《ダンジョン・ザ・チョイス》729.急転直下

『この姿で俺達のレギオンを特定したってのか? ――何者だ、お前ら!!』

大量の刃。いや――鈍の牙が虛空に生まれ、回転しながら襲ってくる!

――各々、神代文字を刻んだ武で弾き飛ばす!

『その力……チ! 割に合わねー。お前ら、コイツらは無視だ!』

『行かせるかよ!』

“邪獣化”したレンさんが、先へ進もうとするする獣人達の前に立ち塞がる。

『イチカ、あの剣を私に寄こせ!』

「分かりました」

“ディグレイド・リップオフ”を実化し、投げ渡す。

恨すら――“雄偉なる邪悪で雑悪を斷て”』

黒く不気味な錬剣を作り出すレンさん。

『さあて、始めようか』

『舐めやがって』

即発の空気――を引き裂くように、それは現れた。

《ようやく騒がしくなってきたと思ったら、こんなところでチンタラしてんじゃねぇよ》

最深部側から、アルファ・ドラコニアンが現れた!?

は、バカでかいブラウンの大刀!

《お前ら、全員まとめて掛かってこい。でなけりゃ面白くねぇ》

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『なんだ、コイツ?』

《ハイベルセルクズ》側は、アルファ・ドラコニアンを知らないんだ。

「“聖炎水魔法”――セイントバーンスプラッシュ!!」

燃える聖水の奔流を、アルファ・ドラコニアンにぶつける!

「チトセさん、エルザさん、ヘラーシャさん、隙を見てSSランクを手してきてください!」

アルファ・ドラコニアンとSSランク持ちとの混戦、両方と戦って勝利するのは厳しい。

「アルファ・ドラコニアン相手じゃ、私達NPCは足手纏いか」

そう。神代文字を使えない者は、この場では役不足。

「私も行って大丈夫?」

「はい。向こうでプレーヤーが必要になる可能もありますから」

チトセさんの武だと、戦になったとき危ないし。

「マズダー、ムダン! お前達も付いていけ!」

ホタルさんの指示。

『チ! 先を越されてたまるか! お前らも行け!』

《ここは遠さねぇよ、奴隷種族共が》

『奴隷だと? 黙れ!!』

“ファング・ザ・ビースト”がいた!

『“雷巖爪”――ロックボルトブレイズ!!』

《それがどうした!》

不可視の衝撃波に吹き飛ばされるビースト。

『“邪悪大地剣”――ウィケッドグランドブレイク!!』

レンさんの九文字刻まれた剣と、不可視の力纏う大刀がぶつかり合う!

『コイツ!!』

パワー負けしたドラコニアンが、通路から遠ざかった!

「今だ!」

三人の獣人男達が、最深部へと突していく!

『そうだ、それで良い――裝備セット2』

ビーストが立ち上がり、剣槍を手にし――赤い文字を六つ……刻んだ……?

「――レンさん、こっちの相手をお願いします!」

SSランクに文字の力、錬剣の力がなければ危険過ぎる!

「イチカ、そっちは任せたぞ!」

ホタルさん達だけで、アルファ・ドラコニアンと戦うつもり!?

『邪魔をするってんなら、お前らから排除してやるよ!!』

赤いオーラを纏う牙の群れ!!

『無駄だ』

青いオーラ纏う“隨伴の邪悪”が、全ての牙を食らい盡くす。

『オメーの相手は私がしてやるよ』

が――生意気だな』

●●●

「――“超古代の巨神像”」

私の背後から土煉瓦の巨人の上半を呼び出し、神代文字九文字分を流し込んで――赤い爬蟲類野郎を毆らせる!!

《チ!!》

不可視のバリアで直撃は防ぐも、壁際に釘付けにしてやった。

「今だ、行け!!」

「あとで會おうね!」

「ああ」

心配げなムダンが、三人のNPCと共に三人の獣人を追う。

《まあ良い。このゲームは、最奧に辿り著いたからと言ってすぐには終わらん》

「どういう意味だ」

《SSランクとかいうのはな、オリハルコンの厚い壁で守られているんだ。そう簡単には壊せない壁だ。本來は、そこで待ち構えているのがこの俺の仕事なんだよ》

アルファ・ドラコニアンを倒すか、戦いながら壁を突破しなければならないというわけか。

「なら、私達がお前をここで倒せば良いだけの事だ」

《舐めるなよ――ノルディックが!!》

巨神像の腕が々に吹き飛び、衝撃波によって後退させられる!!

「――フッ!!」

《くだらん真似をするな!》

オゥロの吹き矢が、簡単に弾かれる。

この圧倒的な威圧……クエストでキクルとレイナ、グダラが三人がかりで戦った姿は見ていたが。

「おい、トカゲ。あんま粋ってんじゃねぇぞ」

ケイコの“マジックシリンダーガン”から、強烈な青いれ出る。

Sランクの“マジックシリンダーガン”に仕込んだ“黒き雷鳴よ迸れ”に、九文字刻んでいるな。

「食らえ!!」

“黒き雷鳴よ迸れ”という名のマガジンによって、組み込まれた銃には冥雷系統と対応する屬が追加され、威力が1,5倍になる。

《そんなで!!》

「――“拒絶”」

大刀で黒雷の弾丸を豪快に弾いた瞬間、ケイコのもう一丁の拳銃、“アタッチメントシューター”の先端に取り付けられていた“リジェクトアタッチメント”が腹に直撃――強烈な衝撃波をゼロ距離から叩き込んだ。

《コケにしやがって……ぶっ殺す!》

「“カパッチリカムイ”」

紫のオーラを纏ったオゥロの頭上には、十二文字刻まれた、“墓石から溢れしは怨霊の呪言”が顕現している!

「――“神代の怨霊”」

青白い巨大な霊が墓から溢れ出し、アルファ・ドラコニアンを襲う。

《舐めるなッ――“大地狩り”!!》

“神代の怨霊”をぶった切った斬撃を放った大刀には、赤い文字が六文字!!

「――――“神代の戦略砲”!!」

任せに、後先考えず――“愚かしきは縋り付くかつての栄”先端からぶっ放す!!

「ハアハア、ハアハア」

《クソ……こ、この俺が、こんな……》

腹から左足に左腕……吹き飛ばしてやったぞ!

《――“瞬間再生”》

一瞬で元通りに!!

《こんな屈辱は――生まれて初めてだぞッ!!》

全方位に放たれた衝撃波を食らってを取った瞬間――奴が目の前に!!

――が重い!! 神代文字の反――で……。

「か……カヒュ……カヒュ」

あれ、呼吸ってどうすれば……良いんだっけ?

お腹のところ、重くて痛い……赤くる爬蟲類の腕が、私の腹を貫いて――

《まずは一匹ィ》

その愉悅じみた笑顔を見た瞬間――――何かがブツッと切れて――私・を・壊・し・た・。

「――――ギヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒーーッ!!!!』

これ、誰の聲なんだろ。

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