『よくも――よくも俺のルーカスをぉぉぉぉッッ!!!!』

ウォルターさんのびが、目の前で起きた事実を……私に嫌でも理解させ……。

「……ルーカス」

ここまで、私達を導いてくれた人。

「あ、私もダメみたい。じゃあねぇ～、カナデ」

ルーカスの小柄な使用人NPC、ナイアが消えてしまう。

「本當に……死んだんだ」

あのルーカスが……私にとって語の主人公みたいだったあの人が。

「――取り戻してあげようか、アンタの思い人」

――不気味な魔のようなが、いつの間にか私とナイアが見張っていた通路から!!

「……取り戻せるの？　私のルーカスを？」

「ええ、アンタに上げても良いよ。おまけに、なんでもアンタの言うことを聞くようにしてあげる」

「貴……いったい」

「最近、下僕が殺されちゃってさ。仲間がしいと思ってたのよね～」

ヤバいなのは、直で判ってた――けれど。

「なんでもする！　私、なんでもするから！　私のルーカスを取り戻して!!」

「契約立だね――“死支配”」

の周囲の床から、生気の無い集団が!!

「私の名前はイズミ。復讐ついでに、アンタの最の彼氏の死、回収してあげるよ」

――この時、私は魔に魂を売ったんだ。

●●●

『――許さん、赦さん赦さん赦さん赦さん赦さんッッ!!』

トゥスカを狙ったウォルターの前に出て、両手の剣を打ち合わせる!!

「……コイツ」

咄嗟に十五文字刻んだのに、パワー負けしている。

“竜化”狀態で十五文字。やっぱり、神代文字と模造神代文字の質は似て非なるなんだ。

「――“拒絶領域”!!」

ウォルターを弾き飛ばす！

これで、今日はもう“拒絶領域”が使えない。

『殺してやる……殺してやる殺してやる殺してやるｂふ４－ｃｈ!!』

コイツ、あの時のアルファ・ドラコニアンみたいにおかしくなっている！

……とっとと終わらせないと。

「“可変”――“二重魔法”、“大地魔法”――グランドバースト!!」

猛撃剣を竜の顎にしたのち、地面から大地の隆起と――“大地支配”の巖針を全方位から撃ち出す!!

『殺……す。殺しｃ４っｊｐ』

「――“神代の激竜砲線”!!」

がボロボロでけないところに、青白い砲を放つ!!

『……が……ぎｆｊ４…………」

左腕が吹っ飛んだからなのか、赤い文字を刻んでいた大剣が目の前に落ちてきた。

「ハアハア、ハアハア――スティール」

猛撃剣を手放して、厄介な武の所有権を奪っておく。

「……アイツ」

ＭＰが盡きたのか、人間形態に戻るも、中途半端な再生で止まり……死んだようだ。

「無事か、トゥスカ」

「はい、大した怪我はありません」

さすが。

「メルシュ達は……」

同じ裝備の男達と、ナターシャの“鋼の騎士団”がぶつかり合っているのが見える。

「マスター、トゥスカ!!」

メルシュのび――何かが、こっちに殺到して來た!?

「あの生気の無いじ、イズミの仕業か!!」

トゥスカの言うとおりなら、ここに來て三人目のSSランク使いが現れたってことに！

「ク!!」

錬剣も神代文字も、維持している余裕が無い。

「“竜化”！」

“偉大なる英雄竜の猛撃剣”と“墮ちた英雄の魔剣”で、死の群れと激突する!!

「援護します！　“獣化”!!」

なんとか優勢なものの、凄まじい量にいつまで持つか！

『――なに？』

ルーカスとウォルターの死が、白ローブのが居た方へと運ばれていく？

『――まさか!!』

死が消えないこのクエスト中なら、あの狀態でも“死印契約”の対象にできるのか!?

『クソ!!』

悪魔系のモンスターや見覚えのある豚の人獣に阻まれて、追うどころじゃない！

『――どけぇぇ!!』

剣を振り抜いた瞬間、凄まじい力が右腕から……――剣に、“墮ちた英雄の魔剣”に、模造神代文字が三文字刻まれている？

この力、俺でも使えるのか!?

複雑な気分だけれど、今は利用させて貰う!!

『――“飛王剣”!!』

死の壁が薄くなったところから模造神代文字の力を纏った赤い斬撃を放ち――死を運ぶへと――

「――“逢魔の波”」

黒い衝撃波で防ぎきったのは――魔と呼ぶにふさわしい出で立ちの不気味な……食獣のごとく笑ってやがる。

『“鋼鉄炎鎚”、スチールバーニングクラッシュ』

男の死が――

『ハイパワーブレイクッ!!』

相殺しきれなかった分の衝撃波に、全がズタズタに引き裂かれた覚に襲われるッッ!!

『ぐぅ……く」

『ご主人様!!』

まず……このままじゃ。

「――“超神竜化”」

金の棒を持った黃金の竜人が……死の群れを薙ぎ払った？

『待たせたな。お待ちかねの、參上だぞ!!』

……一発で誰か解った。

●●●

「どうして逃げるの？　あのまま畳み掛ければ……」

「アイツらは奧の手を持ってる。私には、まだまだ戦力が足りないのよ」

カナデを宥める。

生きた手足がしくてったけれど、失敗したかな、コイツ。

直で、このとは仲良くなれる気がしたんだけれど。

まあぶっちゃけ、さっきまでならあの犬とその男も殺せる！　って思ってたんだけれど、援軍が來た段階で風向きが変わった。

転がっている死とは契約し放題だから、偽エイリアンやら上位プレーヤーの死やら大量に手にれたけれど、犬の瞬間移能力とか、たった一手で私の優位は覆りかねない。

やっぱり、優秀で強い下僕が私には必要不可欠！

「で、アンタなに？」

あの場を離れた私達を追ってきた、和甲冑の黒人男に聲を掛ける。

「エイリムさん！」

「やあ、カナデちゃん。お互い、生き殘れてラッキーだな」

爽やかな笑顔……ああ、コイツ――私と同類だわ。

「で、カナデちゃんは彼と組むの？」

「……はい、たぶん」

「じゃあ、俺もれてくんね？　レギオンリーダーが死んじまったし、クエストが終わったあとの生き殘りをまとめ上げて、君の傘下にっても良いからさ」

「私の？　へー」

コイツの仲間の誰かが、このクエストでSSランクを手にれる可能はあるか。

「良いわよ。その時は、アンタを私の右腕にしてあげる」

「有り難き幸せ。なんちゃって」

ふざけた黒人だな。

「取り敢えず、ここからしでも離れるわよ」

ないとは思うけど、アイツらが追って來るのが一番嫌だからね。

「ククク！」

SSランク使いの死が二つ。私の死コレクションの中でも五本の指にる強さのはず……でも、あの犬と犬の仲間を全員殺してやるためには――まだまだ手にれなきゃね!!