《ダンジョン・ザ・チョイス》730.乗っ取られた者の末路

「“鞭化”――“後輝宮”!!」

背後にっかを生――球を作り出して撃ち出す!

『“四連瞬足”!』

私達の包囲を掻い潛って、ビーストに背後を取られた!

「――“絡め取り”」

“背負いし十字架はこの手の中に”を絡み付かせ、きを封じる。

『この程度で!』

「“跳躍”」

跳ぶと同時に、腰のポーチから取り出した炸裂ナイフを投げた!

“投擲貫通”を持つ私の炸裂ナイフは、鎧すら貫いて側から発する。

『――“三重幻影”』

幻影を変わりに!? ――鋼鉄の牙が私の周囲に展開し――

『させっか!』

邪悪の力でレンさんに守られる! 守られてしまう……。

『――“魔力砲”!!』

私を守ったレンさんの隙を突いて!!

『バーカ』

左の尾に持つ銀の斧、“技崩のバステロイドアックス”を翳して防いだ!

『なんだと!?』

と魔法以外の攻撃スキルを、れたカ所から消し去るぶっ壊れ斧。

「“蜃気樓”」

フミノさんのスキルで、彼の鏡竹刀――“只ひたすら打ち込むのみ”が、半明な狀態で巨大化。

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『ハ! 知っているぞ! それは、ただ虛像を作るだけの使えないスキルだろ!!』

「“有象虛像”」

鏡面系統の能力を多く使っていた際に手にれられるあのSランクスキルは――幻を実化する。

「“鏡面棒”――ミラーサーフィススラスト!!」

九文字――十二文字刻まれて、鏡竹刀の形狀が変化した!?

『――ガぁあッッ!!!?』

巨大な幻に突き込まれ、壁にめり込むビースト。

『この――程度で!! “獣化”ぁッ!!』

見た目はさほど変わらないけれど、中が変わったのか、鎧がしマッシブに。

「――――ギヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒーーッ!!!!』

――この怖気をじる聲は!!

「ホタル……さん?」

ホタルさんの皮どころか眼球まで黒く染まって、今度は――赤と青の管のようなが鎧にまで!!

『なんなんだ、ありゃ?』

ビーストの聲が、空虛に聞こえる。

「あの地蔵と同じ……」

私を庇った時に……取り憑かれていた? ――私のせいで!!

『ギャハハハハハ!!』

《――ぐぁぁぁあぁッッ!!!?》

ホタルさんのお腹から引き抜かれた腕に、青と赤の管が纏わり付いている!!

ホタルさんのお腹のが塞がって……。

『裝備セット2ぃぃ!!』

黃土の大型クラブと、大斧の二刀流になるホタルさん。

『全員――[死]!!』

黒い枝のような手が鎧の隙間から溢れ出し、見境無く襲ってくる!!

「ホタルさん!!」

《――グぁぁぁあッッ!!》

アルファ・ドラコニアンに大量の手が刺さって、何かを送り込んでいる?

《や、やめろぉぉぉ!!》

大刀で刺さっていた手を切り裂き……逃亡した? あのアルファ・ドラコニアンが?

『次……お前ら』

奧へ向かう通路を、手を粘り付かせて塞いでしまう!

「ホタルさん……」

私達を……殺す気なんだ。

『意味が分からねぇ……やってられるか!』

元來た通路を撤退していくビースト。

「ホタル! おい、聞こえてんのか!」

『ケイコぉ。いつもいつも邪魔ばかり。生き返らせてやったんだから、しは謙虛になりなさいよ』

「ホタル……本気で言ってんのか?」

『オゥロ、融通が利かなくていっつも拭いする羽目に。役立たずが! もっと普通の奴がしかったのに!』

「……ホタルには言われたくないし」

揺しているケイコさんに対し、怒りをあらわにするオゥロさん。

でも、オゥロさんも一瞬だけ悲しそうな目をしていた。

『イチカぁぁ、お前を庇ったせいでこんな姿になっちゃったぁぁ!! ――どうしてくれんのよぉぉ!! このクソ朝鮮人がぁぁぁ!!!!』

斧とクラブに、紫の神代文字が六文字ずつ!?

『死んで詫びろぉぉぉぉ!!』

――変貌したホタルさんが突っ込んで來た。

「すみません――“剣化”」

十字架に十五文字を刻み、剣で斧をけ止める。

『やっ――っぱり偽善者だぁ~。本當は贖罪の気持ちなんてないんでしょう~!』

「私一人の命だったら、コセさんとの約束が無かったら、ここで死んでも良かったんですけれどね」

その二つの理由が無くても、私が実際に死を選べたかは判らない。

『死ぬこと以外に――お前にできる事なんてないのよぉぉぉぉ!!!!』

「でも私は、ホタルさんを助けます。だから――いい加減、ホタルさんの振りをして喋るのはやめていただけませんか? ――クソ地蔵」

『……――アハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハッッッッ!!!! ――お前、嫌いぃぃッ!!』

「――私もです!!」

無理矢理十八文字を刻み、神代のを至近距離から浴びせる!!

「貴方は、この力が恐いんですよねhd3?」

恐いから、私達を排除しにわざわざ現れた。

「そういう事なら!」

「目を覚まして、バカホタル!!」

『私もやってやるか!」

「悪霊か何か知らないけれど、消えなさい!!」

ケイコさん、オゥロさん、レンさん、フミノさんの神代文字が私と共振――これを、ホタルさんの神代文字に無理矢理繋げる!!

『ち、力が……らな――――とっとと、私から出て行けぇぇ!!!!」

ホタルさんの神代文字が一瞬、ジュリーさんと同じ彩藍に!?

「――ぁああああああああああッッッ!!!!」

手や管、黒い皮まで引いていく!

「言っておくが、只で起きるつもりはないからな。絞りかす程度の力でも――お前を使い潰してやる!!」

悍ましい何かが、ホタルさんの左腕を伝ってクラブへ移し――形を変えていく!?

「ハァー、ハァー、ハァー、ハァー……手にれたぞ、SSランク」

まさか、コセさんやタマさんみたいに、自分でSSランクを作り出した!?

「……凄いです」

たぶん、アレは私には無理だ。

私には、自分で新しい何かを生み出せるような……創造がないかjxh3km!!

「ハアハア、ハアハア」

頭……痛い。力……使いすぎた。

『9番エリアのSSランクが回収されたのを確認しました。よって、現在9番エリアに居る皆様は第三回大規模突発クエストをクリア。依頼達です』

機械的な音聲が流れる。

チトセさんたちが、上手くやってくれたのかな?

「……イチカ、私は……」

ホタルさんの言葉を遮るように、視界がに覆われていく。

●●●

《が――ぁぁぁぁッッ!! …………ギ……ギギギギギギィィ!!》

あの時、力の大半をこっちに移しておいて良かったぁぁ~~。

《このは良いぃ! 普通の人間なら、取り憑くとすぐに死ぬのに、よく馴染むぅ。ギギギ!》

だけどぉ、力の大半を浄化されてしまった。

《こっちから、同類の気配ぃ》

呪われた品どうるいから吸って、力を蓄える。

《ギヒヒヒ! もっと悪意を吸って――全部殺しゅのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!》

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