《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第482話 帝蟻への対抗策

そして場面は再びアルトラサイドへと移る。時間はアスタロトがデュプリケートを倒すし前まで遡さかのぼる――

三人だけを殘し、デュプリケートのところに殘っていた兵士たちを引き連れて、【ゲート】で駐屯していた場所へ移してきた。

駐屯していた場所へ戻ると、もうかなりの數の鋭がイルリースさんたちの空間魔法によって召喚されていた。

「あ、アルトラ様! 急連絡はどうなったんですか!? アリの襲撃は!?」

召喚しながらもイルリースさんがこちらに気付く。

無理をしているのか、顔に疲れが出ている。同じくエアリアさんも。

「アスタロトとティナリスとロックスさんが現場で戦してる。あっちは彼らが何とかしてくれると言っていたから、私たちはボレアース市街の防衛に行こうと思います」

イルリースさんらと共に殘っていたウィンダルシアが、現在の狀況を鋭たちに伝えている。

早い者はもうボレーアス市街へ向かって飛び立ったらしい。

「ウィンダルシア、ご苦労様」

「アルトラ部隊長、今召喚できた鋭は三分の二ほどです」

「そう、私は一足早くボレーアス城の方へ行くこうと思う。どういう作戦で行くか聞かせてもらえる?」

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「有翼族をボレーアス市街へと先に送り、非有翼族はキノコ巖を登りつつ、上と下で挾み撃ちする作戦で行こうと思います。鋭部隊以外は住民の退避を優先と」

「わかった。じゃあこの場の指揮と市街の防衛についてはお任せして良いかしら? 戦場の素人の私よりあなたの方が適任だと思うし。この通信魔道もあなたに渡しておくのでお願いしますね」

左手から通信魔道シールを剝がして渡した。

「お任せください。殘りの鋭たちを召喚し次第、私も市街への防衛に參戦します」

「じゃあ、お願いね。私は帝蟻のところへ向かいます」

そう言いつつ【ゲート】をボレーアス城へ繋げた。

直後、各區域に散らばった知隊員から通信。

『こちらマップA-1班、人型の敵と戦中! 既にほとんどの兵士がやられてしまいました! いかがすれば良いでしょうか!?』

ほとんどやられた!?

『一旦退避して、近くに居る部隊と合流、立て直せ! すぐにこちらからも援軍を送る!』

ウィンダルシアが通信に応える。

一つの部隊から通信がったかと思えば――

『こちらマップC-2班、人型の敵と戦中です。こいつらどんどん増します! 指示をお願いします!』

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『こちらマップB-3班、人型の敵と戦中。今のところ問題無いが、増が面倒だ。何かしらの指示を頼みます!』

――立て続けに通信がる。

どんだけ広範囲に分をばら撒いてるんだデュプリケートアイツ……

『こちらマップA-1班、人型の敵がなぜか集団でどこかへ移して行きます! た……助かった……のか?』

どこかへ移? どういうことだ?

『こちらアルトラ部隊長に代わりウィンダルシア、マップA-1班、敵がどこかへ移とはどういうことだ?』

『わ、分かりません。方向はボレアース崖下があるマップD-3の方向のようですが……』

マップD-3って、アスタロトたちが殘って戦ってる場所じゃないのか!?

何が起こってる? 戻って彼らを援護した方が良いか?

……

…………

………………

…………いや、三人で十分だと彼らは言ったのだ。私は彼らの言葉を信じて帝蟻の方を優先しよう。アスタロトは何か考えがあると言っていたし。

「ここはあなたたちに任せても大丈夫?」

「はい、我々で何とかしましょう」

「では私はボレーアス城へ向かったと思われる帝蟻のところに向かいます」

「ご武運を」

出現させていた【ゲート】をくぐり、ボレーアス城へ。

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ボレーアス城に著くと、既に何かがおかしい。

恐怖に満ちた顔で、數人のヒトが城の外に逃げて來た。

よく見れば周囲には亜人のが転がっている。

「くそっ! 遅かったか!?」

城すると、既に城も慘劇の場と化していた。

標本以外の実を初めて見るから、私には働きアリか兵隊アリか見分けが付かないが、そこかしこにジャイアントアントが居る。

既に戦している兵士もおらず、城に殘っていた兵士の多くが慘殺され、一部食い散らかしたような跡がある者も……

に進した私に気付いたジャイアントアントのうちの一匹が襲い掛かって來た、

上空へジャンプで躱かわし、そのままジャイアントアントに乗って小規模な発で首付近を攻撃、頭を吹き飛ばした。頭を失った巨がゆっくりと倒れ込む。

発の音に気付いた周囲のジャイアントアントが集まって來た。

この後に帝蟻を相手にしなければならない可能が高い。MPは溫存しておきたい。

そこで、創魔法で二つ目の刀を作り出す。

以前作った『斬治癒きりちゆ丸』のような“殺さない”刀ではなく、確実に殺す刀。 (『斬治癒きりちゆ丸』については第322話參照)

魔力を流すと超振を発生させて切れ味が各段に増す、そういう刀を作った。

名前を……『真剣斬まじきり丸』にでもしておこう。ちょっとダサいか? まあマジで斬り裂く刀だからこれ以上分かり易い名前も無いだろ。

襲い掛かって來たジャイアントアントの攻撃を防ごうとしたところ、防姿勢を取っていただけなのに私の刀にれた相手の前腳が切斷されて飛んで行った。

「いぃっっっ!?」

す、すっげぇ切れ味! こんなの絶対誰かに使わせられない!

私がイメージしたナマクラ刀でこの切れ味って……超振の効果凄い!

しかしこれでジャイアントアントのい外骨格も容易に斬れる。時間を取られることなく進めるだろう。

道行くジャイアントアントを切り伏せながら、城に居る強い魔力を持つ者が待つ場所へ向かう。

著いたのは謁見の間。

部屋へと続く扉は既に壊され、の跡が付いていた。

そこに居たのは金の髪の

周囲にはボレアース城に殘っていた警備兵數人の亡骸。

金髪のの耳は尖っている。エルフ……なのか?

いや、見た目はエルフだが、魔力の量でじ取れる。

間違い無い! コイツが帝蟻だ!

「あなたがジャイアン――」

『――トアントの王?』と質問しようとした時には、『ゴゴオオォォォン!!』という巨大な激突音が鳴り響き、どことも知れない暗いところに居た。

「え? え?」

何だ? どうなった? どこだここは?

周囲でボロボロと何か崩れ落ちる音がする。

手をかしてみたところ、どうやらブロックのようなものがある。私は今どこに居るんだ?

そんなことを考えたところ、帝蟻から聲をかけられた。

「おいそなた、いつまで死んだふりを続けるつもりじゃ? まだ生きておるのだろう?」

聲をかけられ、起き上がってみて初めて自分が瓦礫の下に居たと気付いた。

疾風の速さで攻撃され、謁見の間の壁に激突したってところか。

帝に聲をかける前と後で、私が居る位置が全く違うことがその証拠。

ガラッと瓦礫をどかして起き上がる。

「いきなり攻撃するのは酷いんじゃない?」

「ほう、わらわの攻撃をけてピンピンしておるのか。そなたのような亜人は初めてだぞ!」

隨分雅な話し方をするな……

Lv11の攻撃ではなく普通の理攻撃だったようで、痛みが無いからまだ余裕があるが……攻撃されたのが全く分からなかったのはまずい……

この速度でLv11の攻撃を喰らえばあっという間に戦闘不能だ。

コイツの対抗策は、風の國に出発する前にカイベルから聞いている。

確か……こんなこと言ってたはず。

我が家を出る前、カイベルに呼び出されて、

『アルトラ様、帝蟻への対抗策をお教えします』

『対抗策? 相手は魔王相當なのよね? 私で相手になるの?』

『運もありますが、戦い方によっては十分にダメージを與えられます』

何だか発言が弱いな……『一人で十分勝てます』とはお世辭でも言えないのね……

『あなたが予想するに、帝蟻は私と比べてどの程度強いの?』

帝蟻は、アルトラ様の三倍ほどの魔力があります』

『えっ!? それって普通に無理ゲーじゃね?』

『何も一人で戦う必要はありません。戦力を揃えてさえいれば十分に勝機はあります。元々の生があまり魔力と縁が無かったというところが幸いしていて、それほどの差にはならなかったようです』

『それほどの差にって……三倍はもう勝てないでしょ』

私が十七萬くらいだから、その三倍って言うと五十一萬くらいの魔力があるってことかな。

魔力の総量が増えれば自展開している魔法障壁も厚いだろうし、魔力差が大きすぎてどうにもならない気がする。

あとは私の防能力がどの程度通じるかだが。

『所有魔力は高いものの、魔法の使い方はあまり上手くないようです。火屬魔法を主に使ってくると思いますので、それに対する対抗策として、【火屬:無効レジスト・ファイア】を兵士全員にかけることを推奨します。Lv11ではありませんので、これでかなりのダメージを軽減できると思います。使ってくる屬が増えた場合それに対応する無効効果を付與すれば、屬魔法についてはほぼ無力化できると思います』

『なるほど。それらは全部私にも効果が無いってことで合ってるよね?』

『はい。ただし、風は絶対に避けてください』

『……風がLv11ってわけね』

『はい。相手は七つの大罪『暴食』に宿主として選ばれた風の魔王ですので。アルトラ様にも致命傷を與え得る能力です。ただ、相手はまだ風魔法の重要に気付いていないので、派手さで優る火魔法を主に使ってくると思います。風魔法の特質に気付く前に総力戦で勝負を決する必要があります』

『なるほど、私みたいに魔法を無効化できる生はほぼいないから、これまで派手さで優る炎を主に使って來たってわけね』

魔法を無力化してしまえば、かなり勝率は上がりそうだ。

『魔法の話の後ですが、近接戦闘は絶対厳です。アルトラ様はどれほど重い攻撃でもダメージをけることはありませんが、その他の亜人の方々は一撃喰らっただけで戦闘不能になる可能が濃厚です。下手をすれば塊に……』

こ、怖わぁぁ……

『防力の高い前衛を囮にし、遠距離から足止めしつつ魔法攻撃するのが良いでしょう』

『人數はどれくらい居れば勝てそう?』

『短期決戦で鋭百から二百名。長引けば四百から六百名ほどはしいところです』

それって凄い數の死者が出るって言ってるのと同じことじゃ……?

魔王ってそこまで戦力に違いがあるのか?

『出來ることであれば、大戦力で戦っていただきたいところですが、もし仮に一人で対峙することになってしまった場合、同じく風魔法は絶対に避けてください。ダメージをけないからと言って、風魔法だけを避けようとすれば、帝蟻に自の風魔法の特に気付かれてしまう可能が高くなるので、なるべくなら全て避けているように見せるのがベターでしょう。しばらくは『避けた』と見せて誤魔化すことができる思いますが、徐々に『火が効いていない』へと思考が変化するでしょう。そこからは使ってくる屬魔法が増えると予想されます。何とかここに至るまでに致命的なダメージを與えないと倒すのは難しいと思います』

魔王相手に一人で短時間勝負しろってのがそもそも無理があるんじゃないか?

何とか別の戦力と共同で戦うか、もし私一人で対峙した場合にもそれなりのダメージを與えておきたい。

『こちらの魔法は風以外は全て効き目がありますが……戦法としては、アルトラ様は理的な攻撃が通じませんので、近距離でも遠距離でも可能です。相手は巨大蟻だけあって外骨格が頑丈なので、まずはその防力を剝がします。外骨格を破壊するには溶かして脆くしてしまうのが効果的でしょう』

『わ、分かった。何とかやってみるよ……』

何てアドバイスを貰ったけど……

この帝の腕はとても外骨格に見えない……

どう見てもエルフの

それにこんなに素早いって聞いてないわ。

能力があるって話だし、このエルフの姿が素早いってことなのかしら?

しかも、『大戦力で戦え』ってアドバイスされたのに、回りには騎士たちのだけ。私以外の戦力いねぇし……

結局一人で対峙することになってしまった……

アスタロト、ロックス、ティナリスたちが早くデュプリケートを倒して駆け付けてくれることを期待したいが……

もしくは、雷の國のラッセルさんとか、樹の國のマルクさんとか、風の國の鋭陣とかとにかく一大戦力が早く來てほしい。

何にせよ私以外誰もいないからには、帝蟻が自の風の能力に気付く前に、早く大ダメージを、を言うなら決著を付けてしまいたい。

『真剣斬まじきり丸』を構える。

第17章最終戦開戦です。

次回は6月27日の20時から21時頃の投稿を予定しています。

第483話【帝蟻の脅威】

次話は木曜日投稿予定です。

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