《ダンジョン・ザ・チョイス》720.四つのSSランク

「……ありえない」

シノビの隠れNPCが持つ固有スキル、“分”は、パーティーの空き分まで自分と同じ存在を増やせる能力。

仲間が五人死んだとはいえ、ルーカスもウォルターもパーティー最大數を増やす裝備をしているようには見えなかった。

「考えられるのは……Lv87で手にる、“ツインリーダー”のサブ職業」

そのサブ職業があれば、パーティーリーダーの同意の下、二つのパーティーを一つのパーティーとして扱える。

「へー、さっすが隠れNPC。簡単にバレちまった」

魔法を実質全て無力化できる奴が十人……魔法特化の私とバランス型NPCであるナターシャじゃ不利。

シューラは神代文字が使えるとはいえ、強力な攻撃手段は乏しいし……これは本當にまずい。

「俺もそろそろ便利なNPCがしいと思ってたところだ。俺の下僕になってくれよ!」

しかも、狙いは私かよ!

●●●

「――“飛剣・靈”!!」

の武で逃げ場を閉ざしたあと、斬撃を飛ばしてくるペドフィリア男。

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「――ハアッ!!」

錬剣の一薙ぎで、全てを迎撃。

「……」

私達の関係を不純、不潔と言っていたの“革命巨兵”はく気が無いらしいけれど、鬱陶しい。

「――“竜砲”」

“革命巨兵”を消し去る。

「TPをわざわざ大量消費するなんて、隨分余裕だね、犬獣人のトゥスカ」

「気安く私の名を呼ぶな。ご主人様との勝負から逃げた腰抜け風が」

モモカ達を傷付け、あの人にあんな顔をさせたお前は――絶対に許さない!!

「――言ってくれるね、ご主人様に尾を振る犬ころ如きが!! 裝備セット2!!」

左腕に鈍の盾を裝備した?

「もうお前らのチート能力は――お前らだけのじゃないんだよ!!」

まさか、あんな奴が神代文字を!?

「……え?」

盾に刻まれた九文字が……赤い?

「アルファ・ドラコニアンと同じ……」

「そんで、こうすれば良いんだろう!」

赤い文字の力を、右手の“アルティメットハフト”に注ぎ込んでいる!?

「やっぱり、神は僕を見捨ててはいないんだ!!」

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生み出された武全てに、赤いがこびり付いて――

「その程度で調子に乗るな!」

“雄偉なる黃昏は英雄と共に”に十二文字を刻み、“隨伴の黃昏”を刀に集約!!

「ズタズタに引き裂いて、あの男の前に君の首を曬してやる!!」

「“ホロケウカムイ”、“ミケカムイ”!!」

青と黃のオーラを纏って、襲い來る武の群れを掻い潛り――弾き飛ばし、距離を詰める!

赤い文字で強化されていようと、私の手にはあの人と作り上げたこの剣がある!!

「犬ころ如きがぁぁぁ!! ――“竜化”!!」

黃金の竜の姿に――赤い文字を九文字維持したまま?

私だって、“獣化”狀態じゃ三文字刻むのもやっとなのに!

『“神鉄砲”!!』

「“走”!!」

なんとか線から逸れ――避けた先から武の群れが!!

「――“ニタイカムイ”!!」

力任せに弾き飛ばし、多の傷は気にせず距離を詰めていく!

青い文字と赤い文字が反発し合うじ、やっぱりあの時と同じだ。アルファ・ドラコニアンと闘った時と!

『“神鉄剣”――オリハルコブレイク!!』

“アルティメットハフト”を大剣狀態にして――

「“黃昏大地剣”――トワイライトグランドスラッシュ!!」

すれ違い様に、ペドフィリア野郎のを切り裂いた。

四十ステージで戦ったアルファ・ドラコニアンに比べれば、まだまだたいしたことない。

でも、油斷はしない!

「“黃昏魔法”――トワイライトレイ!!」

『――“拒絶領域”ッッ!!』

厄介なスキルを、まずは一回。

「“走”――“黃昏大地剣”、トワイライトグランドブレイク!!」

後ろに回り込む間に、イ・ン・タ・ー・バ・ル・は解けているはず。

『きょ、“拒絶領――』

スキルが発するより早く、頭が吹き飛んだ。

“拒絶領域”を使い切らせるつもりが、間に合うとは。

目の前の男の力量を、私は高く見積もり過ぎていたらしい。

『……ぁ……んで」

人の姿に戻ったかsh3いj……私も、そろそろ限界が近い。

「僕は……僕は神にされ――」

這ってでも逃げようとするか。

「――ルーカスッ!!」

眼鏡の悲痛なび……これじゃあ、私が悪いことをしているみたい。

「――さようなら」

後ろから、這いつくばっているペドフィリア野郎の頭を――叩き切った。

○○○

「――“偉大なる英雄竜の猛撃剣”」

左手の“剣倉庫の指”から竜撃の大剣を抜き――両手の大剣それぞれに九文字を刻む!

「“二刀流”――ハイパワースラッシャー!!」

「チ! “逢魔の波”!!」

軌道を逸らされたか。

「俺もそろそろ使うか――“墮ちた英雄の魔剣”」

奴も指から、別の剣を……名前も見た目も、俺の偉大系統の剣にし似ている。

「行くぜ、チート野郎!!」

――“墮ちた英雄の魔剣”に、赤い文字が九文字!?

「食らえ!!」

赤い文字の力を“エンド・オブ・ガイアソード”に注いで、生み出された巖の巨球にも力を伝染させているだと!?

「だったら!」

俺も同じように意識して、青白い文字を纏った土と巖の巨球を発――相殺させる!

「さて、どうするか」

SSランク武の支配の能力は、自分の周囲に特定の何かを生み出してる能力。自分からある程度離れた場所には支配能力が及ばないため、近付くほどに危険が増す。

「“兇暴化”――“四連瞬足”!!」

自分を赤黒染めて、接近して來た!!

「“拒絶領域”!!」

巖石を纏わせた剣の一撃を、円柱の障壁で弾き飛ばす!

「“暗流弾”!!」

複數の黒靄玉を時間差で撃ってくる! “水流弾”の闇バージョンか!

「ハアハア」

コイツ、確実にルーカスよりも強い。

「“飛竜剣”!!」

「――“飛王剣”!!」

カウンター狙いで斬撃を繰り出し、奴の“飛竜剣”を砕いて――ウォルターの左腕を斬り飛ばした。

「チィ――“竜化”ッ!!」

鎧の中が金の竜に。

左腕も再生し、再び剣に赤い文字が。

「やっぱり、お前もレプティリアンか」

『よく知ってるな。ジャップのくせに』

「おまけにアメリカ人か」

『悔しいだろう? 貴様らの祖國を焼いて、三百萬人以上殺した挙げ句、お前らを見下す朝鮮人に、日本を代理支配させている國の支配階級が俺だ』

どこかで聞いた話が出て來たな。

『だが謝してしいな。朝鮮人共を使わなかった場合、お前らの國を連合國で分斷支配する手筈だったんだ』

「それだと不都合があったから、分斷支配をしなかったんだろう」

『そうさ。お前ら日本人は頭が逝かれてるからな。白人による植民地支配なんてしたら、いずれ大規模な反を起こすのは判りきっていた。お前らほど白人をこけにした民族も居ないからな』

第二次世界大戦中、白人の植民地を解放していったのが大日本帝國の軍人達。

その際に救われた國々には、親日國がなくない。

「ルーカスとは隨分と仲が良いんだな。アイツはイギリス人だろ。アメリカを見下すような発言もしていたぞ、罪人共が作った國だって」

『ハハハハ! 無駄だ、そんな言葉を並べても、俺とルーカスの絆は切れない!』

「絆?」

『俺の親父はCIAの重鎮で、ルーカスの父親はMI6からの出向でな』

MI6。有名なイギリスの報機関か。

『俺とアイツの初験は同じ相手でな。五歳の時にハワイのマウイ島の別荘に、現地のガキをパパ達が買ってきてくれたんだ』

糞悪い話を、楽しそうにペラペラと。

『いや、初験てのは忘れられないものでな。俺は同者なんだが、たまに五歳くらいの雌ガキを犯したくなるんだ。俺のはデカいから、裂けて痛い痛い泣きぶんだよ、アイツら』

「――お前は地獄に墮ちろッ!!」

二刀流による上段からの一撃に、ウォルターのが數メートル後退する!

『やっぱり、お前ら日本人は逝かれてるな。見ず知らずのガキが酷い目に遭ったからって、何をブチ切れてやがる!』

「頭が逝かれているのはお前らだ! 屑以下の汚共が!!」

コイツとルーカスは、絶対に生かしておいちゃいけない人種!!

『ククク、甘ちゃん民族共が。そんなんだからお前らは――』

「――ルーカスッ!!」

び聲?

『……ルーカス?』

ウォルターが呆然として――頭を叩き割られた白人の死が、トゥスカの足元に転がっていた。

『――――ルーカスッ!!』

奴の大剣に、赤い文字が十五文字も!?

『よくも――よくも俺のルーカスをぉぉぉぉッッ!!!!』

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