《ダンジョン・ザ・チョイス》732.翳り澄むの水晶

四十五ステージで私を攫おうとした、気持ちの悪い人と相対する。

「嬉しいよ。僕とを育もう、ノゾミ!!」

「殺すって言ったんですけれどね」

こんなに殺意が湧いたの、自分の偽と相対したときくらい。

「――“き通る水晶の翳り”」

から水晶の鞭を引き抜き、左手で線拳銃を構え――仕掛ける!

「さあ、を確かめ合おうじゃないか!!」

こんな気持ち悪い臺詞を、本音で吐ける人間が居るなんて。

「――死ね」

線拳銃∞”を連!! 水晶の鞭にも六文字刻む。

「當たらないよ、その程度のじゃね!」

「“六重詠唱”、“水晶魔法”、“雷屬付與”――クリスタルバレット!!」

範囲攻撃で一気に終わらせます!

「――“悪食”」

が黒く染まって、直撃したはずのクリスタルバレットがに吸い込まれていった?

走りながら線拳銃を連……こっちは躱した? 魔法だけを吸収する能力?

「――“魔力砲”!!」

躱した先に鞭を――

「“悪食”」

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またに吸い込まれて――

「MPが隨分溜まったな――“悪食の権化”」

アラブ人っぽい男を黒く染めていたのと同じの球が無數に生まれ、くっついて巨人のような形態に。

「“衝撃鞭”――インパクトウィップ!!」

MPを使いすぎた。TPでなんとか――鞭が“悪食の権化”にれた瞬間、武が解けた!?

「私の知らないスキルなんて!」

「ノゾミ! その黒いのが出ている間は、“悪食”は使えませんの! 代わりに、“悪食の権化”は全てのスキルを吸収しますの!!」

ネレイスさんからのアドバイス!

「なら、プレーヤーの方を!」

“悪食の権化”に阻まれて狙えない! けれど、線拳銃の攻撃は巨人に吸収されていない!

二丁狀態で最大までチャージし――撃ち出す!!

「なんだと!?」

鞭から神代文字の力を込めたおかげか、“悪食の権化”の両腕との何割かを吹き飛ばす!

「――“封印”!!」

線拳銃∞”が消え――裝備を強制的に解除された!?

「なんてマニアックな裝備を」

“武封印の指”。対応するアイテムを“封印”するAランク。

線拳銃が両方消えたのは、同じ裝備だったから。

“封印”された以上、者が近くに居る間は裝備できないはず。

「“麻痺毒弾”!!」

躱して腰の鞭を摑む!

効果による強力な攻撃手段は、他にはない。

だから――神代文字を無理矢理に九文字刻んで、底上げする!!

「ハイパワーウィップ!!」

男を狙えば、“悪食の権化”が勝手に防ぎに來る――からの!

「“絡め取り”!!」

水晶の鞭で、黒のボールマンを完全に拘束!

「“線魔法”――レーザー!!」

「クッ! “幻影”!!」

もうしでプレーヤーを殺せたのに。

「“悪食の権化”を解いて、ま・た・黒・く・な・ら・な・い・ん・で・す・か・?」

巨人が消えれば、今度は鞭で攻め立てるだけ。

「は? ――――俺は黒くねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!!」

……なに? なんでこの人、急にキレたの?

「俺はク・シ・ャ・ト・リ・ヤ・なんだぞ!! 全然黒くねぇよ!! 黒くねぇんだよぉぉ!!」

“共鳴のタルワール”の二刀流で突っ込んで來る!?

が震えて、対処が遅れ――

「――ハイパワースラッシュ」

エリューナさんが、男に仕掛けた?

「卑怯者がぁぁ!! これは僕とノゾミの聖戦だぞぉぉ!!」

「みすみすパーティーメンバーを殺されてたまるか。そもそも、お前は全員を相手にするつもりだったんだろう? 今更不抜けたことをぬかすなよ、逝かれ野郎!! ――“業王腳”!!」

「クソ――“悪食”!!」

巨人を解除して、エリューナさんのスキルを吸収! けれど、そのまま蹴り飛ばされた。

「クソ! クソクソクソクソクソクソ!!」

「人種は違っても、お前らみたいなのは似たセリフしか言えないらしいな――インド人」

「自分はが白いからって……僕を紛い呼ばわりするつもりかぁぁ!!」

「知るか。私も、ヨーロッパの白人共からは紛い扱いされるからな」

なんの話を……。

「うるさい!! うるさい! うるさい! うるさい! ――裝備セット2!!」

數回り大きなタルワールに持ち替えた?

「卑しい共――全員ぶった切って、腸を引きずり出してやるぅぅぅッ!!!!」

剣に十五の赤い文字!?

「奴が使っていたのと同じ……」

エリューナさんは、アレを知っている?」

「限界を超えろ、ノゾミ。それしかないぞ」

「エリューナさん……」

「リューナで良い」

エリューナさんが、私が稱で呼ぶことを許してくれた!

「じゃあ、私も力を貸すっすかね~」

リューナさんとサンヤさんの神代文字と、私の神代文字が共振していく!

……二人とも私のこと……認めてくれてたんだ。

「ああ、共が穢しあっている――僕のノゾミを穢すなぁぁッ!!」

「――アンタの聲を聞いている方が、よっぽど穢れるのよ」

底辺中の底辺を見て、自分なんてマシな方とかけない肯定は嫌だけれど――私よりダメな人って、なんでこんなに居るんだろう。

「お願い、死んで」

十二文字刻まれた“き通る水晶の翳り”が、“翳り澄ます水晶の輝き”へと昇る。

「“四連瞬足”!!」

「“神代の鞭”――ハイパワーウィップ」

近付かれる前に打ち付け、弾き飛ばす。

「ハァー、ハァー! 文字の數は、僕の方が勝ってるのに……」

「貴方には解らないんですか? 私の鞭に刻まれた二人の力が」

他者の意思が、私の意思を支えて強靱にしてくれるこの覚が。

「はあ? そういう戯れ言はな、本気で神を信じているバカな信者だけで充分なんだよッ!!」

「――“絡め取り”」

正面からのパワーでは勝てなくとも、やりようはある。

「“衝撃鞭”――インパクトウィップ」

鞭で絡みとった狀態で、衝撃を與えながら床に叩きつけた。

「ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ」

“絡め取り”を解いて引き寄せたら、死にの男が這いつくばりだした?

「アイツ、“悪食”でなんとか生き殘ったね」

「発が遅れて、完全には防げなかったようだが」

完全に無価値なを眺めている気分の、サンヤさんとリューナさん。

「――騒がしいと思ったら、お前か」

部屋の出り口から現れたのは、確かミユキさんのパーティーのパドマさん。

「お、お前は……ど、同郷のよしみだ、助けてくれ」

「レギオン《クシャトリアの集い》、唯一の生き殘り。仲間全員を殺した私達に、命乞いしようって?」

「仕方なかったんだ! あれはレギオンリーダーが……アイツはバロモンだから逆らえなくて……」

いったい、なんの話を……。

「私を陵辱して殺そうとしておいて――寢言は寢ていえ、選民思想に取り憑かれた白人もどきが!!」

パドマさんの剣が、容赦なく男の首を刎ねた。

「……もしかして、獲を橫取りしてしまった?」

「い、いえ、気にしないでください」

切り替え早いな、パドマさん。

「あ、スヴェトラーナ達じゃん」

「どうやら、移先が被ったようですね」

エリさんとカズコさん、他のメンバーの方々も居る。

「ボロボロですね、皆さん」

ミユキさん達のパーティー、激戦を繰り広げていたみたい。

「ああ、例のアイアンバリエーションズとアルファ・ドラコニアンの――」

ミユキさんが語り出した時だった。

『6番エリアのSSランクが回収されたのを確認しました。よって、現在6番エリアに居る皆様は第三回大規模突発クエストをクリア。依頼達です』

スヴェトラーナさん達の方を見ると、彼の手に、黃金と銀の煌びやかな杖が握られていた。

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