《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》第十八話 マヤのスキル

別室に通された ナナとミトナルは、リンと違う意味で、行が出來ない狀況になっていた。

別室にってすぐにマヤが妖の姿になって、部屋から出て行ってしまった。

ミトナルとマヤは魂でつながっている。妖の姿になっている者は、戻ってこようと思えばすぐに戻って來られる。戻って來られるという安心から、久しぶりの王都を探索するつもりのようだ。

マヤも、妖の姿では目立つのはわかっている。王都に行くと決まってから、準備を始めていたスキルを発した。

マヤとミトナルは、妖の姿になった時に、目立つだろうと考えていて、目立たなくなるスキルを探していた。

神殿には、いろいろなスキルを持つ者がいる。ギルドのメンバーもチート級のスキルを持っているのだが、マヤが選んだのはロルフが使っていたスキルだ。

ロルフが、いつの間にか現れるのは、スキルの恩恵だと知ってから、マヤとミトナルはリンにもギルドのメンバーにも黙って練習を行っていた。

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マヤとミトナルは、スキルも共有している。主として所持しているスキルは、本人が実行しなければ十全の能力が発揮できない。マヤが取得したスキルをミトナルが使ってもスキルは発する。アクティブスキルもパッシブスキルも両者に恩恵がある。

取得を目指していたスキルは、ミトナルとしても”ぜひ”ほしいと思えるスキルなので、ミトナルも協力して獲得を目指した。

”気配遮斷”

王都に向かう前に取得に功したスキルを発した。

ミトナルには、マヤの存在は”覚”で伝わってくるので認識は変わらないが、ナナには突然、マヤが消えたように思えた。

「ねぇミルちゃん?」

急に存在が消えたマヤを心配してナナは、辺りを見回してからミトナルに話しかける。

「マヤなら大丈夫ですよ。王都を散策すると言っていました」

ナナが何を聞きたいのかミトナルにはわかっている。聞かれると考えていたので用意していた答えを伝える。

「え?」

予想外のセリフが返ってきてナナはしだけ戸の表を見せるが、表を戻した。

ミトナルが、何かを見せようとしているのがわかった。

ミトナルは困の視線が自分に向いていると認識して一つのスキルを発した。

「スキル”気配遮斷”」

マヤが取得したスキルのために、ミトナルにはまだ簡易詠唱が必要になる。マヤの能力の3-40%程度の能力になってしまう。

「ミルちゃん。スキル?」

ナナは、その場に居るミトナルの存在が希薄になったと認識した。

目の前に居るのに認識が朧気な狀態だ。

こんな事が出來るのは、スキル以外にはありえない。

「うん。マヤが取得したスキル。気配を遮斷して、認識ができない。認識が難しくなる」

ミトナルは、スキルの”表向き”の説明をナナに行う。マヤと相談して決めた事だ。このスキルは、”気配を遮斷”するスキルではない。短詠唱を使っての発なので、ナナとしても不思議に思っている。

「今は?」

ナナは自分が思った疑問をミトナルにぶつける。

しでも報を抜き取ろうとするのは、戦闘を生業にしていた時の癖のようなものだ。

「あっ。マヤが取得したスキル。僕が使うと、気配に敏な人や僕が居ると知っている人には、効果が薄い」

報を抜き出すようなナナの態度でもミトナルは気分を悪くしたりしない。

「マヤちゃんがスキルを使うとどうなるの?」

「認識しにくくなる。僕はマヤとつながっている。僕を見つけるのはリンでも難しいと思います」

「そう・・・」

ナナは、ミトナルが何かを隠しているとは思うが、これ以上は無理だと考えて話題を変えることにした。

「ミルちゃんは、これからどうするの?」

「”これから”?」

「そう、リン君は・・・」

「僕の存在理由は、リンと一緒に居る事」

「え?」

「リンが僕に”死ね”と言えば、僕は喜んで死ぬ。僕は、リンに生かされている。リンにもらった命だから、リンのために使う。マヤも同じ」

言い切るミトナルの表をナナがしっかりと見つめている。無理をしていないのは表からもわかる。そして、今までの行や二人から聞いた話から、本気なのだとわかっている。

「なぜ?そこまで・・・」

當然の疑問だ。

ミトナルも、何度も聞かれたことなので、よどみなく答える事ができる。

答えるだけで真意が伝わるとは考えていない。

「リンは、僕の全て・・・。ただそれだけ・・・。マヤも同じ。同じだから、僕とマヤは一緒になった」

それだけ言うと、ミトナルはナナから視線を外した。

ナナも、これ以上は何も聞けないとわかっている。理解はできないが、ミトナルとマヤの気持ちは痛いほどによくわかる。ナナも、一人の男に救われた。

當事者のマヤは、スキルを使って王都に飛び出していた。

(前に來た時にもじたけど、本當に汚い場所だよね)

マヤは、王都が”汚い”と表現している。

リンにもミトナルにも同じように語っているが、二人にはあまり理解されていない。

マヤは、質が霊に近づいてしまったために、”悪意”をじると汚いと思ってしまう。

しかし、久しぶりの王都にマヤは浮かれていた。

姿が隠せるようになって、前ではることが出來なかった場所に潛り込むことも可能になっている。

マヤのスキルは、本人がんだものだ。

獲得してからは、リンの眷屬に頼んでスキルの使い方を考えて、練度を上げるように訓練を行っていた。

マヤのスキルは既に高いレベルで安定している。

それこそ、ブロッホなどの一部の者だけにしか察知されないレベルになっている。マヤに劣ると言っても、ミトナルも揺nスキルを使う事ができる。人の姿の狀態では、認識され難くなるだけだが、それでも実力者と呼ばれる者たちが、ミトナルが居るはずだと認識していなければ見つけるのは困難だ。他にも條件はあるのだが、ミトナルも高いレベルで安定して、マヤのスキルが使える狀態になっている。

二人が、このスキルをにつけたいと思ったのは、リンが報を盜み出そうとするときに必要になるだろうと考えたからだ。そして、普段ではることができない場所でも、忍び込める可能がある。

それ以外にも、リンは絶対に命じないとはわかっているが、暗殺を考える時にも使えるスキルだ。

ミトナルがマヤのスキルを使えるように、マヤもミトナルが所持しているスキルが使える。

そして、ミトナルのスキルには兇悪なスキルが存在している。

スキル:魔法の吸収、剣技の吸収、念話

ユニークスキル:鑑定

マヤが使っても、ミトナルが得られる吸収とは差がでてしまうが、それでも吸収は発する。

今日のマヤとミトナルの目的は、王都にある貴族家や王家が所有する訓練所に潛り込んで、魔法と剣技を吸収することだ。可能なら、回復やバフ系の魔法を吸収したい。リンの眷屬は優秀だが、後方支援が弱い。

リンの格から、戦いになった場合に、マヤやミトナルだけではなくギルドのメンバーは理由をつけて、後方支援に回すだろう。どれだけ、スキルが優秀でもリンは前線に立つのは自分だけだと考えている。

橫に立てればいいが、マヤとミトナルはリンからお願いされれば、従う以外の選択肢はない。

ミトナルのスキルでは、前線での活躍は期待ができるが、後方支援ではあまりにも弱すぎる。それだけではなく、ミトナルにはゲームの知識も欠落している。ギルドメンバーは、知識の多寡には差がでているが、それでもミトナルよりもゲームで遊んだ知識があり、リンからの指示をけてもけている。

ミトナルとマヤは、指示をけるが、指示の確認をしなければけなかった。

二人で相談をして、王都にいる間に、貴族家が抱えている魔法師から魔法を吸収して、近衛や護衛たちから剣技を吸収する。そして、教會が匿している魔法のスキルを吸収するのが目的だ。

マヤは、ミトナルと相談して、まずは教會に向かっている。

神殿と最初にぶつかるのは、教會勢力だと考えた。

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