する車は、賑やかな繫華街、博多を走っていた。

ビジネス街だから、大きなビルが立ち並んでいる。

ホテルもあるにはあるが、ビジネスホテルばかりで。ハネムーンに利用するものとは程遠い。

と思っていたら、車は人通りの多い『はかた駅前通り』にる。

見覚えのある差點で、ウインカーを出すと。リキが「ここだったよね?」と、助手席のほのかに尋ねる。

が「うん」と頷くと、そのまま左折した。

裏通りにったところで、目にったのは……俺たちがよく通っているラーメン屋『博多亭』だ。

まさかとは思うが、ここに來たと言うことは?

ブライダルカーは小さな白いホテルの前で、止まる。

正しく表現するには、説明不足だろう。

宿泊施設として、利用目的が違うのだから。

「さ、下りてくれ」

驚く間もなく、リキが終點を告げる。

「なっ!? リキ、お前。ここがなんのホテルか、知っているのか!?」

「え……ラブホだろ? 悪りぃ、金と時間が無くてさ。宗像先生が『ホテルには違いないだろ』って予約したんだ」

「ウソだろ……?」

ただのヤリ部屋じゃん。どこがハネムーンなの?

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