《ダンジョン・ザ・チョイス》713.風のハイエルフ

「どけぇぇ!!」

翠のレイピア、“森に木れ日がし込んで”で偽エイリアン共を切り裂く!!

このままではユリカが――間に合え!

ユリカの手を離れた事で、“レギオン・カウンターフィット”の姿に戻ってしまった“ディグレイド・リップオフ”を摑む!

「吹き染めよ――――“雄偉なる木れ日の風”」

この數日で、コセ殿と共に磨き上げた流麗の大剣をこの手に。

「“隨伴の風”」

と風を刀に集約――十二文字を刻み、強化された速度を持って――アルファ・ドラコニアンの左腕を両斷した。

「ここからは私が相手だ、トカゲ野郎」

《なぜ、貴様までその武を使える……その剣は、そこのの……》

「今の私達は、貴様らが大好きな奴・隷・だ・か・ら・な・」

《はあ?》

ジュリーとルイーサからの提案で、コセ殿にはクエスト中、“奴隷神の腕”を裝備しっぱなしにして貰っている。

そして、コセ殿の“連攜裝備”の恩恵は、コセ殿の奴隷同士にも及ぶのだ。

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「行くぞ――“ミケカムイ”!!」

“ニタイカムイ”に重ねがけし、緑と黃のオーラを纏う!

《図に乗るな――エルフ風が!!》

「トカゲ風が、調子になるな!」

奴がるモンスターの群れを、“隨伴の風”の刃で切り刻む!

「――[風穿牙]」

突き出した勢いに乗せ、剣の先端から風との混合槍を飛ばす!

《ふざけるなぁぁ!!》

橫合いからの衝撃波で、私の槍の軌道を逸らしたか。

「暴風腳!!」

一瞬で距離を詰め、顔面を蹴りに行く!

《貴様ぁぁッ!!》

「“三重幻影”」

衝撃波を宿した爪を回避し、後ろを取る。

「“風大地剣”――シーニックグランドスラッシュ!!」

を一刀両斷しようとした瞬間、自に橫合いから衝撃波を叩きつけ――右腕の犠牲だけに留めた!?

《があぁぁッッ!!》

即座に距離を詰められてからの飛び蹴り――途轍もない威力に、が浮いて後退させられる!!

「“六重詠唱”、“煉獄魔法”、“古代屬付與”」

ユリカのやつ――風で目眩ましをしながら、風で上へと高くジャンプ!!

《絶対に逃がさ――》

「――インフェルノブラスターッ!!」

六つの炎線が、アルファ・ドラコニアンを呑み込む。

だが、この程度で奴等は死なん!

「――“霊魔砲”!!」

炎の本流に抗うカ所に、霊の芒をぶちかます!!

「これで奴も……」

――――舞い上がる煙の中から、ソレは殘った腳一本で、著地する間際の私に食らい付いてきた!!

「ああッッ!!」

ミチミチブチブチと、牙が私の左腕のと骨を――ッッ!!

「“紅蓮煉獄斧”――クリムゾンインフェルノブレイズッッ!!」

戦斧の一撃が、死にのアルファ・ドラコニアンの首を……叩っ切った。

《俺が……こんな……ところで》

コイツ、まだ生きて――自分の腕ごと、奴の頭を引き剝がすッ!!

「――ぁあああああああッッ!!」

痛みを堪えながら、憎悪と嫌悪を込めた剣で――頭蓋を叩っ切る!!

「ハアハア、ハアハア」

クソ!! 一瞬、狂気に呑まれ掛けた!!

「クク……大した奴等だぜ、あんな化けを――ガフッ!!」

ドワーフの男が膝を付き、を吐く!?

「お前、なんで」

「一矢報いてやろうと……それより、娘に……ハァー、ハァー、パニスに遭うことがあったら……俺が、格好良かったって……言って…………」

私を助けてくれたドワーフは、そのまま息を引き取った。

「私も……限界だ」

千切れた腕からの出が……酷すぎ……て。

「レリ――さん!!」

誰かが、私を呼んでる? でも……聲……遠い…………。

◇◇◇

『……おかしいね、なぜレ・ギ・オ・ン・・・カ・ウ・ン・タ・ー・フ・ィ・ッ・ト・が複數存在している?』

オッペンハイマー様の聲が、一段低い。

『すぐに調べさせます』

『……私の予想通りなら――サロモンの処罰を本気で考えなければならないね』

【多様學區】擔當のサロモン……今度はいったい何をしでかしてくれたというのですか、あの男は。

『SSランク同士のぶつかり合いに、アルファ・ドラコニアンとの戦闘。アルバートくんが用意した呪の戦闘。二日目の盛り上がりとしては上々』

『三日目のイベントは盛り上がるとは思いますが、々パンチが足りませんかね』

憎たらしいケンシのレギオン共にも被害は出ているの、明確な死者は未だ無し。

『せめて一人か二人、もしくはエリア攻略に失敗してしいというのに』

コセ様に私が與えてしまった形となった“グレートソード”と鎧、できれば取り上げてしまいたいところですが。

『それにしてもアルファ・ドラコニアンめ、徘徊を許した範囲から出おって』

本來の奴等の擔當は、最終エリア近辺。

SSランク奪取を阻む、最後の砦の役目を與えられていましたからね。

『オッペンハイマー様、私はそろそろ休ませて頂きます』

『ああ。あとは任せてくれ』

私が目を離した隙に、とんでもない事をしなければ良いのですが。

●●●

「レイナさん達と早めに合流できてよかったです」

達のパーティーと一緒に進む事で、大量のモンスターの襲來を難なく撃退できていた。

「私達も助かってますよ、クマムさん」

レイナさんの笑顔、アイドルオーラが凄い!

「NPCが三のおかげで、昨晩はゆっくり休めましたし」

レイナさんが連れているシノビの隠れNPCのサザンカさんと、使用人NPCのドワーフメイド、リスペンさん。

休息が必要ない彼達のおかげで、私達はグッスリと眠ることができた。

「この先、かなりの數の人間の気配がするっすよ」

「気配の消し方が雑ですね。でも、待ち構えているのは間違いないかと」

猿獣人のハヌマーさんと、牛獣人のノーザンさんからの報。

「早い者勝ちのクエストで、わざわざ待ち伏せ?」

「この狀況で待ち伏せしているなら、私達の事がある程度筒抜けじゃないとおかしいよね?」

赤い人魚のマリンさんと、ナオさんの疑問。

「どの程度かは分からないけれど、私達の報が筒抜けなら、下手に避けても後ろを取られるだけかも」

「つまり、正面突破ですか? リスクが大きいと思いますが」

レイナさんに意見する鹿獣人のエレジーさん。

「……クマムちゃん、私に案があるんだけれど」

「はい。教えてください、ナオさん」

●●●

「本當に來るんですか、ミチコさ~ん」

無遠慮に太でてくる、私の奴隷。

「ええ、すぐそこまで來てるわよ。だから、そういうのは夜まで待ちなさい」

頬をでて、なんとか諫める。

このを使って、言うとおりにくパーティーメンバーが五人に、道中で出會った四パーティー、計二十二名を用意。

カナデに屆いた謎の報で、突発クエストの時に私のお気にりの男と左腳を吹き飛ばしてくれたが、同じエリアになると聞いてこれだけの戦力を整えた。

ユニークスキル、“袖振り合うも”。

このユニークスキルを手にれてから一度でも出會った人間やモンスターは、同じステージにいる限りどこに居るか筒抜け。

昨日、寶箱から手にれたユニークスキルもあるし、今の私は《カトリック》最強と言っても過言じゃない!

「誰か來ますよ、ミチコさん」

獣人の奴隷が伝えてきた。

私達は部屋の上部にある通路に陣取り、あのムカつくが來るはずのり口を注視。

「……あん、一人だけ?」

忍者みたいなが、この部屋にるなりキョロキョロ見渡している?

「――ピー!!」

口の布を外して、手と口で笛みたいな音を!

「もういい、ソイツを殺して!!」

どうせバレた。なら一人は確実に殺――青白いり口からってきて、部屋のあちこちに向かって分散し――。

「……ハアハア、ハアハア……噓でしょ?」

今ので、半數が死んだ?

「ヒ!?」

今度はり口から、人型の烏と枯れた大樹のような化けが二も!!

「いったい……何がどうなってんのよ!!」

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