《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第483話 帝蟻の理解できない行原理

「フッフフフフフ……」

何だ? 何か笑い出したぞ……?

「わらわの一撃で死なないとは、そなたのような者は初めて會った。気にったぞ! わらわの僕しもべになれ!」

また魔王に勧されたよ。ルシファーの時ほど高圧的ではないが。

「あなたの僕しもべになれば、ヒトとの爭いをやめるの?」

僕しもべなるつもりなど頭無いが、爭いが終わるかだけでも一応聞いてみる。

「爭い? わらわからすれば爭っているつもりは無いのだが……」

「爭ってるつもりはない? ジャイアントアントの所為でカゼハナでなくない犠牲が出てるって聞いてるけど? それにここに來るまでに城で兵士がやられてるのを多數目にしてる。これでも爭ってるつもりはないと言うの?」

「そもそも我らは我ら以外を食料としか見ておらん。我らの仲間とて死んでしまえば食料だしな。そなたはその食料の中でも飛び抜けて面白いと判斷したから特別にわらわの下で働かせてやろうと思っただけじゃ」

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食料としか見てないってことは、理由が無くてもヒトを殺すのをやめないってことか……

「じゃあ、私があなたの僕しもべになったところで、亜人を殺すことをやめるつもりはないと?」

「やめる理由も無いしな。そなたらとて食べるために牛や豚や鳥を殺すのだろう? それと何が違う? それにな、そなたらは蟲も殺さんのか? 地面を歩いている小さなアリも殺さんのか? そなたらはその蟲を潰す行為を『爭っている』と認識するのか?」

うぅ……そう言われれば確かに……家の中って來たアリは何が何でも殲滅させるわ。

言われてみれば『爭っている』と言えない気がする……むしろ一方的な殺?

私から見れば、たまたまアリがヒトに近い思考を得たから『爭っている』ように見えているだけなのか?

帝蟻からの返答で自が隨分微妙な顔をしていたのか、次の言葉で指摘されてしまった。

「その表は、我らの立ち位置に戸っているようだな? 何にせよそういうことだから、我らが亜人を殺さなくなることは未來永劫無いだろう。まあ食料として繁くらいは許すかもしれぬがの」

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ア、アリなんかに論破されてしまった……

「で、でも、この爭いではあなたの子供たちも大勢死んでるのに?」

「子供? 『子供』とは何だ?」

「自分が生んだ子たちを子供とは言わないの?」

「産んだ子? ああ、アレらのことか。フッ……面白いことを言うな。亜人は自分が産み出したものが大事なのか? わらわが産み出したということはアレらは単にわらわの所有じゃ。アレらはわらわを生の頂點に押し上げるためのただの『土臺』に過ぎぬ。そなたたちが言う『踏み臺』とかいうものと同じだな」

「自分が生んだ子たちなのに死んでも悲しいとは思わないの?」

「悲しい? その『悲しい』が何なのか分からん。死んだところで特に何か考えることも無いな。ただ『働きアリが死んだな』とそう思うだけだ。その後は『食料』として役に立ってくれるからどちらにしても我らの役に立ってくれる」

ダメだ……蟲の行原理なのか、祖先子孫を大事に考える私たちのような哺本的に考え方が違っている……

を懐したり、説き伏せるのは無理そうだ……

故に共生・共存は絶対的に不可能。

「あなたたちの考え方が全く理解できない。勧は斷らせてもらうわ」

「そうか、そなたは面白いヤツじゃったが、それは殘念じゃ……」

その一言を言い終えた直後、またも目の前から帝の姿が消えた。

と、思ったら瞬まばたきの間に私の目と鼻の先に移してきた。既に右足で蹴りを繰り出しているのが見えた。しかも……その右足は刃のような形狀に変化しているのが一瞬だけ目にった。が、あまりの移速度に回避行を取ることはできず。

刃のような形になった蹴りは私の首筋に當たり――

ギャリギャリギャリギャリィィィィ!!

――という金屬音の後、またも吹き飛ばされ『ドオオオォォォン!!!』という音と共に壁に激突した。

再び瓦礫に埋まる。

が、今回は一瞬だけとは言え狀況も把握できているため、すぐさま立ち上がった。

「おぉっ!? 完全に首を刎はねるつもりで蹴ったのじゃが……何じゃそなたから出るその奇怪な音は? ………………面白い! 面白いなそなた! やはりわらわの僕しもべになれ!」

「…………ならないって言ったでしょ。私は亜人を殺す側に回るつもりは無い!」

このの特が無ければ、もう二回死んでる……

きを一瞬目で追うことはできても、き出す瞬間が目で追えないことが多い。

強化魔法をかけておこう。これで多なりとも視力にも補正がかかるはずだ。それと風魔法が來た時のことを想定して【風屬:無効レジスト・ウィンド】と【風屬:吸収アブソーブ・ウィンド】。この二つをかけておいたところで、防魔法まで貫通されるからどれくらい軽減できるか分からないが、やらないよりは生存率が上がるはずだ。

しかし……今勧したばかりの相手なのに、全く『惜しい』とも思わず即死する一撃を繰り出してくるとは……

自分が『惜しい』と思っている相手に対する行じゃないな……この行原理は亜人には到底理解し難い。

「わらわに付けばそなただけは助けてやると言うておるのに……現在はこの魔界で亜人が圧倒的多數を占めておるが、多數の兵士を生み出せるデュプリケートが生まれたからには、すぐにその數も逆転するぞ? 亜人たちはあっという間に我らの食料じゃ。今のうちにこちらに付いておくのを勧めておるんじゃがな」

「デュプリケートか。だったら私の頼もしい仲間が倒してくれるから、そんな未來は訪れない!」

「なに? あやつが倒される可能があるのか? そうか……そうすると勢力が足らんくなるな……そうなった場合はやはり亜人は食料にせず奴隷にするべきか……」

突然帝がその場に停止して顎に手を當てて考え始めた。

もう自分たちが魔界に君臨することを前提に考えているらしい。

「…………そうじゃ! もう一度似たような増える能力を持つ者を産めば済むだけではないか!」

コイツ……もう一度同じ能力を持ったアリまで産むことができるのか……

「そういうわけじゃから、やはり亜人の地位ポジションは食料から変わることはないな。そなたもわらわの下に付かぬのならここで殺してしまおう。蹴りのような衝撃には耐えられるようじゃから、魔法を使うか」

大魔法を使おうとしているのか、魔力を溜める時間が出來た。

カイベルの言う通り、魔法の扱いはそれほど得意というわけではないらしい。

その一瞬の隙を見逃さず、帝蟻に詰め寄り、

【樹】を浴びせかけた。

「ぐあぁっ! 目が……! が……!」

これがカイベルとの會話で到達した『外骨格を溶かす』ための答え。

マンイーターから會得した【樹】で、pH値は限りなく極酸に調整してある。

振りまいた【樹】によって、帝蟻の中がジュウジュウと音を立てて僅かながら溶け始める。

これでい外骨格の防力を落とそうという算段だったが、上手い合に目にり視力を奪えたらしい。

続けざまに『真剣斬まじきり丸』で、連続攻撃。

「くっ! おのれぇ……!」

帝は咄嗟にを守ったが、振する刀によりガードする腕が切れていく。

もう片腕は切斷寸前だ! 腕が無くなればへ攻撃が屆くようになる!

「よし! このままなら倒せなくとも、大ダメージくらいは與えられる!」

そう思ったのは甘かった……

「キサマァ……優しくしておれば付け上がりおって……」

突然口調が変わった!

直後に激怒した帝蟻の脇腹から腕が二本生え、その増えた腕二本で拘束される。

「くっ……! 腕の力が強すぎて、振りほどけない!」

そして、今切り裂いた二本の腕に炎の魔力が集まるのをじた。

腕に気を取られていたが、フッと顔を見ると先ほどまで綺麗なエルフの顔をしていたものがアリの顔に変化している。

次の瞬間、引き倒され――

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオォォォォォッッッンンンン!!!

――という連続した発を顔面に叩き込まれ、凄まじい破壊音がした。

そして何かの崩壊に巻き込まれ、目の前が暗くなった。

………………

…………

……

アリの心理を私なりに描いてみましたがいかがだったでしょうか?

次回は7月1日の20時から21時頃の投稿を予定しています。

第484話【帝蟻の脅威】

次話は來週の月曜日投稿予定です。

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