《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》
ミハイルが正気を取り戻したところで……。
俺たちは晴れて、夫婦になれた。
いや、夫婦という表現はちょっと違うか?
まあなんにせよ、これで俺とミハイルは、永遠のパートナーだ。
牧師のロバートが會場のみんなに向かって、宣言する。
「さあ、この二人の新しい門出に、盛大な拍手をくだサイ!」
待っていましたと言わんばかりに、一斉に席から立ち上がると。
力いっぱい手を叩いて、祝ってくれた。
みんな自分のことのように、嬉しそうに笑っている。
「おめでとう、タクオにミハイル!」
「二人とも、素敵です!」
とぶのは、リキと一。
「あのぉ~ 初夜に畫を撮影したいのですが、可能でしょうか!?」
そんなふざけたことをぶのは、俺の腐った職場仲間だ。
普段は真面目で大人しいなのに、BLや同については覚がぶっ壊れている。
全て編集長の倉石さんによる、調教のせい。
誰が営みの録畫を許可するか!?
そういう撮影は、俺だけがして良いの。
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ヤベッ! そう言えば、ビデオカメラを用意してなかったぜ。
※
式が無事に終わり、新郎新婦は退場することになる。
ゆっくりとヴァージンロードを二人で歩く。
ミハイルは嬉しそうに、級友や家族に手を振っていた。
俺はと言えば、正直誓いのキスをやり過ぎたと後悔していた。
自家発電の直後……賢者タイムみたいな気分。
今になって恥ずかしさが、こみ上げてくる。
そりゃそうだ。
目の前でカメラを向けている、母さんとばーちゃんの前で、あんな濃厚キスとみをしたのだから。
「タクくん! 母さん、したわよ!」
「すごいじゃない、タッちゃん!」
褒めてくれているんだけど。なんか二人とも口から、よだれを垂らしているんだよね。
もちろん、妹のかなでも見逃すわけなく。
「尊い! おにーさまなら、ミーシャちゃんと結婚できると思ってましたわ! 全てかなでの計畫通り。裝させて良かったですわ」
え? 全部、あいつが仕組んだことなの?
怖っ。
一歩進むごとに、俺は出席者へ頭を下げる。
しかし、とある出席者の前で、小さな石ころを投げられた。
「いてっ!」
本當に小さなものだから、頬に當たっても、さほど痛むものではないが。
連続して投げられると、ちょっと痛む。
それに目にもるし……。
「鬼は外~! 鬼は外~っ! BL作家はいらな~い!」
誰だ、季節外れの豆まきをしているのは?
ミハイルにはしないで、俺にだけ投げてきやがる。
しかも、顔面狙い。
何個か石をキャッチすることが出來たので、手の上にのせて確認してみると。
「これは……白米?」
辺りを見回してみると、他の出席者たちも網かごから手に摑み、投げている。
顔面ではなく、足元に優しく落とすレベル。
だが、この出席者には悪意しかじない。
相手の顔をじっくり見つめると、そこには小さなの子が立っていた。
いやアラサーのロリババア。
白金が俺の顔目掛けて、ライスシャワーを投げつける。
「悪霊退散っ! 早くミハイルくんにおを攻められて、痔になっちゃえ!」
「……こんの、ロリババア。お前は最後ぐらい大人になれよっ! ちゃんと祝えないのか?」
「祝うわけないじゃん! このクソウンコ作家! ラブコメなんて、最初から書けなかったんですよ!」
その時、俺の中で何かがブチンと切れる音がした。
「なんだと、貴様! ちゃんと売れただろうが! お前が編集として力不足だったんだ!」
新婦を殘して、白金に飛び掛かる。
どうしても、こいつをぎゃふんと言わせたいから。
そのあと取っ組み合いのケンカになり、宗像先生とヴィッキーちゃんが止めにるまで、俺と白金のケンカは止まらなかった。
※
みんなから祝福されて、無事に結婚式を挙げることが出來た。
ミハイルと仲良く會場から出ると、一臺のオープンカーが目にる。
かなり派手な車だ。
ピンクの車だし、大きなリボンや白いバラで作られたリースなどで、裝飾されていた。
車の後方部には、紐で括られた複數の空き缶が、アスファルトに転がっている。
これは……ブライダルカーってやつか?
「ほら、タクオにミハイル! 早く乗れよ、出発するぜ」
運転席には、なぜかリキが座っている。
「そうだよ。二人が主役なんだからね♪ あ、ちなみにこの車は、私がデザインしたの」
と助手席で笑うのは、腐子のほのかだ。
つまり、彼が普段から乗り回している車なのか。
その証拠に、リボンやリースでは隠し切れない部分が、悪目立ちしている。
頬を赤くしたショタっ子が、おじさんに無理やり襲われているのに……「らめぇ」とけれているBLイラスト。
フロントだけじゃなく、全にの男たちがプリントされている。
BL痛車とでも、言うのか?
こんな恥ずかしい車には、乗りたくない……。
でも、せっかく用意してくれたブライダルカーだし、我慢して後部座席へ乗ることに。
それに結婚式を企畫、參加してくれたみんなが、わざわざ駐車場まで見送りに來ている。
俺たちの新しい門出を、見守っているのだろう。
後部座席から、二人で手を振る。
「それじゃ、みなさん。本當にありがとうございました!」
「バイバイ~ みんな☆」
運転手を任せられたリキが気を使って、駐車場をぐるりと一周する。
その間、結婚式に參加したたくさんの人々に、挨拶することが出來た。
一ツ橋高校から出発する前に、ミハイルが手にしていたブーケを空に向かって、投げる。
ブーケトスってやつだ。
大勢の子が鼻息を荒くして、ブーケを手にしようと競い合っていたが。
それを見た宗像先生が、強い口調で注意する。
「こらぁ! 今回の花嫁は、男の古賀だ。よってブーケを手に出來るのは、男子のみ!」
先生が考えた謎ルールのせいで、子はため息をついて解散する。
地面に落ちたブーケを拾ったのは……天然パーマのバニーボーイこと、住吉 一。
「あ、僕が次のお嫁さん……?」
よりにもよって、リキに片想いしている一か。
知らねっと……。
~それから、30分後~
學校から離れて、しばらく経ったころ。
俺たちは、大きな國道を走っていた。
このブライダルカーは、ミハイルも知らなかったようで、驚いていた。
オープンカーだから目立つし、風がバシバシ當たって寒い。
でも、不思議と気分は悪くない。
「ところで、リキ。一、どこへ向かっているんだ?」
「え? ああ、実はミハイルにも黙っていたんだけど……なあ、ほのかちゃん?」
恥ずかしそうに、頭をかくリキ。
仕方なく、助手席のほのかが説明してくれた。
「もう、リキくん。こういう時、頼りないんだから。あのね、宗像先生と一ツ橋高校のみんなで、話し合って決めたんだけど……。実は二人に結婚のお祝いがあるの」
「お祝い?」
「うん。今、向かっている場所……ホテルを予約しておいたの。お金も事前に払っているから、心配しないで。ちょっとしたハネムーンだから♪」
「!?」
これには驚いた。
あの借金まみれの宗像先生が、生徒にそこまでしてくれるとは……。
ミハイルもハネムーンと聞いて、していた。
「ハネムーンなんて考えていなかったよ。ありがとう、ほのか。それにリキも……」
目に涙を浮かべて、禮を言う。
「はは! 気にすんなよ、ハネムーンと言っても福岡市だぜ? お、もうすぐ著くぞ」
ん? ハネムーンなのに、福岡市だと?
おかしくないか。
福岡県で旅行するとしたら、ビルや商業施設が並ぶ市より、自然の多い場所を選ぶと思うが。
首を傾げていると……リキが運転する車は、賑やかな繫華街、博多を走っていた。
ビジネス街だから、大きなビルが立ち並んでいる。
ホテルもあるにはあるが、ビジネスホテルばかりで。ハネムーンに利用するものとは程遠い。
と思っていたら、車は人通りの多い『はかた駅前通り』にる。
見覚えのある差點で、ウインカーを出すと。リキが「ここだったよね?」と、助手席のほのかに尋ねる。
彼が「うん」と頷くと、そのまま左折した。
裏通りにったところで、目にったのは……俺たちがよく通っているラーメン屋『博多亭』だ。
まさかとは思うが、ここに來たと言うことは?
ブライダルカーは小さな白いホテルの前で、止まる。
正しく表現するには、説明不足だろう。
宿泊施設として、利用目的が違うのだから。
「さ、下りてくれ」
驚く間もなく、リキが終點を告げる。
「なっ!? リキ、お前。ここがなんのホテルか、知っているのか!?」
「え……ラブホだろ? 悪りぃ、金と時間が無くてさ。宗像先生が『ホテルには違いないだろ』って予約したんだ」
「ウソだろ……?」
ただのヤリ部屋じゃん。どこがハネムーンなの?
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