《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第474話 世界中に出現したジャイアントアント その2(樹の國、雷の國、土の國の狀況)
カゼハナで、フレイムハルトが赤アリを倒してし経った頃、続々と世界各國でジャイアントアント発生の対策が講じられていた。
■樹の國ユグドマンモン、風の國ストムバアルに隣接するユグドの大森林外にあるカフゥという町にて――
風の國へマルクら上位の守護志士が派遣されているため、トライア、トリニア、トルテアのドリアード三姉妹ら魔王代理がジョアンニャの空間魔法にて、首都勤務の守護志士を伴って対策本部に現著。
そこはカフゥの町とはし離れた場所に設営された場所だった。
「狀況は?」
到著するなり次トリニアが狀況把握のため、現地に派兵されていた守護志士に訊ねる。
「はい、働きアリの中に変わったアリがいるようです」
「変わったアリとは?」
「そのアリがいると植が――」
言い終わる前に三トルテアが早とちりして口を挾む。
「植を枯らすんですか!?」
「いえ……その逆でどんどん長するのです」
「長? 枯れるのではなく長するのですか?」
「はい、小さな若芽も、あっという間に長して実をつけるようになります」
「我々の補給資を削いで戦力を減退させようとするではなく、逆に増やそうとするのですか?」
「変わった生態ですね~」
「それって良いことなのでは?」
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「それが……良いことばかりとは言えない狀況でして。このユグドの大森林外にあるカフゥの町の植たちが大長した所為で、元々平原にあった町が極々短時間で森林地帯に近い環境になってしまいました」
「あ~、対策本部が町から離れたところにあるのはそういうわけですか」
「は、発生してどれくらい経つんだっけ?」
トルテアの質問に、
「半日ほどです」
三姉妹とジョアンニャの四人がカフゥの町のある方に目を向けると――
青々と、そして一部の植は大木にまで育っており、もはや森林と呼べる町並みが目に映った。
「「「「………………」」」」
「あ、あれが元々平原にあった町なんですか?」
「はい、そしてもう一つ厄介なことは……便宜上植を長させるアリを『長アリ』と呼稱します。その長アリの付近に存在している植が問題なのです……」
「長させるんだから……もしかしてし過ぎて腐っていくとか?」
「その通りでございます」
「「「うわぁ……」」」
「ってことは……その長アリの留まったところは腐敗した植でいっぱいということですか?」
「……その通りでございます。移してれば長だけで済むのですが、例えば食事などするために一所ひとところに留まると……」
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「腐敗するまで長を続けるってことなんですね……」
「はい」
「それは早急に手を打つ必要がありますね~」
「まだ町の中にいるのですか?」
「いえ、既にいません」
「ではどこに?」
「ユグドの大森林に向かっていている最中です」
「何で現場に居ないのに大森林へ向かってると分かるんですか?」
というトリニアの言葉の後に、トライアが話し出した。
「トリニア、トルテア、もう目星は付きましたよ」
長トライアの一言に――
「「え!? なぜ分かるんですか!?」」
――と驚く二人の妹。
「だってほら~、この町周辺は平原のはずが大森林に向かって一直線に長した植がありますから」
『長アリの進んだ場所の植は極端な長を見せる』そう聞いているため、大森林に向かってるであろうことは一目瞭然だった。
「「………………」」
「ほ、本當だ……」
「あ、あれは見紛みまがうことなき目印ですね……あの長した植の道の先端を進んでいるということなんですね……」
「じゃ、じゃあ、あれが大森林部にったら大変なことになるんじゃないですか!?」
大森林まではこの町からおよそ二百キロほど。長した植の道は既に見通せなところまで進んでいる。數十キロは移していると思われる。
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「あれが大森林にってしまえば、大森林が超大森林になっちゃうかもしれませんね~」
「他の守護志士たちは?」
「町に開いたからあふれ出る働きアリにかかりっきりです。上位守護志士の數が長アリを追って行きましたが……」
「そうですか~、じゃあ先回りして倒しちゃいましょう」
トライアのその言葉に妹二人が反応する。
「先回りするんですか!?」
「聞いてる限りはそれほど強くはなさそうですし、私たち三人でも大丈夫でしょう。後方の働きアリは、追ってくる守護志士たちにお任せして、私たちは先端の長アリを倒してしまいましょう。そうすれば大森林に侵される脅威も取り払えますから~」
「あの私はどうすれば?」
指示を仰ぐジョアンニャ。
「帰りが困ると思いますからアリの討伐が終わり次第、守護志士たちをそれぞれの場所へ帰してあげてください。その後は通常任務に就いてください~」
「了解しました」
三人は植転移法で、長した植の道の先端へ。
◇
そして長した植の道先端。
「臭いですね……」
「臭い!」
「腐る植があれば、新たに生えてくる植もあるんですね」
「ちょっとちょっと、腐敗した植が層になってるんだけど!」
トルテアが騒ぐ。
腐った植のその後に生えた植が腐り、更にその後に生えた植が腐ることによって、どんどんと重なっていったのが分かった。
「こ、この辺りで食事でもしているのでしょうか?」
「これは、早く見つけないと掃除が大変ですね~……」
「索敵します」
トルテアが魔力知を開始。
「見つけました……と言うかそこにしか大きめの生がいませんね。働きアリしかいません。腐敗臭が凄いので他の生は逃げ出してしまったみたいです」
「どうにか捕まえられませんかね?」
トライアのその言葉に。
「「いやいやいやいや!」」
妹二人がすかさず否定。
「そんなに長するなら、捕まえたら植の生育にも良いと思ったんですけど……」
「危な過ぎてダメですよ。我々には長促進魔法がありますし、捕まえるメリットは無いかと」
「そうですね……じゃあ、さっさと処理しちゃいましょう」
現場へ向かうと――
「何だか花みたいなアリですね……」
その姿は、ピンクの外骨格で、後ろから見ると巨大な花のように見える模様だった。
「ちょちょちょ、ちょっと見てくださいよ! あのアリの周り! 凄い早さで長と腐敗を繰り返してますけど!?」
「確かにアレが大森林にられたら終わりな気がしますね……」
「気付かれないうちに囲って殺しちゃいましょうか。じゃあマンイーターのヤツで」
「それはえげつない殺し方ですね……」
「ただ殺すより土壌の栄養分になってもらいましょう」
三人同時に魔法を放つ。
「樹魔法・【溶解の牢獄メルト・プリズン】」
長アリの周囲にのみ、樹木で出來た囲いを作り出して閉じ込めた。
他の働きアリに邪魔されないよう、更にその外側に樹木の囲いを幾重にも作り出す。
そして中は、生を溶かすマンイーターの樹で満たされ、長アリは窒息。その後、ドロドロに溶かされ酸が消滅した後、土壌の栄養分となった。
「じゃあ後は守護志士たちにお任せしましょう」
「しかし、なぜ王蟻は、あんな厄介なアリをこちらに送って來たのでしょう?」
「きっと常に長促進させることによって、食べを増やそうと考えたのでしょう」
「それってつまり……風の國の次に食糧庫としてこの國を狙ってたということですか?」
「憶測に過ぎませんけど、そう考えられるかなと」
「風の國が今回発生した王蟻を無事討伐できるかどうかで、その未來が現実になってしまうかもしれないってことですね……」
こうして無事樹の國の (主に植たちの)安全は守られた。
◇
■雷の國エレアースモ・風の國との國境の町フゥライ――
空間魔師・アルフにより、フゥライへ転移して來た雷の國王アスモデウスと側近たち。
「……狀況は……?」
著いてすぐさま現地の兵士に現況を訊ねるアスモデウス。
「はい、々劣勢です。風の國側から続々と侵攻されている狀態でして……」
「今まで見たこともないアリが一匹おり、それに手こずっているようです」
「……見たこともないアリって……?」
「全茶の外骨格に覆われていて、手が二本、腳が六本あり、上半が亜人に近いをしています。その上でのをしていると思われ、異常にがあり、剣や槍などの武で攻撃しても傷が付けられません。加えて、我々の得意とする雷にも強い耐があるようで……これらも苦戦する一因ですが、それ以上にその自在の腕を使った攻撃です。ジャイアントアントの力で腕をばして振り回すため、複數の兵士が攻撃に巻き込まれ、攻撃にしても防にしても思うように行かない狀態です」
それを聞いたアスモデウスの側近たちが口々に分析する。
「して、雷が効かないって、何だかゴムのような質ですね」
「今回のジャイアントアント発生は、今までに無い上位アリが発生しているとのラッセルからの報告が來ています。我々の國の質を考えて、対抗策として絶縁のあるを持つアリを生み出したのかもしれませんね」
「ここまで特異な質を持つアリが発生してるのを鑑みると、やはり王が『暴食』の大罪を得たというのは本當かもしれませんね」
「……他の攻撃は効かないの……? ……例えば炎とか氷とか……」
「決定打を與えられるほど強い力を持つ魔師がおりません」
「……ふ~ん……そう……じゃあ私がやる……」
「ア、アスモデウス様自らですか!?」
「……他のヒトがやっても倒せないなら、魔王の私がやるのが一番手っ取り早い……びみするなら、びなくなるくらい攻撃してやれば良いだけ……」
「そ、それはそうですが……そんなこと可能なのですか?」
「……問題無い……私の槍は持って來てる……?」
アスモデウスが側近たちに自の使う槍を要求。
「ハッ! ここに」
側近の一人が槍を手渡す。その槍は限りなく真っ直ぐな刃に作られた直線攻撃に特化した槍だった。
「……じゃあ、あのゴムのヤツを倒してくるから……」
その一言を殘して、一瞬でその場から消えるアスモデウス。
これは雷をに帯び、超加速する高速移。
銀のアリ戦で、エリザレアが見せた高速移と質的には同じものだが、魔王である彼の能力の方が數倍から數十倍速く、本當に一瞬で移しているようにすら見える。 (第458話、第462話などを參照)
そしてが一直線に走ったと思えば、そのの通過した場所付近に居たアリたちがし遅れて來た衝撃と共に吹き飛ばされていた。
アスモデウスが音速を遙かに超える速度で一直線に飛んだため、ソニックブームが巻き起こり、遅れて來た衝撃波により働きアリたちが次々と蹴散らされたのだ!
まさに瞬く間の出來事、次にアスモデウスが周囲の者から視認されたのはゴムの質を持つアリのに彼の槍が刺さった後だった。
周囲から見えるようになった時には既に槍がに突き刺さっており、激しい雷を発しながら更に突進を続ける。
ゴムのアリは、アスモデウスの雷を帯びた突進をけ続け、部分だけがはち切れんばかりに後方へ異常にびる。
「……武で攻撃しても傷が付けられないなら、傷が付くまで攻撃するだけ……」
アリのがび切り、もうそれ以上びないというところまでびても、アスモデウスはなおその先へ行こうと超高速移による刺突攻撃を続ける。
高速移のための雷エネルギーを魔力で補い続けているため、アスモデウスの刺突攻撃が終わることはない。しかも、だけび、腕や腳を置き去りにしているため、アリが自力で彼の攻撃を止めさせる手段も無い。
そしてアリののにも限界が訪れる。
ブチブチブチという音と共にゴムの外骨格が裂け、から背中を貫通してアスモデウスが飛び出した。
に巨大な風が開き、生存活ができなくなったゴムアリその場に倒れる。
「……結構かったね……でも魔王の相手じゃないよ……」
そして靜かに勝利のセリフを吐いた。
「……じゃあみんな、殘った働きアリの掃除はお願いね……」
そう兵士たちに言い殘し、再び一瞬でその場を離。
アスモデウスがジャイアントアントの掃討の最も邪魔となっていたゴムアリを倒したことにより、この後サクサクとジャイアントアント掃討が進み、雷の國での騒は沈靜化した。
◇
■土の國ヒュプノベルフェの海岸近くの漁村ジェムコースト――
先だって空飛ぶジャイアントアントのことを“上”から聞いていたため、事前準備が整っていた土の國では対処が容易であった。
「あの羽アリは羽を壊してしまえば、通常のジャイアントアントと変わらん。それどころか通常のものより弱いらしい、羽を狙え!」
「それにしても、これがジャイントアントなんですか? 空飛ぶジャイアントアントなんて今まで聞いたことがありませんが……」
「いち兵卒の俺には分からんさ。ただ、そういうのが居るという“上”からのお達しだけが來ただけだからな。ただそのお達しのお蔭でこう易々と攻略できているんだが」
「いち兵卒って……隊長まで任されてるじゃないですか」
「それでも“上”からすれば“いち兵卒”に過ぎないのさ」
「この群れに王蟻はいるのでしょうか?」
「いないと聞いている。つまり、ここに発生した分だけ倒してしまえば、あとは心配することはない。よし、方片付いたな。飛んで行った羽アリの方も片付いたらしい。殲滅したと考えて良いだろう」
事前準備のお蔭で、特別強力な戦力も必要とせず、ジャイアントアントの掃討を終えた。
そして、これにはもう一つ幸運だったことがある。
災害の元となっている風の國と、雷、樹の國は隣接関係にあるが、土の國、そして後述する水の國、火の國は、風の國から離れたところにあるため、特殊なアリが派遣されなかった。
そのため、この三國は羽アリや潛水アリも含まれているとは言え、“働きアリ”だけを相手するだけで済んだのだ。
危なげなくジャイアントアントの掃討を終え、ジェムコーストの住民もすぐに戻ることができた。
長アリの質はヤバイ……
次回は5月30日の20時から21時頃の投稿を予定しています。
第475話【世界中に出現したジャイアントアント その3】
次話は木曜日投稿予定です。
私たちだけ24時間オンライン生産生活
VR技術が一般化される直前の世界。予備校生だった女子の私は、友人2人と、軽い気持ちで応募した醫療実験の2か月間24時間連続ダイブの被験者に當選していた。それは世界初のVRMMORPGのオープンベータ開始に合わせて行われ、ゲーム內で過ごすことだった。一般ユーザーは1日8時間制限があるため、睡眠時間を除けば私たちは2倍以上プレイできる。運動があまり得意でない私は戦闘もしつつ生産中心で生活する予定だ。まずは薬師の薬草からの調合、ポーションづくり、少し錬金術師、友達は木工アクセサリー、ちょびっとだけ鍛冶とかそんな感じで。 #カクヨムにも時差転載を開始しました。 #BOOTHにて縦書きPDF/epubの無料ダウンロード版があります。
8 98外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。
【一話1000字程度でスマホの方にもおススメです!】 主人公は魔導學校を卒業し、スキル【即死《デストラクション》】を手に入れる。 しかしそのスキルは、発動すれば自分が即死してしまうという超外れスキルだった。 身一つで放り出され、世界を恨む主人公。 だが、とある少女との出會いをきっかけに、主人公は【即死】の隠された能力に気付く。 「全て、この世界が悪いのよ。この世界の生きとし生けるもの全てが」 「……ふうん。で、仮にそうだとして、君はどうするんだ」 「私の望みは一つだけ。ねえ、私と一緒にこの世界を滅ぼさない?」 「すっげー魅力的な提案だね、それ」 最強の力を手に入れた主人公は、少女と共に自分を見捨てた世界に復讐を果たすことを決意する。 隠れ最強主人公の、復讐無雙冒険譚。 ※カクヨムにも改稿版の投稿始めました! ご一読ください! https://kakuyomu.jp/works/1177354054893454407/episodes/1177354054893454565
8 180【書籍化】妹がいじめられて自殺したので復讐にそのクラス全員でデスゲームをして分からせてやることにした
僕、蒼樹空也は出口を完全に塞がれた教室で目を覚ます 他にも不良グループの山岸、女子生徒の女王と言われている河野、正義感が強くて人気者の多治比など、僕のクラスメイト全員が集められていた それをしたのは、ひと月前にいじめが原因で自殺した古賀優乃の姉、古賀彩乃 彼女は僕たちに爆発する首輪を取りつけ、死のゲームを強要する 自分勝手な理由で死んでしまう生徒 無関心による犠牲 押し付けられた痛み それは、いじめという狀況の縮図だった そうして一人、また一人と死んでいく中、僕は彼女の目的を知る それは復讐だけではなく…… 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスにて連載しております 2月12日~日間ホラーランキング1位 2月22日 月間ホラーランキング1位 ありがとうございます!! 皆様のお陰です!!
8 178【コミカライズ配信中】アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~
【コミックス1巻 好評発売中です!!】 平凡な冒険者ヴォルフは、謎の女に赤子を託される。 赤子を自分の娘にしたヴォルフは、冒険者を引退し、のんびり暮らしていた。 15年後、最強勇者となるまで成長したパパ大好き娘レミニアは、王宮に仕えることに。 離れて暮らす父親を心配した過保護な娘は、こっそりヴォルフを物攻、物防、魔防、敏捷性、自動回復すべてMAXまで高めた無敵の冒険者へと強化する。 そんなこと全く知らないヴォルフは、成り行き上仕方なくドラゴンを殺し、すると大公から士官の話を持ちかけられ、大賢者にすらその力を認められる。 本人たちの意図せぬところで、辺境の平凡な冒険者ヴォルフの名は、徐々に世界へと広まっていくのだった。 ※ おかげさまで日間総合2位! 週間総合3位! ※ 舊題『最強勇者となった娘に強化された平凡なおっさんは、無敵の冒険者となり伝説を歩む。』
8 138僕は異世界召喚され召喚士になりました。
失敗から始まった召喚士としての新たな人生、最初から地味に怠けてる主人公が多くの仲間と契約して成長していくちょっぴり殘念な異世界ストーリーここに開幕!!!!! 「俺が現世に戻ることは……ない!」
8 141生産職を極めた勇者が帰還してイージーモードで楽しみます
あらゆる生産職を極めた勇者が日本に帰ってきて人生を謳歌するお話です。 チート使ってイージーモード! この小説はフィクションです。個人名団體名は実在する人物ではありません。
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