《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1667話 本來の過の技法効果

「何やら納得がいっていない顔を浮かべているが、その理由はよく分かっているよ。でもそれを口で説明するよりも、実際に直接行ってみせて上げた方が理解しやすいだろうね」

そう告げる神斗は再び『魔力』を右手に集約させたが、それは先程の攻撃に用いた『魔力』に比べると半分にも満たない『魔力』の量であった。

「この『過とうか』っていう技法はね、本來は『魔』のあらゆる『防』技法を突破する為に用いられてきたモノなんだよ」

神斗は喋りながらも自を覆っている『魔力』をしずつ手の方へと移させていく。

「君のように『過』を『防』に特化するような使い方は見たことがないけれど、それでも『魔』の中にはあらゆる『防衛』を取る手段がある。それは『結界』であったり、相手の『魔』に対して『軽減』を図ったりする技法だったりとかね」

右手に集約されていく神斗の『魔力』だったが、今度はその神斗の左手にも右手とは違う『魔力』が蓄積されていき、そちらの方は直ぐに『魔力波』としてイダラマに放たれるのだった。

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「!?」

その神斗の再びの攻撃にイダラマの表こそは驚きに染まっていたが、彼は『魔利薄過まりはくか』を継続している為、特に避ける素振りや別の対抗策を取ろうとくことはなかった。

そして先程と同じように『神斗』の左手から放たれた『魔力波』は、イダラマの『魔利薄過』の影響によって、何事もなくすり抜けていった。

「『過』でここまで完全に私の攻撃をやり過ごす者を今までは見たことがないけれど、他の『魔』の技法で凌がれる事はこれまでも當然にあった。この『魔』というモノは不思議なものでね? 『魔力』を如何に高めて度を濃くしようとも、対策というモノはいくつも存在しているモノなんだ」

しかし神斗は避けられる事を分かっていたようで、淡々と話を続けるのだった。

「當然、君の『過』のような『完全回避』を可能とする領域に対して干渉しようとするならば、私達のような長壽である存在が、常に研鑽にを置き続けて研究を済ませていなければ崩せない。だけどしっかりと『目的』を明確にして、その事に時間を掛け続ければ、決してそれは難しい話ではなくなるんだ」

そして今度は『神斗』の本命であろう右手が、前に突き出されてイダラマに向けられた。

次の瞬間、威力そのものは先程の『二の併用』が伴われていた頃に比べると遙かに弱まっていたが、その分に速度が増しており、イダラマ程の『最上位妖魔召士』でさえ、何やら右手が紫っていると認識する頃にはすでに彼の眼前にまで迫り、その次に認識した事は、もはや避ける事は不可能だという事だった。

ピシッ、という亀裂がる音がイダラマの耳に屆くと、僅かにイダラマの顔の皮が裂かれて小さなキズと共にが流れた。

イダラマは直ぐに頬にが流れているとじて、無意識に右手でその流れるを拭く。

やがて自分の顔を拭ったイダラマは、自分の『完全な回避が可能である筈の』に、綻びが生じたのだとしずつ理解をしていき、それは信じられないといった表へと変貌していく。

「今のでそんな掠り傷しかつけられないか。やっぱり君の『過』技法はこれまで相対した誰よりも抜きん出ているようだね」

――それじゃ、次・は・本・気・でいくね。

そう言い放った『神斗』の目のが変わる。

それは『魔瞳まどう』なのか、それとも違う『魔』の技法なのか。全くイダラマには理解が出來なかったが、そんな事を考えている場合ではないと、彼は直ぐに中で警鐘を鳴らした。

しかし今の彼は『魔利薄過』を行っている最中であり、今の狀態こそがあらゆる攻撃に対する策を取っている筈であり、これを解除する事はすなわち死を意味するのである。

(ど、どうすれば、よいというのだっ!?)

しかしその『魔利薄過』であっても、今の真剣な表を帯びた『神斗』が放とうと右手に再度集約し始める『魔力』の塊が、自分に向かって來れば確実に回避が不可能なのだと思わされているのも確かなのである。

――『魔利薄過』を解除しても、しなくとも、どちらにしても『死』という明確なモノを意識せざるを得なくなるイダラマであった。

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