《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第480話 アスタロトを死守せよ!

アルトラは、アスタロト、ティナリスが引き連れて來た兵士たち、それと土の霊アーシャ、最後にアルトラが連れていた兵士と共に【ゲート】で移して行った。

「アルトラ彼は空間魔法が使えるのですね。逃がすつもりはありませんでしたが……アレではもう追えませんね」

「まあ、彼が街へ急いだところで、我が王には勝てないでしょう」

「では、殘ったお三方、始めましょうか」

「もっとも、これから行われるのは圧倒的量による一方的な躙になるでしょうがね!」

矢継ぎ早に捲し立てるデュプリケートに質問を挾むアスタロト。

「最後に一つ聞かせてください。あなたの能力は生きた生も取り込めるのですか?」

「…………さあどうでしょうね?」

「……なるほど、今の返答で理解できました。先ほどまでは必要無いことまでベラベラと流暢にしゃべっていたのに、そこを濁すということは生きた生は取り込めないのですね」

「………………」

分かり易く全てのデュプリケートが沈黙する。

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「これはわたしの憶測ですが、取り込み対象が生きている場合、その者の意志や意識が邪魔して吸収し切れないというところでしょうか? いや、正確には意識を消失させるまでかなり時間がかかってしまうので、殺してから取り込むことを常としたという方が合ってるかもしれませんね」

「………………」

「返答は無いようですが、概ね合ってるということですかね?」

「…………そうだ」

「まさか、答えていただけるとは思っていませんでした」

「だがそんなものは殺して死にしてしまえば良い!」

「死んでしまえば私の素材となるのだから理解したところで意味は無い」

「そう思いますか? ですが私は質問してみて大いに安心しましたよ。我が國の雙璧が取り込まれてしまったらもう打つ手が無いと考えていましたので。この二人はジャイアントアント程度の能力ならあっという間に百匹、二百匹と屠ほふることができます。あなた方ごときがこの二人を殺して素材に出來ますかね?」

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「な、ならばもっともっと『私』を増やして疲れ切ったところを殺せば良いだけの話だ!」

「我らは一人でも殘っていれば死ぬことはない!」

「逃げて數を増やす手段だってあるのだからな!」

それを聞いて突然ティナリスとロックスが笑い出した。

「フフ……」

「ククク……アハハハハハハ!!」

「……あなたたちの態度は不快ですね……」

「……何がおかしいのですか……?」

その二人の様子にしイラつきを覚えたデュプリケートたちが怒りを押し殺して二人に訊ねる。

「いやぁ……ここにアスタロトが居たのは幸いだったな、と」

「しかも、増えたのは同一個という話じゃないですか! そこが更に良い!」

なおも馬鹿にするようにデュプリケートの質問に含みを殘して答えるロックスとティナリス。

「…………アスタロトその方が居れば、私たちを全滅させられると言っているように聞こえますが?」

「そう言ってるんだが? はは~ん、お前さてはバカだな? 亜人の言っていることは意図が読めないか? 所詮はアリだな」

「……!? 貴様! 何だその態度は!」

「私が指示を出しただけでこの數千の『私』が一斉に襲い掛かる!」

「今貴様らの命運は『私たち』が握っているのだぞ!?」

ロックスの挑発に怒りを隠し切れず強い口調になるデュプリケートの集団。

だが、その後にティナリスも追撃する。

「まあちょっと落ち著きなさいな。本當にバカに見えますよ? しかもここに居る全員がこの程度の挑発で怒りを隠せないなんて、やっぱり所詮アリなんですね~。あとしゃべる人數多いからうるさいです。意識を共有してるなら一人がしゃべってください。何でそんな非効率なことするんですか? バカだからですか?」

今度はティナリスがデュプリケートを煽る。

「亜人ごときが~~! アリアリアリアリと!」

「我々に指図するな!」

「我々は貴様らのような下等生にバカにされるのが一番嫌いなんだ!」

「それなら何とかしてもらおう! この數千にまで増えた『私』をどうやって倒すのかをな!」

「大量にけしかけて三人ともミンチにして、その能力ごと取り込んでやる! 死ね!」

「死ね!」「死ね!」 「死ね!」 「死ね!」「死ね!」 「死ね!」「死ね!」

「死ね!」 「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」

「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」 「死ね!」

「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」 「死ね!」「死ね!」「死ね!」

「死ね! 」「死ね!」 「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」

「死ね!」「死ね!」「死ね!」 「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」

「死ね!」「死ね!」 「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」 「死ね!」

數千に増えたデュプリケートをけしかける。

ティナリスとロックスは、自たちとアスタロトの周囲に刃のような切れ味の暴風を巻き起こし、風のバリアを張った。

數十、數百のデュプリケートがこの暴風に巻き込まれ、ある者は切り刻まれ、ある者は吹き飛ばされて行く。

「二人ともちょっと挑発し過ぎです」

「いやぁ、すみません。ヤツの態度の変化が中々面白くて」

「私も夫に釣られてしまいました。まあ本人曰くジャイアントアント程度の能力ということですし、何とかなるでしょう」

「まだ何か能力を隠している可能もあります。十分注意してください」

アスタロトは二人にそう言うと、今二人が屠ほふったデュプリケートの死骸の一部を喰らう。

これがアスタロトの能力の発の鍵となっている。

そして靜かに目を閉じた。

「では生々時間がかかりますので、二人ともしっかりと護衛をお願いしますよ?」

「「心得た!心得ました!」」

二人は風のバリアを抜け、大勢のデュプリケートと戦する。

槍を振る度に、強烈なつむじ風と共に真空の刃が放たれ、多數の敵を両斷する。

二人は疾風の速さでアスタロトの周囲を駆け回り、デュプリケートの大群を一切寄せ付けない。

「くくっ……何だコイツらは……本當にただの亜人か? オイ! コイツらをさっさと殺せ! …………おっと々激昂してしまいました。し冷靜にならねば。フフフ……よく考えればまだまだ序の口」

「ただ、雙璧と言われるだけあって亜人の中でも飛び抜けてると見けられます」

「それはどうも」

「そして、その風のバリアに包まれた方が切り札というわけですか?」

「そうだ、我々の役目は彼を死守することだ」

「では、彼を殺せば我々の勝利ということだ」

「ここから私たちの攻撃は激しくなります。どれだけ耐えられますかね?」

その言葉を合図に、先ほど風の能力を得たデュプリケートと石の能力を得たデュプリケートがその特殊能力を発揮。

風のデュプリケートが真空の刃を放ち、ロックスを攻撃する。

が、同じく風を纏った片手でかき消された。

「何だ、特殊能力を得たと言ってもこの程度か。対したことないな」

直後に槍で一閃。風のデュプリケートは易々と倒された。

石のデュプリケート二匹がティナリスを攻撃。土魔法で複數の巨巖を作り出し、ティナリスへ流星のように降り注ぐも――

止まった石の間を通り抜けるかのように巨巖の間をい、石のデュプリケート二人を槍で切り裂く。

石でさが増してるとは言え、ルフ族の高位存在であるティナリスの腕力と風で増した切れ味を持ってすれば防することなどできず両斷された。

しかし――

「うっ……これは!?」

いつの間にか地面に霜柱が立っており、ロックスの片足が氷付いていた。

霜柱の元を辿るとそこには氷を使うデュプリケートが居た。

更に五のデュプリケートが氷を上乗せする。ロックスのがどんどん凍り付き氷像のような狀態になってしまった!

「さあ、あとは砕いてお終いです」

「フハハ! 死ね!」

「死ね!」 「死ね!」

「死ね!」 「死ねええ!」

ロックスをい留め、チャンスとばかりに集団で飛び掛かる。

しかし、ロックスはの芯まで凍り付いてはおらず、怪鳥形態へと変し巨大化、全を覆っていた氷を側から砕いた。

そしてその場で旋回して襲ってくる集団を弾き飛ばし、その後ひと羽ばたきし真空波を伴った巨大な竜巻を起こしてデュプリケートの集団を吸い込む。

吸い込まれた集団はズタズタに切り刻まれて絶命。そのままでは竜巻がどこかへ飛んで行ってしまうため、同じ規模の竜巻をぶつけて相殺する。

攻撃がひと段落したのも束の間、複數の魔法の収斂しゅうれん照により、巨大化したロックスの左翼にが集まる。

「ぐああぁぁぁ!!」

「ロックス!!」

の能力を持つデュプリケートの仕業だった。

強いの収束によって左の翼が焼かれてしまった!

直後に怪鳥形態から人型形態へと戻る。

「くそっ! しまった……腕をやられた……」

「貴様らーー!!」

ティナリスが疾風の速度で魔法を使うデュプリケートを蹴散らす。

「フハハハハ! 大分ダメージが蓄積してきたようですねぇ。こういうのもあるんですよ?」

指揮のように振る舞うデュプリケートが指をパチンと鳴らすと、四人が二人目がけて走り出した。続いてその後ろに四人の計八人が。

構えるロックスとティナリス。

迎え撃つ勢を取っていたティナリスが槍を橫に薙ごうといた瞬間、ロックスがティナリスの腕を摑んで、後ろへ放り投げ、すぐさま怪鳥形態へ変

そのまま防姿勢を取った。

「ロックス、何を!?」

その直後、ロックスに衝突したデュプリケートが発。続けざまに八発もの発を浴びせかけられた!

「ロックスーーー!!」

ティナリスのびが響く。

ロックスは瞬時の判斷で巨大化していたため発によるダメージを広範囲でけ、軽減できたものの更なる深手を負ってしまった。

発をけたロックスはから煙を棚引かせながら人型形態へ戻り、その場に倒れ込む。

「「「ふははははは!」」」

それを見ていたデュプリケートたちは、嘲笑を浴びせる。

「ね、面白いでしょう? 私自弾を混ぜてみたんですよ。さしずめ意思を持った弾というところです」

自分自が生み出した“生きた生”を平然と弾に仕立て、死しているというのに全く悪びれもしないデュプリケート。

ティナリスが煙を上げるロックスへ駆け寄った。

「ロックス!」

「だ、大丈夫だ……まだ戦える」

そう強がって見せるロックスだが、左腕を中心に左半は酷い火傷を負ってしまった。

一気に窮地に陥り、ティナリスは『アスタロトはまだなのか?』、そう頭で考えたが……

しかし、アスタロトの能力の生には魔力の集中が必要。

この戦いの勝利にアスタロトの能力は必要不可欠。聲をかけて集中をすわけにはいかない!

ボロボロになってでも、アスタロトへ攻撃が行かないようこの場を死守しなければならない。ここで彼が殺されるようなことがあれば、もう亜人側にデュプリケートを潰す手立てが無くなる。

「さあ、先ほど我々を馬鹿にした報いですよ。諦めて抵抗を辭めるなら苦しまずに殺してさしあげましょう」

「あの程度をに持って、の小さいヤツですね……」

「……そんなにボロボロになってなお口が減りませんね……まだまだ『私』は大量に居ます」

「減ってもすぐに補充します」

「さて、どれだけ耐えられますかね?」

さて、際限なく増えるデュプリケートをどう攻略するのか。

アスタロトの能力とは?

次回は6月20日の20時から21時頃の投稿を予定しています。

第481話【アスタロトの

次話は木曜日投稿予定です。

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