《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1665話 互いの過技法の研究の末

「さて、まずはその『過』を完全に把握するのが先だな……」

神斗は靜かにそう告げて右手を頭上高く上げると、その手のひらを空に向け始めた。

現在、神斗は『青』と『金』の『二の併用』を自に纏わせており、その掲げるように天に向けている右手には可視化出來る程の『紫』の膨大な『魔力』が覆われている。

対するイダラマは彼自が『過』技法の研究の末に編み出した『防』全振りといえる『魔利薄過まりはくか』の効力によって、自分に向けられる全ての攻撃を無視するような『完全回避』狀態に移行化されている狀態にある。

この狀態のイダラマは『魔力』を伴った攻撃だけではなく、如何なる理攻撃に対しても外界と切り離されたかの如くに攻撃をけ付けない。つまり今のこのイダラマに攻撃を與えようとするのならば、同じ『過』技法を用いる他に手立てはない。

別の世界であれば、他にも『理ことわり』を用いた『魔法』などで々と対策も講じられるが、この世界では『魔法』どころか『理ことわり』すら存在していない為に、同じ『過』技法以外にイダラマのを突破する事は出來ない。

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そしてその『過』技法に対しても、この世界の『魔』に攜わる『妖魔召士』がない以上、同様にイダラマに真正面から挑んで勝利を収める事は非常に難易度が高いといえるのだった。

――だが、その難度が當てはまらない存在が、今イダラマの前に居る。

それはランク『10』にして、この世界の最古の『妖魔神』である『神斗』と『悟獄丸』である。

そしてその『妖魔神』の『神斗』は、イダラマの研究の末に辿り著いた『過』技法に興味を抱き、その『魔利薄過まりはくか』を突破しようと、その『力』を示し始める。

『神斗』の天に翳していた右手をイダラマに向けて振り下ろすと、真っすぐにびた紫の『魔力波』がそのまま放たれる。

勢いはそこまでではないが、しでもソレにれると蒸発して消し飛んでしまうようなイメージを『イダラマ』は抱いてしまうのであった。

しかし當然、その『神斗』の『魔力波』がイダラマに當たる事はなく、その場に存在しないかの如く、イダラマのをすり抜けていった。

程、彼の『魔力』のれは何一つじない。どうやら私の攻撃に対して何一つ影響を及ぼしていないか。つまり完全に私の『魔』の干渉をけていない事を意味している」

あれ程の『魔力波』を放出したというのに、何一つ『魔力』の消耗をじさせない神斗は、更に今度は『青』と『金』に輝く二のオーラを強めていく。

その二のオーラによって、彼の覆っている『魔力』が更に膨れ上がっていく。

「悟獄丸、次は私もそれなりに本気で放つ。悪いけど……」

「ああ、俺も奴の『過』が何処までのモノか確認しておきたくなった。気にせずに好きなだけやれ」

神斗が最後まで口にする前に先に悟獄丸がそう言うと、神斗は笑みを浮かべた。

そしてそのまま先程よりも更に『魔力』の波じられたと同時、一気に先程よりも威力を増した『魔力波』がイダラマに向かって放たれる。

――最早、その一撃は『妖魔召士』が放つ『魔力波』とは威力の桁そのモノが違う。

『結界』など張っていなければ、當たった瞬間に確実に消し飛んでしまう程の恐ろしい『魔力』の一撃である。

しかしそれでもイダラマは自の『過』技法である『魔利薄過まりはくか』によって、今回もまた神斗の『魔力波』による一撃からを守る事に功して、一切のダメージをけなかった。

(何度やっても無駄な事だ。だが先程の初発から今回は直ぐに二度目が放たれたというのに、威力が弱まるどころか更に『オーラ』と共に『魔力』も威力も桁違いに上がっていた。あれ程の度で溜めがなく、こうして連発が可能なのだというのであれば、私は『魔利薄過まりはくか』を解除する暇がない。攻撃に転じる事などすでに考えているわけではないが、このままでは私は何もせぬまま、魔力切れを引き起こしてしまうだろう……)

イダラマが先の事を見越して不安を中で抱いていると、神斗は彼にそんな見・當・違・い・な不安をじさせる前に、畳みかけるように新たな行を始めるのだった。

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