《T.T.S.》File.5 Worthless Road Movie Chapter 4-2

「はい洗剤、ここに置いとくね」

「ああ、あんがと」

ユリアン邸を引っ繰り返して集めたありとあらゆるグリセリン含有を亜金の足元に並べながら、エリカはチラリと玄関に築いたバリケードの向こうを覗き込む。

恐らく、普段は真面目に配送業を営んでいるのであろう筋骨隆々なむくつけき人々が、大型トラックの向こうで小口徑の拳銃を野放図に発砲していた。

ヤケになった一般人、と稱するに相応しい太い腕の老若男はブレブレの銃口をそれでも炸裂させてくる。

「なぁよ!いぃ加減止めねぇか?弾もったいねぇって!」

ユリアン邸とトラックの、ちょうど中間。

木製の低い柵以外には遮蔽もない場所に立って、源は武裝集団に語りかける。

「何にキレてんのかわかんねぇけどよ、そろそろこっちもやり返すけどいぃんだな?」

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