《【10萬PV!】磁界の王はキョンシーへ撲滅を告げる》④ 灰かぶり 1

話題を変える様にあおいは改めて京香達が居る部屋を指した。

「そう言えば、フレデリカとシラユキは中にらなくても良かったの? 一応木下君のキョンシーだよね?」

「あ、そうなのそうなの! お兄様ったら酷いのよ! フレデリカが邪魔だって言うの!」

弾かれた様に車椅子上のフレデリカが首を上げてぷんすかと頬を膨らませる。まるで怒られた我儘娘の様な可らしい憤慨だ。

「フレデリカ様、仕方がありませんよ。一昨日を忘れたのですか?」

「知らない! お兄様を馬鹿にしたあいつらが悪いんだもん!」

聞くと、一昨日の會議にて、今までのハカモリとモーバとの戦いを話していた時、恭介の立ち回りへ侮辱する様な発言をした人間が居たらしい。

それにフレデリカが憤慨し、あわやアイアンテディを起するところまで行ったというのだ。

「そりゃ駄目だよフレデリカ。キョンシーが勝手に戦おうとするなんて」

アハハとキョンシーらしからぬフレデリカの行にあおいは笑う。まるで撲滅へと突撃する時の霊幻だ。

やはりキョンシーは執著からは逃れられないらしい。

「……フレデリカもお兄様の傍に居たいのに」

「駄目ですよフレデリカ様。これ以上邪魔をしてはご主人様の迷ります。京香様にもですよ」

あやす様にフレデリカの頭をシラユキがでた。人種も違うが、蘇生符さえなければ仲の良い姉妹の様にも見えなくは無かった。

「……京香はどう? やっぱり疲れてる?」

「ええ、昨日も日をいでからご主人様とお帰りにられてましたよ」

「ブーハオ。人間なんだからちゃんと寢なきゃダメだよー」

「昨日遅くまで質問していたのは我々中國ですけれどね」

――なら、やっぱり京香にはまだ話せないな。

先日見つけた姉の言狀。あかねがキョンシーにっているかもしれないという報があおいのの中でずっとグルグルと回っていた。

一刻も早くマイケルに話を聞きに行きたいと思っているが、中々彼との時間が取れなかった。

京香へ相談しようにも、今の彼にこれ以上の負擔は背負わせたくない。

――土屋さんにはバレちゃってるかな。

ここ數日、土屋がチラリと自分に何度か眼を向けているのには気付いている。早く、何が起きているのかを知りたかった。

あおいが一瞬目を伏せていると、シラユキが思い出した様に手を打った。

「ああ、そうだ、フレデリカ様、今日のご夕飯はシチューですよ」

「おーほっほっほ! 良いわね! シチューは大好きよ!」

聞くと、シラユキとフレデリカはこの會議の間、夕方頃には帰宅し、木下家で家事をしているらしい。

――元気だなぁ。

キョンシーには味覚が無いとされている。だが、自律型の中には食事を好むもそれなりには居た。フレデリカ達はそういうキョンシー達の様だ。

そんな話をしていると、あおい達の背後から聲が聞こえた。

「シラユキ、あなた、し変わったね」

あおいは知らない聲。振り向くと、みすぼらしいぼろ布を纏ったのキョンシーが立っていた。

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